シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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ハナコが何か丸い

──ハナコ視点

 

席を外した先生とスズミが戻ってきた

席を外す時にあれだけ思い詰めた顔をしていたスズミが

少しスッキリした顔付きになっている

 

この人、こういう所上手いですよね……

 

戻ってきたらハーブティーでも淹れようと思っていたが

この様子なら先生と同じ麦茶で良いだろう

沢山喋って喉が渇いていそうだ

 

後になって先生から共有があった

 

"どうもスズミが自警団のパトロール中に"

"スケバンに暴言を投げ付けられたみたいでね"

 

「はぁ、自警団もスケバンと同じようなもの、ですか……」

 

正直な話、取るに足らない戯れ言でしかない

誤解されがちではあるが人の為に奔走するスズミと、自己中心的に振る舞い他人に迷惑を掛けるだけのスケバンが同じ?何もかもが違う

 

「何処に引っ掛かるのかすらよく分からないのですが」

「先生はどう答えたのですか?」

 

"確かに同じかもしれない"

"でもシャーレだって正義実現委員会だって変わらない"

 

"自分が正義だと自分勝手に強権を振りかざしたその瞬間"

"迷惑を振りまく組織になってしまう"

 

確かに歴史を紐解けば最初は上手く運営していても

腐敗した組織の話など何処にでもある

 

「なるほど、スズミの引っ掛かりに寄り添ったのですね」

 

"だから、目的意識を忘れないようアドバイスした"

 

どうしてこの先生はすぐビジネス用語の説明を始めるんですかね?

 

私の目は点になった

 

そして何でもかんでも端折り過ぎなんですよね

こんなアドバイスでスズミの悩みは解決するわけないでしょう

 

私は溜め息を一つ吐きながら眼鏡をずらした

 

ずらすのであれば掛けてる意味が無いと思いますが

ヨツバからは生徒相手に使うなとしか言われてないので良しとしましょう

 

---

 

──先生視点

 

思い詰めた表情のスズミの話に黙って耳を傾け続けた

 

誰も分かってくれない

正義実現委員会に入れなかった

私のやってる事は犯罪なのでしょうか……?

 

ははーん、さては新しいメインクエストのエデン条約編5章がリリースされたな?

スズミはアリウスのエンブレム引っ付いてるし、彼女を主役にストーリーが展開されるというわけだ

 

頭を撫で、翼に沿って指を滑らせる

コハルといい、なんで頭にこんな暖かくて触り心地良いものが引っ付いてるんだろうね

こんなの撫でまくるに決まってる

 

"そっか……スズミは頑張り屋さんだね"

 

さて、どう説明すっかな……

そのスケバンの言い分とやらを否定する事は簡単だけれども

 

"その話は、確かにスズミにも当てはまるかも知れないね"

"でもそれはシャーレだって正義実現委員会だって同じだよ"

 

"私達は正義だと、自分勝手に振る舞い、私腹を肥やす組織は沢山ある"

"そうなればスケバンどころじゃない巨大な悪だ"

 

「ですが、シャーレや正義実現委員会は違います……」

 

"光栄だね、でも紙一重なんだ"

"そうじゃないのはトップが頑張って意思決定し続けてるからだね"

 

「意思決定……?」

 

"そう、シャーレや正義実現委員会に"

"治安維持という仕事があるけど、目的はわかる?"

 

「それが役割だからでは、ではないんですか?」

 

"違うよ、生徒の安心と笑顔を護る……これが目的"

"必要があれば武力介入する治安維持活動"

"これは一つの手段に過ぎない"

 

「生徒の安心と笑顔を……」

 

"目的さえ見失わなければ"

"例え武力を誇示したとしても生徒の安全や笑顔が脅かされることはない"

 

"だから、目的を忘れてはならないし"

"達成する為にはどうすれば良いか、考え続ける事が大切なんだ"

"大きな組織はリーダーが考え、メンバーに共有して遵守させれば良い"

 

まぁ、現場ではミスした後に部下を叱責するばかりだけどな

俺の部下には後出しジャンケンにならないよう努めはしたが

ほんま理不尽だよなあれ

 

"でもスズミは一人一人が独立している自警団だろう?"

"だから、自分自身でその都度どう振る舞うべきか、よく考えなくてはならないんだ"

 

「そうだったんですね……そこまで考えが及びませんでした」

 

"では改めて、スズミを客観的に評価してあげよう"

 

「は、はい……」

 

"誰が認めてくれなくてもシャーレの先生がスズミを認めよう"

"いつも生徒の安心と笑顔の為に奔走してくれてありがとう"

 

"正義実現委員会に入れなかったんじゃない"

"優しいスズミはパトロールの巡回ルートや、諍いの介入方法といったルールに縛られ"

"その両手から生徒の安心や笑顔が溢れる事が許容出来なかったんだ"

 

ん?なんか俯いちゃったな

すべすべの髪を指で弄りながら耳元から優しく話しかける

そういやコハルの羽の裏の匂いチェックしてなかったな

今度比較してみよう

 

"犯罪かどうかは……最初から覚悟の上だった"

"それでも理想と現実のギャップを埋めるために"

"閃光弾という優しい制圧を思い付き、実践している"

 

理想と現実のギャップを埋める事は問題解決能力といって

これが出来るビジネスマンは顧客から契約を勝ち取れるわけだ

 

"いつかのコンビニで出会った時も内装や商品に傷一つ付けずにスケバン達を制圧してただろう?"

"後日店員さんに聞いたら、とても感謝していたよ"

 

冷静に考えてみると、わりと考えなしに閃光弾を投げまくってた気がするが

そこは黙ってておいてやろう

 

"慰めじゃない"

"スズミはよくやっている"

"スズミは自慢の生徒だよ"

 

「先生……わたし……」

 

スズミは芯が強い生徒だけど、やっぱり子供なんだなぁ……

 

---

 

「嘘つき……全然違うじゃないですか」

 

眼鏡を外した途端、ハナコの顔が膨れてまん丸になってしまった

 

ちょっと端折ったが何も違わないだろ

 

「誰彼構わず口説き過ぎです……これだからまったく……」

 

ほらほら、美人が台無しだぞ

 

ほっぺたを突いて空気抜いてたら胸に頭突きしてきた

お前は猫か

 

エデン条約編の引っ付き虫事件以来

甘えん坊さんになったハナコを撫でてなだめる業務が定期的に追加された気がする

まぁ悪い気はしないが

 

「ひゃう!耳はダメです……」

 

良い事を知った

 

---

 

──後日

 

すっかり自信を取り戻したスズミは遊園地の潜入任務に臨み

 

観客に向けて閃光弾を投げまくり

無事に遊園地から出禁となった

 

ラブちゃんとは仲良くなったのでヨシ!

月末のイベントの方でしたか




あーあ、もう滅茶苦茶だよ

ヘヴィキャリバーといい不忍の道といい
生徒に寄り添う場面で何も言わないで解決してしまう原作先生すごいよなぁ
私だったらクソ長長文での説教垂れてしまうよねという事でこういうお話を書いてみました

このSSの先生は3.5周年あたりでキヴォトスに飛ばされたので
新しいイベントは知りません
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