コンコンと軽いノックの音が鳴る。
「お茶をお持ちしました」
「月下、扉を開けてやってくれ」
「了解であります」
「あっわたしが!」
「千代ちゃんは座っていると良いであります」
そう言いながら月下さんは立ち上がると、とととっと軽い足音を立てながら扉へ駆け寄る。
「千代さん、ここでは気負う必要なんかないんですのよ」
それは、わたしの頑張りを否定しているようにも、肯定しているようにも聞こえる言葉。
けれどわたしは
「うん、ありがとう」
と反射的に答えていた。
気を抜いてしまうと、今住まわしてもらってるお
そうしたら、わたしの居場所が無くなっちゃうんじゃないかって...
...だから無意識のうちに、役に立たなきゃって、頑張らなきゃって思ってたのかもしれない。
そう思えたとき、少し肩の力が抜けたような気がした。
「あら、ありがとう月下」
「ありがとうございます、げっちゃん。両手が塞がっててどうしようかと思ってました」
「いえ、これくらい気にしなくて良いであります」
月下さんが戸を開けたのだろう。
そんな声が聞こえる。
「箒星もありがとう。やっぱり
「僕の方からも一応、軍に掛け合ってはいるんだけどね」
「
「ん?あぁ、黒猫亭の
「まぁ、状況が状況ですからねぇ」
「半分はオーナーの責任と言われても仕方ないであります」
「耳の痛い話だよ...」
「それを言うならそのうちの半分はあたしたちの責任ね」
「そうですねぇ、かぐちゃんの暴走を未然に防げなかったのは、私たちにも非があるんじゃないですか?」
「まぁまぁ皆さん、過ぎたことはどうしようもないんですし、わざわざ今話す必要もないでしょう?」
「今話すべきは、“これから”についてなんじゃないですの?」
「そうだ。そのためにもまずは灰桜についてだ。千代ちゃんも待たせてるしね」
「えっ!?いや、わたしのことは気にしなくて良いですよ!?今日は一日お休みの日なので」
「なら最後まで付き合ってくれるかい?灰桜のこと、そして...黒猫亭のこと」
「もちろん!」
そんな話をしているうちに、3人はお茶の準備を終わらせていた。
そして箒星さんはお茶受けにクッキーを出してくれた。
...っていうかこのクッキーあったかいんだけど!?
焼いたの?この短時間で!?
お礼とサクサクで美味しいって感想を伝えたら、嬉しそうに笑顔を浮かべてくれた。
こんなに優しくて
次回こそ......!