シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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絶対にこれはハナコではない

でも、こういうエピソードは絶対に必要……
板挟みで暫く悩みましたが投下しちゃいます


隣の部屋のハナコさんが朝から何か煩い

「ん……うぅん……」

 

今日も朝が来たので目を擦り瞼を開ける

少し前は陰鬱とした目覚めだったのに

最近は夢見も良く気力十分だ

 

身支度を整え髪を結い、今は洗顔中

 

これって地味に時間かかるんですよね

先生の今日も美人だねって声が透けて聞こえるからモチベーションになってるだけで……

 

無意識で出来るルーティンを行っている間

私はアビドスへ行く前夜の事を思い出していた

 

----

 

"ハナコ、とても大事な話がある"

"聞いてくれないか?"

 

「あら?先生……愛の告白までした仲じゃないですか、それ以上の何かがあるんですか?」

 

既に何度か交わした軽口を叩く

彼の狼狽える顔はなんというか嫌いじゃない

 

"ああ、それ以上だ……"

 

先生もついに話すんですね

例の物語の話を

 

でも何故今?

 

"アビドス高校から救援要請が来た"

 

それが何か?焦燥してるようですが……

 

----

 

"私が知っているキヴォトスの物語では"

"アビドス高校から救援要請が来る所からストーリーが動き出すんだ"

 

"これからキヴォトスは未稀有の危機を迎える事になるだろう"

"私も銃弾を食らって死の淵を彷徨ったり、アクシデントや悪意に満ちた脅威と対峙するだろう"

 

"期限は、今からおそらく3ヶ月程度だ"

 

"その脅威は何段階かに分かれて襲ってくる"

"キヴォトス中の全生徒を掻き集めても"

"越えられない敵かもしれないんだ"

 

"だからね"

 

"生徒同士でいがみ合っている暇なんてないんだ"

"全生徒どころかキヴォトス中が運命共同体だ"

"一刻も早く多くの生徒との縁を繋ぎ、絆を深めて、鍛え上げて"

"脅威に対抗する勢力を作る"

"それがシャーレの結成理由であり、先生の責務だ"

 

"でも今はどうだ?"

 

"目の前の業務に追われ、日々を無為に過ごし"

"現在のシャーレの全勢力はたった5人"

"明日、明後日にでも運命の歯車は回り始め、全く準備が出来ないまま君やユウカ達を死地へ送り込むことになるかも知れない"

"全て……私の能力の無さが原因だ"

 

"ハナコ、結果的に騙すような形で連れてきてすまなかった"

 

"きっとぼくは死ぬ前に、外の世界の物語で見知った、一番好きな生徒を一目見たくて"

"君をシャーレに呼んだんだ"

"ぼくは……先生ではない……先生の真似事をしようとしてるだけのただの会社員なんだ"

 

----

 

思ってたのと何か違う形になりましたね

 

「やっと教えてくれましたね……」

「女性をこんなに待たせるなんて遅すぎですよ?」

 

先生の頭を胸に抱き、頭を撫でる

柄じゃないですが今日だけはしょうがない、付き合ってあげます

 

「貴方は私の先生です」

「闇の中に居た私を真っ先に救い上げようと足掻いてくれましたね」

「お姫様扱いしてくれて気分良かったですよ」

 

「そして他の4人も真心と誠実さで導こうと泥臭く頑張ってくれましたね」

「あなたの目に刻まれた隈を私達は決して忘れません」

 

「最近はですね、こんな大人なら信じてやっても良いなって5人で話したんですよ」

 

「あなたは物語に登場した先生そのものではないですが」

「キヴォトスに誘われたのは、あなたにも素質があるからです」

「私を優先して出遅れたかも知れませんね」

「そんな貴方でも大丈夫だよ、まだ間に合うよって言ってくれてるんですよ」

 

「きっとあなたの真心はもうすぐキヴォトス中に伝わり、シャーレは生徒でいっぱいになるでしょう」

 

「きっと間に合います」

「貴方が一番先に諦めないでください」

「私もいますから」

 

「"任せて"ください」

 

どうしてだろう

この言葉を口にした時、懐かしい感じがした

まるで誰かに言ったことがあるような……

 

そういやつい先日言いましたね、あの時も力が湧いて……

 

----

 

感極まるとぼくっ子になる先生の目に光が戻ってきた

 

今後、機会があればこのネタでからかって遊びましょうか

 

「それで?」

「元々そんな泣き言を伝えて終わりじゃなかった筈ですよね」

「私がすべき事を教えて下さい」

 

「とても大事な話なんですよね?」

 

"ぐす……うん、そうだね"

 

"ハナコ、君はとても情が深い素敵な人だ"

"その分、傷付けられた時、侮辱された時、復讐心に支配されるだろう"

"それは物語の君であって、本物の君は違うかもしれないけどね"

 

"もし復讐心に囚われそうになっても"

"相手は運命共同体で、仲間で、欠かせない、大事な生徒なんだ"

"その事を決して忘れないで欲しいんだ"

"心の傷を付けるような皮肉や攻撃は避けて欲しい"

 

「わかりました」

「先生はこの性格、既に知ってたんですね」

「私は……自分が大嫌いです」

 

"ぼくはそんな不完全な君が好きだ"

"そして、自分を嫌いで思い悩む、君に寄り添いたい"

 

「はい……ちゃんと見守っていて下さい、先生」

 

----

 

はい……じゃないが?

からかって遊びましょうか……じゃないが???

たった1ヶ月ですよ!どれだけ私はチョロいのか

 

今にして思うと恥ずかしい……

 

最初はあんなにかっこよかったのに、急にヘタれて復活と忙しい先生も先生ですが、私も状況に酔いすぎでは……

あんな破廉恥な事をまあ良いやで済ませて……

 

でも、約束……しましたし……

 

顔を洗って火照った顔を冷ます

 

----

 

私はあれからアビドスでもミレニアムでも

何度も言葉の暴力を振るいたい欲求と戦ってきた

私の性格の悪さは直らなかった

 

復讐心が過ぎ去るまでずっと目を閉じて

心の中で「へぇ、貴女のような生徒が改心して味方になるんですか?」と唱え続けた

それでも悔しい時は先生に伝え「私の為に怒ってくれてありがとう」と言ってもらい溜飲を下げた

 

言葉を呑み込んで我慢する内に冷静に相手の立場に立って考えられるようになった

友達になって、一緒に紅茶淹れて、スイーツを一緒に食べに行って

満たされていく実感がある、言わなくて良かったと安堵する自分が居る

守りたい場所も少しずつ大きくなってきた

 

これからもやる事は変わらない

脅威を全て退けて、大人になって、自由を満喫するんだ

最初に教えられた好きな事は、多分まだ見つかってないけれど……




前2話を書かせて貰った所でようやく私の中でゴールができました
本作はハナコが本当の先生になる所をゴールにしたい

でも今回の話、絶対に1年くらい経過した後の話やん!
絶対にそれをする時間は足りないんだよなぁ……

でも、何も対策しないでアビドス編へ行くと
ナギサ様みたいな患者が絶対に2-3人出来てしまう……
しかもゲーム内時間だと3ヶ月くらいしたら最終編始まっちゃいますよね?

あああああぁぁぁぁ!!!(ミーアキャット

このまま投稿しちゃいます
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