──先生視点
私の遺体は凍らせてシャーレの地下に運び込んでいた
リオ主体でタスクフォースを組み
遺体からDNA情報を取り出してクローン臓器を作ったり
クラフトチェンバーで修復作業をしていたのがここ最近の話だ
リオは何日間も無断欠席し続けていたため
堪忍袋の緒が切れたユウカに連れ去られてしまった
そういう所だぞ
一応万能メイドのトキが必要最低限の手続きはしてくれていたようだが……
リオでなければハード関係は厳しいが
初期の段階で全て準備し終わっているし
後はヒマリやケイで手が回る状態になっていた
ハナコも大量の医学書を読み漁る事で活躍してくれていたな
そのハナコも先日逃げてから姿を見ておらず
数日経った今もモモトークは未読のままとなっている
少しいじめすぎたか
頬を軽く擦る
いつかハナコからビンタされたなと……
あの時の意趣返しのようなものだ、ハナコも反省して欲しい
一応コハルやミカからはハナコは出席しているとの連絡を受け取っているのでひとまず気にしない事にしている
----
「先生、もう目を開けていただいても大丈夫です」
"ん、もう終わりなんだ、相変わらず仕事が早いね"
「そんな事より、調子はどうですか?」
「腕や脚を動かしたり、気分は悪くないかチェックしてください」
「また容態が急変……ということもあり得ます」
「暫く計器は体に取り付けたままにしますし、今晩はこちらに泊まります」
"いつもすまないねぇ……"
"んっと……身体が軽い、痛みも感じない"
起き上がり、伸びをしたり腕や脚を曲げてみせる。
「…ふふ、この超天才清楚系美少女ハッカーには造作もありません」
笑みを見せるヒマリとケイを眺めながら
ようやく真の意味で日常が帰ってきたと実感できた
----
──ハナコ視点
今日は小テストの結果が返ってきた
重いため息を吐き出して92点の解答用紙を眺める
途中式が抜けて△になっていた
気が付くとテスト時間が終わる寸前で
慌てて全ての解答欄を埋めたのだ
2年生になってずっと100点ばかりを取り続けていたのですが
こんなテスト結果を見せてしまっては騒ぎになるかもしれませんね……
その後の授業、ノートを取り出してペンを持つが
チャイムが鳴り、白紙のままのノートを閉じた
……昼休憩
スマホを開くとケイからのモモトークの通知が来ていた
アプリを開くと赤丸に32の数字が目に入った
ため息を吐いてそのままアプリを閉じる……
ケイからの通知はスワイプで追いやった
「ハナちゃんさぁ、いい加減料理冷めちゃうよ?」
「あっ、私が食べさせてあげよっか♪」
「ミカさん、そんな必要はありませんから」
私のフォークがスルリという擬音が聞こえてきそうな優雅な動きで奪われる
「いいじゃん、あーん」
「……、はぁ……あーん」
「どぉ?美味しい?」
「……冷めてて美味しくありません」
「だと思ったよ」
……放課後
相変わらずの問題児5人に勉強を教える
内3人は勉強の必要すら全く無し
ヨツバ、ミカさんの2人に至ってはもはや釈迦に説法だ
この2人のお目当てはコハルで、毎日のように揉みくちゃにされているらしい
私はシャーレに毎日のように出掛けているが
何だかんだで要領の良い2人に引きずられるように
コハルの壊滅的だった成績も上昇傾向らしい
そのヨツバの姿は……今日も見受けられない
彼女は糸の切れた凧みたいなものなので気にするだけ無駄
コハルはミカさんに揉みくちゃにされて楽しそうにしている
私はヒフミとアズサの前に腰掛けた
……深夜
ベッドに腰掛けてスマホを開く
モモトークの通知は34件に増えていた
先生や生徒たち、友人たちには失礼だとは思っているのだが
どうしても指が動かない
どれだけの時間スマホの画面を見つめていただろう……
スマホのスクリーンを消し、ベッドに力なく横たわる
明日はちゃんと返事を返そう
……朝
殆ど眠れなかった
冷たい水で顔を洗うと、昨日より隈の濃い少女の顔があった
重い体を引き摺るように厚めに化粧を塗り
制服を着て登校した
ハナコさん絶不調です
傍から見てるとお前好き勝手やってるだろう!ってなりそうですが、人の打たれ強さには個人差がありますからね
ハナコさんは上手く受け流せない時はかなり脆そうに見受けられます
よく言われるハナコの挑発に乗って
胸とか揉んじゃうとフラグが折れてしまうみたいな所はその辺から来てるんじゃないかと思います
失敗してしまった先生とハナコの恋愛?ですが
このまま自然消滅してしまうのでしょうか
その場合はキヴォトスが滅んでなかったことになるので安心ですね
本SSではハナコとミカが仲良くなっているので
ハナコの様子がおかしい事を知ったセイアから、ミカに様子を見守るようにお願いが飛んでいます