シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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ヨツバのヘイローが私のと何か違う

──ハナコ視点

 

こんなに先生が意固地な人だとは思わなかった

 

泣きじゃくり、先生に掴みかかった私は

リオに羽交い締めにされて引き剥がされた

 

振り下ろした拳の下ろしどころが分からなくなって

正直困っていた所だったので正直助かった

 

リオから「先生が今すぐに死ぬような事はないから、ハナコは一人で頭を冷やしなさい」とベッドルームに押し込められて鍵をかけられた

 

着のみ着のまま、備え付けのベッドに横たわり目を瞑る

 

冷静に考えてみたら、先生との最後の会話かも知れなかったのに

こんな喧嘩別れみたいになったら……

きっと私は一生後悔するかもしれない

 

それは嫌……

 

「なんで、先生とイチャイチャできないんでしょうね……」

 

「私って……本当にダメな生徒なんだな……」

 

----

 

少し整理しましょう……

 

ボロボロになったケイは辛うじてですが

敵地にある人形に乗り移りました

最初はそんな物かなって思ったのですが……

 

冷静に考えてみると

アリスやケイは何処から来たのでしょうか?

 

ヘイローはキヴォトスという小さな世界に愛されたものが持つ天使の輪

リオのAMASのような人工物には与えられませんし

先生のような別世界からの来訪者にも与えられることはありません

 

私達とケイが出会った時は廃墟のスーパーコンピューターですが

そこから携帯ゲーム機を経由して、アリスの身体の奥底に侵入、シッテムの箱にも出入りし、新しいボディーを製造して乗り換えた

 

人の脳は6てら?ぺた?興味が無いので単位はうろ覚えですが

途方もない容量が詰まっているそうです

それはスーパーコンピューターならいざ知らず

モモイが部費で購入した携帯ゲーム機に丸ごと収まるとは思えない

 

ならば記憶は神秘として外側に置いておけるのでしょうね

そして人の核……魂だけを取り出して自由自在に移動させる

 

ケイだけが持つ技術なのかとも考えましたが

敵対している3人姉妹とマルクト……

彼女達も同じ技術で動いていると考えられます

 

つまり、名もなき神々の王女を崇拝する組織全体は

技術として人を電子媒体や人形に移植する技術を持っている

それが潜伏して機会を待つ、彼らの戦い方……

 

つまり、ケイは先生を魂の形に加工して

あの人形に移植する事も可能なのでは?

 

先生はヘイローが無いので、このままでは廃人確定ですが

 

あれが使えそうですね

ヨツバから話を聞けておいて助かりました……

 

---

 

──こんな事もあろうかと的な回想シーン

 

ヨツバのヘイローがヒビ割れている理由ですが……

先生の蘇生、もしくは延命でしょうか?

 

「ハナコちゃんはイケずですね」

「こういうのは最初は優しく触れて、高め合わないと」

 

いらっ

 

「乾いてる所に無理矢理挿入すると裂けちゃいますよ?」

 

イラッ

 

「はぁ……ええそうですが、強敵との激闘とかの線も……」

「私ですから愚問ですね……」

 

「1年後の未来ですから、危篤状態の先生を救うために様々な方法が模索されました」

「先生はキヴォトスの外の人間ですから、その脆弱な身体はいかなる方法も受け付けず、吐き戻しました」

「その中で唯一、理論上可能だろうとされた方法があります」

 

……それが、そのヒビ割れたヘイロー

 

「ええ、ヘイローの移植です」

 

「これは過去にも数例あった方法でして」

「キヴォトスに渡ってくる大人は少数ですが過去にも居たそうですが、先生と同じく脆弱すぐに死んでしまう」

「その大人と恋に落ちた生徒が、自分の全てを捧げてヘイローを譲り渡したと」

 

恋に落ちた……?

前に聞いた話では先生は所謂クソボケと聞きましたが

ひょっとして先生の病室は大惨事になったのでしょうか?

 

「ええ、一方向の恋心でも愛だけでもダメで双方向の恋が必要不可欠です」

「カズサさん、ミカさん、七囚人のワカモにミヤコさん……」

「無駄に命を散らしていく生徒が続出しまして」

「最終的には実力行使で禁止されるようになったのです」

 

ヨツバは……生きてるじゃないですか

 

「私は……死に損ないました……」

「ヘイローがヒビ割れる音が聞こえるのです、ベキとかバキ……って」

「私は内心それにすっかりと怯えてしまいました」

 

「その時、ふとコハルちゃんの事を思い出したんです」

「私が死んだら……あの子が一人ぼっちになっちゃう……」

「おかしいですよね、私の心からの親友はコハルちゃんだけですが、コハルちゃんには友達が沢山居るのに……」

 

「何も出来ずに俯いていると」

「意識がないはずの先生が、私の手を取って、首を横に振ったんです」

 

「先生は私達を愛してくれていると知ってました」

「でも、誰一人として恋愛対象とは見ていない事も知ってていました」

「だから、これはただの自己満足な自殺でしかない」

 

「そう悟ってしまうと、もう勇気は湧いてきませんでした」

「先生の上着を一着借り、病室を後にしたんです」

 

そうですか……

いざという時が来たら私は使います

方法は?

 

「ハナコは普段から神秘を込めて他の生徒に飛ばして体力を回復させてますよね?」

「あれと殆ど同じですよ」

「全ての想いを吐き出すように直接先生に注ぎ込み続けるだけです」

 

「限界を超えて、ヘイローが砕け散るまで」

 

そうですか……

まぁ、いつも無茶をする先生への意趣返しとしては最高の方法ですね

 

「そうだ、念の為におまじないをかけてあげます」

 

スカートのポケットにカード状のものが挿し込まれる

 

これは……なんでしょうか?

 

「大人のカードです、私の最愛の人の……形見です」

 

そんな大事なものを……何故……?

 

「道具はどこまでいっても道具です」

「有効に使われる事が道具の本望だと思っています」

 

「それに」

 

それに?

 

「私には、このジャケットがありますから……」

「あの人の意志を継ぐと決めたので、もう必要ありません」

 

それはこっちの世界の先生のジャケットじゃないですか!

ヨツバ!!

 

----

 

ケイへの裏付け調査の必要はありますが

まず間違いなく出来るでしょう

だから、後はヘイロー移植……だけですね

 

二人でもっとあっちこっちに遊びに行って

イチャイチャしたかったです……

 

でも、一人しか生き長らえさせる道しかないのであれば……

 

先生に沢山甘えて、キスもしちゃって……

先生の大好きな胸を押し当てて

最後に先生の心の隅っこに傷を付けましょう

 

先生みたいな軽薄な悪い大人は

一生後悔してしまえば良いのです……

 

……私は先生の心にずっと残っていてくれるのでしょうか?




エッチのはダメ、死刑!
ただし初犯で反省が見られるので20万クレジットの罰金で良いものとします

前話でしれっとエイミの席がハナコに差し替わってます
あれはメアリー・スーみたいなもの……では勿論あるのですが
エイミはヒマリの右腕であり、リオとはあまり面識がありません

今回の状況は少し場面が異なり
リオは普段シャーレでハナコとよく会話しており、エンジニアとしての腕前はないものの、地頭の良さを評価している
つまり使い勝手のよい右腕であるので、輸送船の副操縦士にハナコを配置したとして考えてます

エイミはヒマリにとって、私(リオ)のトキみたいな存在
ならばヒマリの側に居てもらおうというリオなりの采配をしたならば自然かと思いました

原作ではセイアに「盤面に落ちている情報だけで、真実の直ぐ側まで到れる」と評価されています
今回のお話では、ハナコはその能力を遺憾無く発揮して
少しの推理時間で多くの情報を引き摺り出して先生を救う筋道を描く事に成功しました

今回のSSでは全体的にハナコは状況への対処で手一杯なこともありますが
それにしては原作より大分おバカさんですね???
これは小説の登場人物は書き手の頭の良さが上限となるそうです、本職小説家の方は大変ですね

そこに対する精一杯の回答として
普段は悟りの魔女の能力を持って生まれたので考える事をサボった結果
思考能力が少しだけ落ちているという言い訳を作りました

それが最近は悟りの魔女の能力を眼鏡で封印しながら生活しているので、その能力が冴えてきたわけですね

勝手にハナコに変な設定を盛ってしまったので
最後の後片付け的な側面も考えつつ話を組み立ててます
完結後のEX話的なお話としてお付き合いくだされば幸いです

5周年のレイドも大変ですが、先生方、一緒に頑張ってまいりましょう
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