先に地上に送り届けられた私達生徒は
先生が何時まで立っても送られてこない事に不安になり始めていた
そのまま上空で箱舟が爆ぜた時は生きた心地がしなかった
リオ先輩も「もしかして、シーケンスが不発した……?」と青褪めている
暫くすると大きな大きな流れ星がゆっくりと落ちてくる
ということは……例のゲームのように?
私は一応エンジニア部から白衣を借り
流れ星に向かって駆け出した
……
流れ星はこの付近に落ちた筈
私達を待っていたのは、先生が肌身離さず持っていたタブレットだった
私は形見となってしまったタブレットを抱き
大粒の涙を溢しながら泣いた
そこからは覚えてない
目が覚めたら付近のホテルのベッドの上で
私が寝つくまでユウカがずっと寄り添ってくれて、隣のベッドで寝てたらしい
----
──シャーレの執務室
「キヴォトスの生徒の皆さん、おはようございます!」
「クロノス報道部の川流シノンです!」
「本日は、復興作業が行われているD.U.シラトリ区に来ております!」
「あちらに見えるのが、現在復興作業中の建物です」
点けっぱなしにしているテレビからニュースがはじまる
「シラトリ区は巨大ロボットと怪獣の激戦地であったことから、キヴォトスでも特に甚大な被害を受けた地域となりました」
「ですが、ご覧ください!既に活気あふれる姿に生まれ変わっています!」
「やはり、都市には再開発がつき物なのでしょうか!?」
……
「そして、この事件と関連があると疑惑の目を向けられているシャーレでは」
「全裸の先生が生徒に抱き抱えられて野原を駆け回っていたとの目撃情報に対し、ノーコメントを貫いています!」
………
"ごめんて……"
目の前では小さくなった先生が正座していた
本当に、本当に……あの悲しみに暮れた数日間と涙を返して欲しい
まさか私より先にあの痴女に回収されて
トリニティの保健室で治療していただけとは……
しかも、目の前の痴女のせいで
私が全裸の先生を抱き抱えて野原を爆走した事になっているし……
意趣返しか?意趣返しだな?
「うふふ、丸くおさまって良かったじゃないですか♪」
諸悪の根源が口を開くんじゃない
こっちはお前が来なければ幸せに過ごせてたんだぞ
先生をバカスカ撃ちまくった挙句
嫁のような顔でベタベタと先生に触って……うらやま……
こほん正気の沙汰ではない、一体何を企んでいるのか
やはり、もう一度必殺技をお見舞いする必要が……
「先生?少しだけ……」
「ハナコちゃんと二人きりでお話しさせて頂いても、よろしいでしょうか?」
"あ、ああ……良いよ"
----
二人きりになった痴女は
胡散臭い笑みとわざとらしい間延びした口調を止め
シンプルに切り出してきた
「私は先生から命を頂いた身、こちらのキヴォトスの一員として生きていこうと思います」
「そして、ハナコではなく……別の名前を名乗ろうかと」
「なんて名前ですか?」
「ヨツバです」
ああ、別人じゃなくて、私なのだと理解してしまった
これは、私がトリニティを中退した後
ブラックマーケットで過ごす為に用意していた偽名だ
その後、ハナコ……もといヨツバは
先生にファーストキスを捧げたという爆弾を残して去っていった
は?はああああああ???
私は乱暴に執務室のドアを開け放つ
"おかえりなさい、ハナコはどうしたの?……そしてもうひとりのハナコは?"
「先生!少しお時間よろしいですか!?」
これにて一旦本編は完結とします
ここからは1年経って一皮剥けた原作ハナコさんが
トリニティ学園で大暴れすることでしょう
描写を端折った箇所の肉付けもしていければと思います