シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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第61話

──シャーレへやってきたユウカに説明中

 

「へぇ、会長が先生のお腹に貯まった血を輸血し直して」

「0.1mm単位で動くロボットで裂けた血管を縫い合わせる……」

「思い描いた機械を召喚出来るとはいえ、よくそんな事が出来ましたね」

 

ここまでの経緯をユウカに話していると

途中でリオが混ざってきた

 

ハナコはというと何故か会話に混ざらず

書類をデスクに広げている

丁度前線指揮しながらビナーと戦っていた頃なので私の容態の事は詳しくないというのはある

 

「やるしかない、だからやろうとしただけよ……」

 

リオの歯切れが妙に悪い

 

それを不思議そうに首を傾げていたが……

流石ユウカ、頭の回転速度が速いな

もう違和感に気が付いたらしい

 

「あれ?ここまでの話だと先生は助かってそうよね」

「結局それじゃダメだったって事ですか?」

 

「えぇ……」

 

"後から分かったんだけど、膵臓にも穴が空いていたんだ"

 

「膵臓?良くはなさそうだけど何が不味いんです?」

 

"膵液といって、胃酸みたいな消化液を作る臓器だね"

"十二指腸に送られて肉や野菜を分解してくれるらしいよ"

 

「その漏れ出た消化液を輸血と共に送り込んでしまったの」

「その結果、燃えるような激痛と共に血管が裂けていくのよ」

 

聞いているだけで胃が痛くなってきたのだろう

ユウカも顔を青くしてお腹を擦っている

 

「もし、この事にもっと早く気が付けていれば」

「私のせいよ、先生が死んでしまったのは……」

 

"まぁ、どの道死ぬだけだったからね"

"必死になって助けようとしてくれたリオには感謝しかないよ"

 

医者も居ない極限状態の中ボスと戦いながらの作業だ

結果論でしかない

 

そしてリオが顔をぐしゃぐしゃにして、嗚咽を漏らしながら謝り続けてる所を間近で見せられて

とてもじゃないが責める気になんてなれない

 

リオのつやつやの髪を撫でて上げると

申し訳なさそうにしつつも嬉しそうに目を細める

 

さて、そろそろ大問題のあのシーンの話に入るが

 

ハナコをチラ見するも

やはり手が動いてないな

まあこんな状況で仕事できる奴なんておらんやろ

 

"ハナコ?"

 

「ひゃいっ!……あ、あの、紅茶……淹れてきます!」

 

耳まで真っ赤にしながら逃げてしまった

 

模範的トリニティ生徒の姿か?これが……

 

----

 

──ハナコ視点、回想

 

先生の容態は急変したのは夕方になってから

 

いつもドヤ顔と自信たっぷりの言動を崩さないヒマリが

焦った声で呼び掛けて来た事に胸騒ぎがしたことを覚えている

 

病室に駆け込むと、声にならない悲鳴を上げている先生と

先生の手を握りながら嗚咽を漏らし、謝り続けるリオの姿があった

 

先生が助かったと聞いて拍子抜けして

 

また、先生と一緒に仕事して、たまに冒険して……

一緒に泣いて、笑って……

そしてふとした拍子に視線がぶつかって良い雰囲気になって……

 

そんな日常に戻れると安堵して

 

それは神様が許してくれなかった

 

「人形の部屋へ行きます」

「ケイ、先導してください」

 

「そしてトキ、手伝って下さい!一刻を争います!」

 

側でオロオロしているトキに指示を飛ばしながら

先生を抱き抱えて走り始める

 

----

 

無我夢中で途中は全然覚えてないものですね

ノアだったらこういう些細な一挙手一投足まで覚えているものなのでしょうか

 

「ダメ……先生の魂が拒絶して……」

「神秘を持たない人間だから……?」

 

「ケイ、ありがとうございます」

「ようやく始められる……」

 

先生の胸に両手を置き、ありったけの力を込めて吐き出す

 

「ハナコ……いったいなにを?」

 

「あの光はまさか……トキ!ハナコを止めなさい!」

 

キヴォトスに伝わる御伽噺、結構知ってる人がいるものなんですね

 

「トキ、私を止めたければ……この場で先生を撃ち殺して下さい」

「その覚悟がないのであれば、そこで見届けてください」

 

トキは飄々としてますが、内心はとても優しく気が利く生徒なんですよね

だからこそ、怯んでしまう

 

自分のヘイローが硝子の割れるような音と共に

ヒビ割れる音が聞こえてきますが……

 

意外とすぐ壊れないし神秘も無くならないものなんですね

 

そんな事を思っていると、先生が最後の力を振り絞って私の手を握ってくれた

 

"こんな価値のない私なんかじゃなくて……"

 

こんな時まで……

 

「おことわ……り……です」

「愛してます」

 

"ハナコ……ん"

 

煩い口を塞ぎ、息と共に全てを吹き込んだ

 

バキンというヘイローが砕け散る大きな音と

ケイが何やら大声で叫ぶ声を、どこか他人事のように聞きながら

私の視界は真っ黒に染まっていった

 

----

 

──またもやシャーレ

 

"愛してます、の言葉と共にキスで口を塞がれちゃってね"

 

「ふぇ!ハナコが……!?」

 

"その直後、全ての力を注ぎ終えたハナコのヘイローが砕け散ってね"

 

「そんな……はい……」

 

"私の身体も限界を迎えて意識が遠ざかってたけど"

"ギリギリケイちゃんの力で私の身体を移植させる事に成功したんだ"

 

「おとぎ話でしか成功しない、ただの自殺行為として禁止されてたのだけど」

「ハナコはそれを成し遂げたのよ」

 

「はわわ……」

 

"力尽きたハナコに近付いて身体を揺すったらね"

"ハナコのヘイローがまるで逆再生されるように再構築されたんだよ"

 

「凄い、やっぱり愛の力……ってことですか?」

 

「そんなわけないじゃないですか!」

 

羞恥に耐えられなくなったハナコが

アイス珈琲をドスンドスンと置きながら大声で遮る

 

それは無理筋だぞ

 

あんな大声で愛してると伝えながら口付けして

悲劇的な最期を迎えてから光り輝き復活して

あの場に居た全員が奇跡だと涙を流してたんだから

 

すっかり調子を取り戻したトキは輸送船の中で皆に言いふらしてたし

アリスやヒマリ、モモイにも一部始終を知られてしまっている

キヴォトス中にバレるのも時間の問題だろう

 

"おかえりハナコ"

 

「でもでも、やっぱり愛の力よね……!?」

 

前半はな、ハナコが恥ずか死するから言わないけど

年相応の単語を連呼しながら食い下がるユウカにハナコが答える

 

「大人のカードですよ、ヨツバが持っていた方の」

 

最終編でもクロコを何度も治療してたアレだったらしい

でもなんでハナコがそれを持っていたんだ?

 

まぁいいや

 

ヨツバの考えは凡人には分からん

ほぼほぼ未来予知みたいな言動してるし

 

……

 

「先生!資材の運搬終わりました!」

 

トテトテと少女がやってくるのを大袈裟に頭を撫でて労ってやる

 

"おつかれさまアイン、よく頑張ったね"

 

「えへへ……」

 

"ああそうそう、紹介するね"

"こっちはユウカ、これから編入する学園の生徒会、セミナーのメンバーだよ"

 

「リオさんが仰ってた方ですね……あの、はじめまして」




膵液はいくつかの条件を経てはじめて消化液として機能するらしいですね
血液と混ざる事で誤作動する可能性は一応あるらしく、それで時間差で容態が急変したという設定で考えました
違っていたらGeminiが責任取ってお詫びします!

今回の構想は冒頭で先生をロリ人形にしようと決めたタイミングで作りましたが
アイン・ソフ・オウルの三人娘は神秘がないので救えないという話が後からお出しされて愕然としましたね
先生も神秘ねえじゃん詰んだわ

まーたオリジナル設定生やしてるよ
生徒が命を使って神秘を移植したというおとぎ話の下りはオリジナル設定です

という訳で加速度的に重くなる話と
どうでも良い心理描写を描き続けるのが本当に辛く
暫く続きを書く気力が湧きませんでしたが、今朝ユウカに説明する体で書くネタを思い付いて仕上げました

これなら途中は端折れるし、ギャグ風にできるし一石二鳥ですね

ハナコが仏頂面してたのは
恥ずかしくて悶えてただけですね

ハナコはフェス会場のパネルでも
扇情的なポーズと表情で先生達を魅了していましたが
もう同人誌でスタンするファッション痴女って事はバレてるからな!

私はピュアピュアな清楚な女の子が無理して振る舞ってるだけ説を推します!
後は持ち前のいたずらっ子気質で
恥ずかしがる他の生徒を見ながら押し切ってるだけというわけです

今回の章でら途中喧嘩してましたが
原因が片付いたわけで
あのハナコ推しの先生がハナコの機嫌を取らないわけがないので
口説いて口説いて、構いすぎてちょっと恥ずかしくなったハナコが距離取ってる感じで描写しました!

長らくハナコの供給も途絶えて干からびてましたが
7th PVでコハルをエロネタ以外で弄るハナコがお出しされて考察が大変捗りました
一目で「あれ?あのハナコがコハルが泣いて嫌がるような弄り方するか?」と違和感を覚え、そこを基点に疑い始めました。

今の所の予想としては神秘の影響がなくなる、重火器とそれによる凄惨な過去が消えるの2つが今後来ると予想してます
スチルの改変が世界に対するものであり、生徒がその前提で懸命に生きてきた結果と仮定するならばこう解釈出来るのかな?と
・イブキが悪戯っ子になり、マコトの頭撫でて煽ってる
・セイア暗殺がなくなりナギちゃんはホストではないのでポヤポヤさんのまま、代わりにカッチリしたホストセイア
・ヘイローがヒビ割れてないクロコ
・痴女として目覚めず、コハルとの距離を測りかねているハナコ
・前世の料理上手が消えたカノエ
・アウトローの才能が消えたミヨ
・対立してるルミとキサキがテラスで談笑

これで化け物が出て戦う手段消えちゃったのでキヴォトスは滅亡です!
こうならなきゃ別にこれでよくねー?と思うわけですよ

2部では補習授業部の活躍がどれだけお出ししてくれるのかわかりませんが
いうてまだ主役になったチームにしては3着目来てないですからね!
期待しながらメインストーリーの続きを待ちたいですね!
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