Dovahkiin 彼の地にて、斯く戦えり   作:無敵のタロス!

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『』は特地語です。
「」は日本語です。


2話 オブリビオンゲート

 うおおおお!

 凄い矢を撃ちこまれてる!

 魔力の盾を展開したおかげで効かないけどビックリした。

 オブリビオンクライシス!?*1

 それは200年前に終わったはずじゃ。

 

 俺が警戒して離れているとローマ風味の鎧を着た人間が大勢出て来た。もしかして侵略しようとしている?

 そしてローマ風味と言うことは……………帝国軍!?

 

 タムリエル大陸を治めていた国。ローマがモデル。

 

 いやそれはないか。帝国はハイエルフ達にボロ負けしたり属州に離反されてるくらいガタガタだもんな。あいつらが異世界に遠征してる暇はない。

 俺は経過を見守る。すると門の中からはオークやゴブリン、そして小さいドラゴンが出て来た。そしてドラゴンは近くにいた日本人の上半身を食いちぎりながら飛んでいった。

 

 一瞬の静寂が流れた次の瞬間、何が起きたのかを理解した人々は悲鳴を上げる。

 そしてドラゴンの殺しを皮切りにオークやゴブリン、人間の兵士達は日本人を殺戮し始めた。

 

「おいおい、胸糞悪いな」

 

 内戦で慣れてるとはいえ元同胞が殺されて気持ちの良いものではない。元日本人として俺は愛国心くらいはある。少し頭にキた。

 俺は息を吸い込んだ。ドラゴンボーンの力を見せてやろう。

 

Fus Ro Dah(フスロダッー)!」

 

 俺はシャウト*2を勢いよく放つ。するとローマ風味達は塵クズのように吹き飛ぶ。

 

『服装的にお前は仲間じゃないのか猫野郎!』

 

 なに言ってだ?タムリエルの言語じゃないな。もしかしてアカヴィリ*3の人間か?

 いやあそこは人間がいないから違うか。

 まあそれはそれとして。

 

「一般人に手を出すとは覚悟が出来てるんだろうな!?」

 

 俺を敵と見なしたのかドラゴンとそれにまたがった騎乗兵が向かってくる。

 その程度で倒せるとでも?

 ファイアストームを使い大爆発を発生させる。するとそれに巻き込まれたローマ風味とドラゴンたちは焼肉になり墜落していった。

 

「さて、ドラゴンを倒したわけだがドラゴンソウルは吸収できるかな?」

 

 俺はドラゴンボーン、肉体的に死んだドラゴンから魂を吸収できる特別な存在。

 早速、魂をゴチになろうとしたが一向に魂が吸収できる気配がない。

 アレぇ?どういうこっちゃ?

 

 とりあえず考えられる可能性は2つ。

 1つ目は俺のドラゴンボーンとしての力が剥奪された。

 2つ目はこいつらは俺がいた世界のドラゴンではない。

 

 本命は2つ目だ。だってこいつらドラゴンにしては小さいし、言葉を話さないし、ただの人間に支配されてる。

 俺がいた世界ではドラゴンとは時空司る龍神にしてエイドラの1柱アカトシュの創造物にして不死の魂を持つ驚異的な存在だった。

 

 2つ目がガチだったら門の向こうは俺がいた世界ではない別の世界ということになるな。

 現代日本に別世界の侵略者とまた別の世界の転生者が殺し合いをしているってかなり意味不明な現状だな。まあ転生してる時点で今更か。

 

 それはそれとして、今は日本人の保護が優先だ。

 そして既に警察あたりに通報が入ってるはずだ。どんなに平和ボケしてる日本でも治安維持部隊は出動するだろう。故に現状の目標は足止めだ。

 

「出てこい」

 

 俺は氷の精霊と炎の精霊を召喚する。まずは何をするにも数が必要だ。

 

「ジワジワと攻撃しながら後退してくれ。援軍が来るまで時間稼ぎだ」

 

 そう言うと精霊たちはコクリと頷く。いい子だ。

 手持ちのメイスを構える。メイスはなんとデイドラのアーティファクト「モラグ・バルのメイス」だ。さあこれでボコボコにしてやる!

 

 向こう側も抵抗する敵が俺しか居ないことに気づいたのかジワジワと近づき始めている。

 今度は騎兵による突撃だ。

 奴らは俺を撫で切りにしようと向かってくる。だが俺はその前に飛びあがりメイスで兵隊の頭を粉々に砕く。

 

『何をしてるか!速くあの猫を絨毯にするのだ!』

 

『しかし隊長!あいつ強すぎます!』

 

 上官らしきローマ風味が馬の上から怒号を上げる。どうせ俺を殺せとかだろうな。

 だが先ほどの攻防を見て俺が只者ではないと気づいたのだろう。人間の兵達は動こうともしない。

 こっちとしては助かる。援軍が来るまでの時間稼ぎが出来るわけだしな。

 

『ならばゴブリンとオークを盾にして進め!』

 

 そう簡単にはいかないか。ゴブリンなどのモンスターは余り怖がってくれてないようで近づいてくる。

 やはりモンスターなだけあって恐怖という感情が薄いのだろうな。面倒な。

 それより早いとこ日本人を逃がさないと。俺は殺される気はないが守り切れる自信はないぞ。

 早速日本人達の方を向く。

 

「聞け!日本人達!速く逃げろ!」

 

「逃げろってどこへ!?」

 

 サラリーマンっぽいオッサンからそう言われる。

 確かに。

 俺ってばここら辺の土地勘ないからどこへ逃げればいいか分からない。

 

「皇居だ!皇居へ逃げるんだ!」

 

 群衆の中から普段着を着たオッサンがそう言った。皇居ってことはここは東京なのか。

 

「そうだ!そこのお巡りさん!無線を貸してくれ!」

 

 そう言ってオッサンは警官を呼び止めて無線を繋げる。

 

「民間人を今すぐ皇居に避難誘導してくれ!」

 

『誰だ!突然無線を繋げたと思ったら民間人を皇居にだと!』

 

「俺は伊丹耀司!自衛官だ!皇居は元江戸城だろ!立て籠もるんだ!民間人を半蔵門から避難させるんだ!銀座の現状は分かってるだろう。モタモタしてると被害が広がるぞ!」

 

『………了解した!なんとか皇居警察を説得してみる!』

 

 そう言って話は終わる。すると日本人たちは自然と皇居の方へと移動を始める。

 民度いいな。流石は日本。

 だけど万が一パニックが起こるとアレだし念には念を入れるか。

 

「最後尾は俺が護衛をする!だから慌てず騒がず落ち着いて行動してくれ!そして精霊共!すぐに再召喚してやるから特攻してこい!」

 

 そう言って精霊たちに指示を出しながらゴブリンたちをライトニングボルトで灰にする。そして俺は伊丹さんの方を向く。

 

「助かりました伊丹さん」

 

「いえいえ、それで貴方が手から出した雷は魔法ですか?それに見た目も獣人ですし?」

 

「それは後にしましょう。それでその皇居に避難させれば守り切れますか?」

 

「それについては大丈夫です。中で立て籠もるつもりはないんだ。奴らの進軍経路からして攻めてくるのは二重橋付近。それなら反対側にある半蔵門から民間人を逃がせば安全なはずです」

 

 なるほどちゃんと対策もしているわけか。賢いし優秀だなこの人。

 自衛隊ってのは災害救助ばかりでこんな意味の分からん事態に対応したことないはずだが。

 

 とりあえずいっちょ頑張りますか!

 

 ローマ風味も俺ではなく逃げ惑う日本人を狙い始めた。

 こいつらに負ける気はしないが日本人を守り切れるかと言うと話は別だ。

 さあここが正念場だ!

 

 ◆◆◆

 

「君は何者なんだ?」

 

「ドヴァキン・テルヴァンニと申します」

 

 俺は紆余曲折あってローマ風味を撃退した俺はどこかの警察署で警察だか公安の人達に事情聴取を受けている。

 一旦、状況を整理しようか。

 

 ①日本に帰って来たと思ったらローマ風味達に襲われる。

 ②なんとか日本人を護衛しながらローマ風味達をボコす。

 ③そしてある程度、状況が落ち着くと誰だお前ということで銃を向けられる。

 ④日本と敵対したくないので降伏。

 ⑤捕縛されて事情聴取を受ける。

 

 という感じだ。

 

 俺の見た目はカジート、猫獣人だ。つまりファンタジーっぽい存在。そして東京を襲ったのはファンタジーっぽい存在。何らかの関連を疑うのは当然だろう。

 

「門の向こうの存在を知っているんだろう!」

 

「分かりませんね」

 

「なぜ日本語を喋れる!」

 

「元日本人だからです」

 

「元日本人ってどういうことだ!」

 

「実は異世界転生してなんやかんやあって日本に戻ってきました」

 

「……………は?」

 

 公安?の人は固まる。そして部屋から立ち去った。

 少し経つと、別の人が現れた。俺はこの人を知ってるぞ。

 

「お久しぶりですね伊丹さん。二重橋での活躍といい私みたいな人間の対応を任されるとは優秀な人なんですね」

 

「いえいえ、俺は万年三尉ですよ。なんかそう言う転生とかに詳しそうな人間ということで呼ばれただけです」

 

 つまりオタクと。

 そうして話し合いが始まる。俺はスカイリムというゲームの世界に転生した日本人であることを白状した。

 

「えーとですね。スカイリムってなんですか?」

 

 おいおい、全くオタクじゃないじゃん。

 スカイリムは世界でも10本の指に入る超有名ゲームぞ。

 

「ベゼスタ社が発売したゲームですね」

 

「ベゼスタ社?ちょっとスマホで調べますね…………………すみません出てきませんね。スカイリムも」

 

 え?んなバカな。

 ……………もしかして別の日本に転移してしまったということ!?

 マージか。なら俺の日本での親にも会えないな。悲しみ。

 

「なるほど、そうですか。ここは俺がいた日本とは違う日本のようですね。まあそれは仕方ありません。それでこれからの扱いなんですがいつまで俺を拘束しとくんですか?」

 

 俺は手錠をかけられている。別に手錠くらい引きちぎれるのだが日本とは仲良くしたいので俺は敢えておとなしく捕まっているわけだ。

 ああ、ヘルゲンで処刑されそうになった時を思い出す。

 

「それはすみません。上に確認してみないものにはなんとも。それで門についての心当たりとかはありますかね?」

 

「門、オブリビオンゲートのことですか」

 

「オブリビオンゲート?」

 

「別次元をつなぐ門のことです。高位のデイドラの力を借りて開くことができます」

 

「デイドラ?」

 

「エルフ語で先祖ではないという言葉です。悪魔とか神とか称される超越存在です」

 

「なるほど、なるほど。それで次の質問ですが………」

 

 そうして質問は続く。

 面倒だなぁ。

 そうして事情聴取は数時間にも及んだ。

*1
前作オブリビオンで起きたメインクエストのこと、デイドラという悪魔達がタムリエル大陸を襲撃したがなんやかんやあって撃退された。

*2
ドラゴンの持つ力。言葉を力に変える魔法。ドヴァキンは魂がドラゴンなのでシャウトを使える。

*3
タムリエルの東にある別大陸のこと。




用語解説。
エイドラ:善の神様。不死ではない。
デイドラ:混沌の神様。善であれば悪でもある。不死。
ドラゴン(スカイリム):エイドラの1人が創り出した存在。人間に敵対的で魂が不死。スゥームが使える。人間の言葉が喋れる。
スゥーム:ドラゴンの扱う魔法。訓練すれば人間でも使える。
ドラゴンボーン:ドヴァキンのこと。ドラゴンの魂を吸収(殺害)出来る存在。

スカイリムはどちらのもの?

  • 帝国のもの
  • ストームクロークのもの
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