私達は勝った
主砲を食らってもう動かないプレナパテスまで歩く
"借りるぞ、返しはしないけどな"
プレナパテスの指先から大人のカードを引き抜き
血塗れで倒れ伏すハナコにかざす
「かはっ……ごほ……」
血の塊を吐き出し、よろよろと上半身を持ち上げるハナコ
良かった、明らかに急所っぽい所を撃ち抜かれてたから即死したかと思った
そのまま崩れて灰になるプレナパテス先生のカード
まぁ、この使い方なら怒られはしまい……
「私達は、負けたのですね……」
"ああ、そうだ……"
"あんな卑怯な手段を取った私を……君は恨むかい?"
「……いえ」
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ハナコ最高の一撃は堕天使の土手っ腹を貫き、鮮血を撒き散らした
これで終わってくれればどんなに良かったか
プレナパテスがカードをかざすとあっと言う間に堕天使は復活した
ハナコも全ての神秘を使い果たして息も絶え絶え
他の生徒達も全力での時間稼ぎで疲労困憊
堕天使も切羽詰まったのか舐めプを辞めてしまった
ハナコに向けて必殺の一撃を繰り出し、咄嗟に庇ったホシノが盛大に吹き飛んだ
そして何事もなくハナコにもう一撃、遮蔽物を大きく抉り、ハナコは何度もバウンドされて転がっていく
わざとコハルに見せ弾のように大袈裟な一撃で狙い、ミカに庇わせて無力化する
残りの生徒達も正確無比な射撃で流れ作業のようにヘイローを消灯させていく
ちょっと瞬きする間にこれだ
争いは同じレベルでしか発生しないとは、このことか……
堕天使がヘイローを点灯させたハナコに向けて銃を向ける
しょうがない
生きて帰れたら二発目のビンタは受け入れよう
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「……何のつもりですか?プレイヤーさん」
ハナコを庇うよう、両手を広げて射線を塞ぐ
"見た通りだよ"
敵のハナコが少しでも動いたら、プレナパテスに主砲を発射するよう指示している
だから堕天使ちゃんは動けないし
私を撃たない限りハナコは安全というわけ
無線から背後から様々な罵声が浴びせられるが、冗談じゃない
ここで負けたらキヴォトスは滅亡するんだぞ?
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ずっと疑問に思っていた
最終編で何度も瞬間移動を繰り返し、こちらの陣営を苦しめるシロコ*テラー
私が彼女の立場として考えた時
最終編が始まったら即座に先生の背後にテレポートして
右ストレートでもお見舞いして亡き者にしてしまえば良いんだ
ドヤ顔で「私はキヴォトスを滅ぼす者」と連呼しつつ
玉座で待ってるだけの彼女は間抜けなのか?
いや……
世界を滅ぼすだのなんだの御大層な事を言っては居るが……
ただそこに居たのは
数多くの見送った同胞と、先生を偲ぶ
傷付き、疲れ果てた少女でしかない
前提は違っていても、シロコではなく別の生徒だったとしても
生徒なんて誰も彼も良い子ばかりだし
どうせ最後の一線は越えられない
「舐めないで下さい……撃ちますよ……!?」
ハナコは私を険しい顔で睨みつけ
構えた銃は軋むような音を立てる
ほらね?
"舐めてるのは君の方だよ、浦和ハナコ"
"何故、あちこちに瞬間移動出来る能力を持ちながら"
"真っ先に私を始末しなかったんだ?"
苦虫を噛み潰したような顔で撃ってきたが
銃弾は背後で音を立てた
"何故、仮にも世界を滅ぼそうとしている人が"
"自分の手を全く汚さずに遂行出来ると思うんだ?"
次の銃弾は私の肩を浅く裂き、赤黒い血を撒き散らす
「いや……先生!!」
こんなもんか、全く神秘も乗ってないじゃないか
ホシノをキリモミ旋回させて吹き飛ばした徹甲弾みたいな威力はどこいった
痛みを堪え、一歩前に歩み寄る
青褪めた顔で私を睨みつけ、銃口を震わせる堕天使は
年相応の少女だった
これなら取引先の社長の方が10倍は強敵だったぞ
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次は足を少し削り血飛沫が飛び出す
思わず片膝をついてしまう
「退いてください……お願いします……」
"君はキヴォトスを舐め過ぎだ"
"そっちの何でも一人で抱え込む仕事の出来ない男の世界は知らんが"
「……っ!私の先生を、侮辱しないで……!」
"こちらには別の先生が居るから崩れることはない"
"そもそも、たったの3年で全員卒業して大人の仲間入りだ"
"何時までも先生、先生と甘ったれるんじゃない"
立ち上がり、もう一歩前に歩き寄る
ハナコの準備は……まだまだ掛かりそうか……
これは、流石に死ぬ方が早いかな……
「遅くなりましたが、間に合ったようですね」
"ケイ?"
──50
──絆ランクアップ!
──浦和ハナコの絆が限界に到達しました
──これより、同生徒が紡いだ絆の力を、シッテムの箱とリンクさせます
「力が溢れてくる、これなら……!スーパーアロナちゃんバリアで!」
"いや、この力を全てハナコに流し込んでくれ"
「うぇ……先生!?正気ですか?」
"もし彼女に本気で撃たれたら、どの道お陀仏だからね"
そして背後から「先生!伏せて!」という台詞が聞こえると同時に、前のめりに倒れ伏した
堕天使を蒼い光が貫くと同時に
プレナパテスへ主砲が着弾した
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乗組員だった生徒達全員を地上にテレポートさせて
ドレス姿のハナコに言い含めてから、私の分のテレポートを使って地上へ送り届ける
「せ、先生……自分用の、シーケンスを……ハナコさん、に……?」
「爆発からは守れました……けど、墜落スピードが、変わりません……」
「ゲホ……ごめんなさい、アロナ先輩……私がシッテムの箱の演算能力をギリギリまで使ったから……」
"二人とも、私じゃなくて、プラナを頼む……"
"彼女はこの先……必要な存在になるから……"
「せ、先生!?」
「でも、シッテムの箱は私とケイの分でキャパシティはもう一杯で」
「無理にプラナちゃんを乗せると、先生の救出の手が……!」
そうか……どの道詰みだったのか……
"ケイもプラナも欠かせない存在だ"
"命令だよ、無理にでもプラナを回収して、地上へ戻れ"
私は、お腹にシッテムの箱を抱えて、目を閉じた……
誰視点で描くか悩みました
どっちのハナコでも曇らせが捗るね!
クロコがこちらの先生を撃てずに終わったように
そこに立っているのがTMTハナコであっても
やはり先生は撃てずに終わると思いました
だから先生を盾にすれば完封勝利というわけよ
このメソッド、真似しても良いですよ?
次回、先生が生徒達に袋叩きにされます