シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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先生視点に戻ってきました


プレナパテス決戦 (3)

ハナコの目の色が綺麗な緑から

ルビーのような紅へ染まっていく

そのまま謎の光に包まれて見えなくなる

 

飛んでくる紐みたいなビキニとワイシャツ

 

「邪魔なのであげます♪使っても良いですよ?」

 

「要りませんよ!!」

 

ハナコ、床に叩きつけるのは勿体なくない?

いえすみません……なんでもありません

 

光が収まり、顕現したのは紅い翼をはためかせる天使

 

ついにハナコが尊すぎて天使になってしまったかー

真っ赤なドレスを身に纏っている

 

すっぽんぽんじゃなくて本当に良かった

 

黒服に聞いてはいたが、地獄の火炎を操る堕天使という表現は納得だな

 

「先生!ぼさっとしてないで指示を出して下さい!」

 

顕現したユウカに叱られてしまった

 

"すまない……って、ユウカとミカ!?身体は無事?"

 

「何とか……って所です」

「他の生徒達も随分やられたもんね……後で労いの言葉が欲しいな」

 

「それに……シロコとヒナも応えてくれたのか」

 

「うん、色彩が相手なら、私こそが適任」

「私も共に闘うわ」

 

そしてスペシャルにイロハとセナだな

 

「先生、大人のカードの神秘も限界です……」

 

"ああ、この戦力で突破しよう"

"頼むぞ、みんな!"

 

----

 

早速呼び出した虎丸と緊急車両を盾に距離を詰めるが

 

「それはマンネリ化ではありませんか?」

「夫婦円満の秘訣は、主導権の取り合いですよ」

 

これは炎で出来た……戦車?

 

「クルセイダーちゃん、蹴散らして下さい」

 

戦車砲一撃で緊急車両が中破した

これはダメだ

 

"セナは下がって!"

"虎丸は前進して旋回!ヒルメシの角度で耐えてくれ!"

 

「戦車を操るのがこの天使なら、叩けば砲撃が止まるはず!」

「もうアイスブレイクとかは……要らないよね!」

 

虎丸の影から飛び出したユウカとミカが仕掛けるが

おもむろ投げられた冊子?に銃弾が防がれる

 

「これは没収品です」

 

この冊子は、まさかエロ本か?

 

放物線を描いて……

バサリと音を立てて地面へ落ちると同時に紅い光を放つ

 

熱っ……こんな所まで熱風が届くとは……

 

"コハルの能力か……!?"

 

エロ本の爆発で怯んだユウカとミカに凶弾が迫る

 

「先生は童貞さんなので、初心な反応はNGですよ?」

「まずは二人」

 

「させません……!」

 

黒い銃を構え直したハナコが遠距離狙撃で撃ち落とす

撃鉄の音と共にハナコの射撃が止まるが

ヒナの制圧射撃がそれを引き継ぐ

 

「ふぅ、ありがとうハナコ、ヒナ……助かったわ」

「先生ってど、童貞なの……?ふーん」

 

ど、童貞じゃないが???

 

----

 

暫く銃撃戦を続けていたが

 

敵ハナコが足元にグレネードを撃ち始める

何だそれは?ただの自爆では……

 

いや、ハナコ本来のEXスキルだ!

 

既にギリギリの戦いなのに持久戦まで出来るのか

短期決戦で畳み掛けるしかない!

 

"みんな!仕掛けるからヒナに合わせてくれ!"

 

指示に合わせてハナコに2冊目を投げてくる敵ハナコ

 

"ユウカ!"

 

「まだ終わりじゃないわよ!」

「allegro」

ユウカのマシンガン掃射に合わせて一射

 

"シロコ!"

 

「了解……火力支援、始める!」

「ma non troppo」

シロコの十字砲火に合わせて二射

 

「ペロロ様、出番ですよ〜」

 

"ミカ!"

 

「援護と言ったら、やっぱこれかな」

「elegante」

 

ミカの隕石に合わせて三射……

ギリギリで飛び出してきたペロロでエイムがズレて決定打には至らなかったか……

 

そして

 

「Vanitas vanitatum et omnia vanitas」

 

全力を出した直後のヒナに銃弾が叩き込まれる

 

「はい今度こそ一人……虚しいものですね……」

 

私は真っ黒に染まり、焦げ付き始めた大人のカードを

ぐっと胸ポケットに押し込む

 

大ボスならではの高耐久力とサトリによる未来予知でのカウンター

 

リソースが尽きた状況で、こんな隠し球があったとは……

 

----

 

私が迷っているからといって敵が待ってくれるわけではない

 

一度均衡が破られたら、そこからは早かった

 

絶え間ない砲撃で虎丸と救護車両が大破

転がる虎丸から姿を晒したユウカとミカに銃弾の雨が降り注ぎ

クロコのドローンも破壊され、前のめりに倒れた

 

ハナコと私だけが大破した救護車両の影に身を潜めているだけ

あまりの不甲斐なさに泣きそう通り越して笑えてくる

 

すまない、みんな……

 

----

 

"ハナコ、スヴァリンって可愛い名前だよね"

 

燃え盛る遮蔽物を盾に話しかける

 

「先生、こんな時に何を……」

 

"大丈夫、相手もハナコだ……無粋な事はしないよ"

 

"少し調べたよ、神話に出てくる炎から護る楯だそうだね"

"私を護ってくれる覚悟かい?"

 

「……はい」

 

"でもね、銃は本来敵を打倒する為のものだ"

"そして本来ハナコは激情家さんだ、楯となって護る役割なんて似合ってない"

 

初対面の射抜くような鋭い視線を思い出しながらくっくと笑う

 

"私なんかの為に、自分の良さを捨てるのはやめて欲しい"

"ハナコのそんな姿を見たくて、キヴォトスに来たわけじゃないんだ"

 

"生徒達のために、そして何より……"

"自分のために、その力を振るってくれ"

 

「せんせい……?」

 

"スヴェル、その本質は「冷やすもの」だ"

"あの炎の堕天使を落とすには丁度よい武器だとは思わない?"

 

"絶対に時間は作る、任せたよ……相棒"

 

「はい……」

 

----

 

かといって自分一人ではどうしようもないわけだが……

 

"よし……頼んだよ、みんな!"

 

私は「みんな」に向かって指示を出す

 

「お仕置きの時間ですよ〜☆」

 

炎の戦車を銃撃の雨で霧散させる

 

「……光よ!」

 

光の線が堕天使に突き刺さり、顔が上に弾かれる

 

イラついたハナコがアリスの方向を睨みつけるも

視線がペロロ様の虚像に吸い寄せられる

 

左翼からモモイとミドリが、右翼からはセリカとシロコが十字放火を叩き込み

そして前傾姿勢のまま中央を駆けていくホシノ、ミカにユウカ

 

ユウカ!?

 

「ユウカが心配そうに太ももを震わせてたから行かせたのよ」

 

「そんな事なんてしてませんけど!?」

 

「船は残りのメンバーで護るわ、世界を護るために行きなさい!勇者と仲間達よ!!」

 

リオ、ゲームの王様みたいな台詞気に入ったんだね……

いや初対面でアリス連れて行く時から例えるの好きだったわ

 

----

 

ハナコは後から先を取る事を好む

盤面を受け取り、相手の思考を読み、卓越した頭脳で処理する

そうして出した演算結果を元に、相手の行動の穴や弱点を突いて咎める

 

だからこそ見に回るハナコに対しては

最初からキャパシティ以上の状況をぶつけて

一気に押し切る初見殺しが通用する

 

だから、合流しにきた生徒達で奇襲することにした

しかし最高に鍛え上げたドレスヒナの一撃おも凌ぐ堕天使には決定打は与えられないだろう

ジリ貧からの瓦解する未来しか見えない

 

なので……

 

足りない分はいつもどおりハナコに丸投げすることにした

 

"ハナコ、準備は出来た?"

 

「はい、いつでも……!」

 

"よし、いけ!"

 

「はい!」

 

ハナコからオーラのようなものが迸り

構えた愛銃の銃口が青白く輝き

 

銃口から発射された光のレーザーは

 

堕天使の脇腹を撃ち抜き、鮮血を撒き散らす

 

「エッチなのはダメ!死刑!!」

 

今なんて……?

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