Dovahkiin 彼の地にて、斯く戦えり   作:無敵のタロス!

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6話 国会

『ここが国会………』

 

 俺らは日本国永田町、いわゆる国会議事堂にいる。

 なぜかというと国会の参考人招致を受けたからだ。ちなみに伊丹さんとロゥリィ達三人娘、そしてピニャという帝国の皇女とボーゼスというお付きの人も一緒に日本に行くことになっている。

 伊丹さん曰く国会議員の中には俺を日本に招きたい勢力がいるらしい。なんでも特地での様子や門と俺の関係性について問いただしたいらしい。

 まあ俺も日本に来るのは銀座事件以来だから願ったりかなったりだ。

 

「あれが特地の人間…」

 

「人間だよな?」

 

「銀座の魔法猫だ」

 

「確か今は内閣府直属の特別顧問なんだよな」

 

 俺らが部屋の中にいると議員達はざわめく。まあ銀座以来となる異世界人だもんな。

 

「えー、皆さん静粛にこれより特地に関する参考人質問を始めます。質問者、幸原みずき議員」

 

 司会の人がそういうと幸原と思われる女性議員がパネルとダンと乗せた。パ、パネル!?

 パネルには民間人犠牲者53名と書いてある。

 

「伊丹参考人に単刀直入にお尋ねします。自衛隊の保護下にあった53名が通称ドラゴンによって犠牲になったのはなぜでしょうか?」

 

「伊丹参考人」

 

「えー、それはドラゴンが強かったからじゃないですかねぇ」

 

 伊丹さんはそう言い放った。確かに強かったな。

 だが女性議員はその答えがお気に召さなかったようだ。

 

「私は自衛隊の方針や政府の対応に問題はなかったかと聞いているのです!現場指揮官として犠牲者が出たことをどう受け止めているのですか?」

 

 あー、これはアレか。自衛隊に責任をおっ被せたいんだな。

 まあ別に止めやしないけどさ。とりあえず出番になるまで寝てるか。国会議員でも議会で寝てる人がいるんだし参考人が寝てても問題ないだろう。

 じゃあお休み。Zzzzzzzzz

 

 zzzzzzzz「あなたお馬鹿ぁ!?」

 

 うわぁ!ビックリしたぁ!

 ロゥリィがいきなり大声あげた。

 

「お嬢ちゃん、よく聞きなさい。イタミ達は誰も出来なかったことをやり遂げたわぁ。53人が亡くなった?53人以外を守り切ったのよ。その意味が分からない元老議員ばかりじゃこの国の兵士も苦労してるでしょうねぇ!」

 

 んーと、状況を察するにおそらくだが女性議員の自衛隊を責めるような発言にロゥリィがキレたんだな。

 そして女性議員もこれには怒り心頭だ。

 

「お嬢ちゃん。大人対する礼儀がなってないようね」

 

「お嬢ちゃん?わたしぃがぁ?」

 

「そうです!なんて娘からしら!特地では年上を敬う習慣はないのですか!」

 

 おいおい、死んだわアイツ。

 ロゥリィはデイドラだぞ。定命の者の概念が通用するわけないだろうに。

 彼女は笑った。すると伊丹さんが手を挙げることで彼女を制した。

 

「えー、皆さま。我々は時として年齢を武器に使うことがありますが、外見と年齢がかけ離れている例があることを忘れてはいけません。つまりロゥリィさんは皆様の誰よりも年長でして………」

 

「87歳の儂よりもか?」

 

「………はい」

 

「おいくつですか?」

 

「961歳よぉ」

 

 その言葉によって議員達の目は点になる。まあデイドラにしては若い方だろう。これならテルヴァンニ家*1の長老の方が遥かに年上まである。

 

「テュカさんは?」

 

「165歳」

 

「まさかレレイさんは………」

 

「15歳」

 

「ドヴァキンさんは?」

 

「73歳」

 

 その現実的な年齢に議場はホッとする。俺は前世の年齢と合計したらこんなもんだろう。

 そうしてレレイが代わりに説明を行う。曰く、テュカはエルフ、ロゥリィは神とのことだ。

 

「ドヴァキンさんは何者なのですか?」

 

「それは分からない。彼は私達とは別の世界から来た人だから」

 

 レレイはそう言って締めくくった。これは出番だな。

 俺はレレイに変わり壇上に立った。

 

「話せば長くなりますが、私は元日本人です」

 

「……………は?」

 

 議場は更に困惑に包まれる。政府の人間は俺のことを転生者だと説明してないのかよ。

 

「こことはまた別の世界の日本人で、1回死んで特地とは別のファンタジー世界に転生しました。そしてこのカジート、つまりは猫獣人として生を受けました」

 

「はぁ………」

 

「そして紆余曲折ありドラゴンの魂を持ち、吸血鬼になりました。つまり元日本人でドラゴンの魂を持つ猫獣人吸血鬼ということですね」

 

「吸血鬼!?ということは不老不死なので!?」

 

「不死ではありませんが不老ではありますね」

 

 そうして女性議員の答弁は終わる。それからも他の議員達による参考人質問は続く。

 

「銀座事件時に日本側に味方したのはどういった意図があったのでしょうか?」

 

「元日本人としての縁ですね」

 

「吸血鬼と聞きましたがそれは他者を吸血鬼にすることができるのですか?」

 

「一応、伝染させることができますね。ですが血が一定の量必要になりますし太陽光が憎くなりますしおすすめはできませんね」

 

 現に俺は輸血パックをチウチウ吸う生活をしている。

 ………この世界に吸血鬼を出現させるのはあまりよくないだろう。だから権力者に吸血鬼にしてくれと頼み込まれても従わないつもりだ。

 

「どのようにしてこの世界に来たのですか?」

 

「オブリビオンゲート、つまり銀座にある門と同じようなものを通ったらここにいました」

 

「オブリビオンゲート、それは貴方の力で作れるのですか?」

 

「僕の力単独では作れませんね。デイドラロードの力があれば可能性はあります。現に僕はデイドラロードの力を使いオブリビオンゲートを作ったことがあります」

 

「デイドラロードとは?」

 

「デイドラという悪魔や神と呼ばれる超常存在の中でも特に力が強い物を持つ者の総称です。そこにいるロゥリィ氏もデイドラの一種ですね」

 

「貴方はオブリビオンゲートを作れると聞きました、そして銀座事件では掌から雷を放っていました。ということは魔法使いなのですか?」

 

「はいそうですね」

 

「では魔法を使ってみてください」

 

「分かりました。今から行うのは氷の精霊召喚です。ハァ!」

 

 俺は氷の精霊を召喚した。

 そういえば氷の精霊ってオブリビオンの次元にいる存在なんだよな。なのにオブリビオンがないであろうこの世界に召喚できるということは………

 

「「「おおおお!」」」

 

 議場は驚きに包まれる。

 なんか俺だけ質問多くないか?

 しかも魔法を使うことになったし。

 ……………まあいいか。

 

 こうして俺の参考人招致は終わりを告げるのであった。

 

 ◆◆◆

 

 ―アメリカ合衆国 ホワイトハウス―

 

「特地は新時代のフロンティアだよ。手付かずの資源に汚染の無い自然、圧倒的な技術面の優位性、異世界の動植物が有する未知の遺伝情報。どれを取っても莫大な利益を齎す可能性に溢れた宝庫だ」

 

「仰る通りです。大統領閣下」

 

 アメリカ大統領のディレルは熱をこめて自論を説く。その内容には彼の部下達も全面的に肯定していた。

 

「技術が進歩し新たな埋蔵資源が発見されようと地球だけでは何時か必ず限界が訪れる。故に特地は宝島さ。莫大な資金をかけて宇宙開発をせずとも、特地で採掘すれば済む話なのだからね。まあもちろん宇宙開発も並行して行うがね」

 

「ですね。幸いにも特地へのアクセスポイントは同盟国である日本に出現しました。彼らを通じて我らがアメリカ合衆国にも利益は流れるわけですが………」

 

「だが日本は知っての通りスパイ天国だ」

 

「ええ、非友好国に情報や利権を吸い取られるかもしれませんね」

 

 側近は端的に事実を述べる。

 

「ならば万が一ということもある。故に一部の利権はアメリカで確保するというのが最善なんじゃないか?特に銀座の魔法猫、ドヴァキン・テルヴァンニの確保は最優先にしたい。転生者やら吸血鬼やらという発言は信用できないが魔法は国会答弁で実在を確認した。ならば彼を我が国に招くべきでは?」

 

「ですね。彼の魔法を解析すれば得られる利益は莫大かと」

 

 ドヴァキンが見せた氷の精霊の召喚、軍事に転用すれば人的資源の消耗がない歩兵だ。人間の価値が高い西側から見れば喉から手が出るほど欲しい存在だ。

 民間に転用すれば疲れ知らずの肉体労働者や歩く冷房としても使える。

 まさに氷の精霊は理想の存在だ。

 

「さらに日本政府からもたらされた水中呼吸の薬、これを作っているのはドヴァキン氏だそうじゃないか。それ以外にも即時に体力が回復する薬など我らの常識外の存在を多数作っている」

 

「ええ、ですが彼は今まで特地にいたせいで手が出せないでいました。今こそ誘拐するには絶好のチャンスと言えるでしょう」

 

「日本国にいるCIAの戦闘要員を総動員しろ。命令はそうだな………非友好国による妨害工作を逆に妨害しつつ可能であればドヴァキン氏を保護だ」

 

 ディレルは指示を下す。

 こうしてアメリカは日本への介入もといドヴァキンの拉致を決めた。

 

 ―中国 北京―

 

「吸血鬼か」

 

 中国の最高権力者である国家主席の薹は天井を見上げながらそう言う。

 

「吸血鬼、不老の存在ですね。これを得れば始皇帝を超えることも夢ではない」

 

 秘書がそう言って補足をする。

 始皇帝、それはかつて中華全土を手にした皇帝の名前だ。彼は晩年になり不老を求めたがついぞ叶わず死んでしまった。

 

「伝承の通り血が必要で太陽光を受け付けなくなるようだが些細な問題だな。これがあれば永遠に権力の座にいれる。ドヴァキンの血液は門以上の価値を持つ」

 

 不老、それは富・権力・名声を極めた彼らにとって喉から手が出るほど欲しいものだ。

 

「ええ、日本の権力者による独占は許せません」

 

「日本国内にいる工作員に命令を下せ。必ずやドヴァキンを確保しろ」

 

 薹は指示を下す。

 こうして中国は日本への介入もといドヴァキンの拉致を決めた。

*1
ダーククエルフの名家。ドヴァキンもこの家の1人




・ドヴァキンの装備
仮面:ナ―クリーンの仮面
衣服:アークメイジのローブ
右手:モラグバルのメイス
左手:素手(魔法を扱う)
篭手:アージダルのシールドの篭手
脚:アージダルの水歩行のブーツ
指輪:アージダルのアルカナの指輪
首飾り:死霊術師のアミュレット

魔法と物理をどっちもとってやろうという欲張りビルド。
たぶんゲームで再現したら弱いですね。

スカイリムはどちらのもの?

  • 帝国のもの
  • ストームクロークのもの
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