シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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一つの条件と約束

──少々お高いディナーの個室

 

「先生……あなたに可能性を見出したのは事実です」

 

「そして、確かに私はこれから先何が起こるかをある程度知っています」

「ある程度の脅威は、先手を打ち簡単に退けられることでしょう」

 

「ですが」

 

「今のあなたに協力したいとは思えません」

「こんな有様ではどうせキヴォトスはすぐ崩壊するでしょうね」

 

まあそうだよなぁ

ヨツバの態度ってどこか他人事だし、協力と言うにはどこかズレてる行動してるもんなぁ

 

だけど、ただズレているわけではない……

 

"ヨツバ、君は君の譲れない何かの為に行動しているね?"

 

"それを手伝おう"

 

"それで君に認められたら力を貸してくれるかい?"

 

「はい、ひとまず合格としましょう♪」

 

----

 

なんでこんな殺伐とした会話になってしまったのか

 

二人でシャーレを出てレストランへ向かう

トリニティでの生活を聞いたり、補習授業部やハナコの様子を聞いたり

 

そしてヨツバをシャーレに迎え入れたいと本題として切り出した所で豹変した

地雷を踏んだというより、ヨツバの行動の仕込みが終わったから伝えに来たのだろう

 

"それは有り難い、それで、私は何をすれば良い?"

 

「キヴォトスで妻を娶って、決して未亡人にしないと誓ってください♪」

 

は?

 

「だって、総大将がのこのこ敵の前にやって来て」

「両手広げて時間稼ぎだなんてありえませんから」

 

「あなたはハナコちゃんが後ろに控えているから死んでも変わらない」

「そう、勘違いしていませんか?」

 

流石にそんな事はないが……

 

「一体、ハナコちゃんの何を見てきたんですか?」

 

いや、君があまりにも強すぎたのが……まぁ短絡的だったかも知れないが……

 

「絶対に、ハナコちゃんが立ち直る前にキヴォトスが滅亡して終わりです」

「そして、別の男にあなたのハナコを託すのですか?」

 

「あなたが、こ〜んなに、愛したハナコを?」

 

む……

 

「別の男に?」

 

ぐぬぬ……

 

「だって先生ったら、えっちなDL販売サイトで、NTR(寝取られ)を除外検索してるくらい嫌いじゃないですか」

 

""

 

「別に私としては、2番目に好きなゲヘナの横乳女相手でも構いません」

「ですが、ここまで愛着に差が生まれると、ハナコちゃんしかありえませんよね?」

 

反転したハナコ、頭の中覗き過ぎだろ

ハナコですら結構誤解したままだったり認識のズレがあったように思えるのだが

サトリの能力に大幅に差があるのかもな……

 

"……確かに、 ハナコとの新婚生活を一度も妄想しなかったわけではないが"

"ハナコが同じ事を望んでくれたらな"

 

「ええ、焚きつける前にハナコちゃんの胸の内は確認しています」

「何度も、何度も脳を焼かれて……年頃の乙女の男性観を歪ませるなんて、罪な男ですね♪」

 

そうか、ハナコが最近挙動不審なのはヨツバに煽られまくってるからか

 

ん?でも、原作先生って特定の生徒を恋人にしたり結婚するのは極力避けていたような……

私が仮にハナコを口説いて嫁さんになって貰ったとして

それが原因でキヴォトスが崩壊したりしないのか?

 

「いえ、その可能性は私の見立てではかなり低いでしょう」

 

"頭の中と会話するんじゃない、まぁいいや……その心は?"

 

「元居た世界の先生は、生徒から効率的に絆を吸い上げて、アロナの出力や生徒自身の力に還元して戦う戦略を取っています」

「要するに、アイドルやホストみたいな存在なんですよ」

 

"そんな人間がいきなり恋人や配偶者作ったらしっちゃかめっちゃかになるな"

 

「幸か不幸か、あなたには先生のような卓越した指揮能力や、生徒達の心を掌握する力が欠けていた」

「なのであなたはキヴォトスの脅威達に抗うには、それなりの素質を持った参謀が必要と考えた」

「あなたはその参謀に、あなたが持っている権限を譲渡し、多くの仕事を任せた」

 

「ですので、その生徒に絆が集まったんですよ」

「他にもアコ、ヒマリ、リオ……といったいくつかの生徒は能力的に参謀が務まりそうですが、彼女達は大事な大事な本業との掛け持ちとなってしまう」

 

「消去法で残るのが」

 

"無所属で時間の制約に縛られない浦和ハナコ"

 

「ですが……本来浦和ハナコという生徒はコミュ症で、自分からは友達一人まともに作れません」

「補習授業部で損得を越えた心を通わせる親友が出来るまで時が動き出す事もない」

 

言い過ぎだろ

 

「2年の春は一番精神的に参っている時で、あなたの要請にも耳を傾けることは無い」

 

「先生……あなたはハナコにどんな魔法を掛けたのですか?」

 

まぁ、初対面のアレから色々あったわな

そしてアビドスへ出発する前夜、ハナコと語り合った事は昨日のことのように思い出せる

 

"私がハナコに魔法を掛けたんじゃない"

"ハナコが、不甲斐ない私に応えてくれたんだ"

 

「そういうことですか……」

 

----

 

"ま、まぁ……話が脱線したから、話を戻そうか"

 

「貴方は最初から一人の生徒を常に侍らせて」

 

こっちの先生も大分問題あるな

 

「その生徒を溺愛し、特別扱いし続けて」

 

そう表現すると大分語弊があるな

 

「その生徒と恋に落ちて結婚した、他の生徒はどう思うでしょうか?」

 

"完全な第三者視点では知ってた……という感想になるだろうな"

"でもなぁ……この先生は何やってんだとは思うし、クロノスに叩かれそうだ"

 

「ご安心を、キヴォトスは生徒と先生の恋愛は犯罪ではありませんので」

 

なるほどなぁ、そっち方面でも別に問題はないわけだ

 

"でもなぁ……"

 

「まだ何か?相手は先生の大好きな面倒くさい性格の巨乳美少女」

「文句ありませんよね?」

 

"いやな……ヨツバに協力して貰うために仕方なくってのが引っかかるだけだ"

"ならばヨツバ、君を口説き落とした方が筋が通ってないか?"

 

「ふぇ……?ま、まぁそうかも知れませんね」

 

"ヨツバも私好みの美少女だしな?"

 

ヨツバの瞳を見つめる

 

「そ、そうではありますね……」

 

"ヨツバ……"

 

「せ、せんせい……」

 

デコピンを食らわせてやる

 

「痛っ、何するんですか!」

 

"まぁ、ヨツバの要望は受け取った"

"そして、ハナコの事は好きだ、お嫁さんになってくれるものならこんなに嬉しいことはない"

 

"でも、ハナコを口説くのが他人との取引の条件にされるのが気に食わない"

 

それに、ハナコにそんな動機で口説いたのがバレてみろ

根に持ったハナコに一生チクチク言われ続けるに決まってる

 

"納得出来るまで考えてみるから、時間をくれないか?"

 

ヨツバは頬に手を当てて暫く考えた末、返事をしてくれた

 

「はい、わかりました」

 

----

 

"まぁなんだ……君を命を賭けて助けて良かった"

"君が好きなように、思うように動いてくれ"

 

「……」

 

「まぁ♪ではシャーレの執務室では生徒の衣服の着用を認めないという校則を作り」

「シャーレを裸の楽園へと変える計画を次の段階に進めましょうか♪」

 

"前言撤回だ"




こっちの世界にやって来たハナコさんは
気に食わない所を叩き直そうとしていました

先生に惚れてるハナコさんを煽ったり
理由を付けて能力を封じるメガネを掛けさせたり
先生に根回ししたり

また未来の知識や能力を使ってインサイダー取引じみた事を行い
当面の資金を工面しているようです
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