Armored Core: Irregular Protocol 作:キサラギ職員
ウォルター主人公だったら最高っすよね、ええという妄想の産物でもあるけど『アーマードコア世界住民を外見アリで出せたらもっと素敵だしあらゆるシリーズから引用出来たらもっとおいしいやんけというものなので続きには期待してはならない
『融合世界』
アーマードコア世界が融合化した世界 多分技術とかも融合してる
『サルベージ』
人格を世界から抽出してクローン体に入れる技術
クローン体は限られる上、抽出情報は不完全なので記憶の欠落や、性別や年齢等が本来のものと異なることが頻出している
大気が灼けつくような熱さを帯びる中、ザイレムはゆっくりと重力に引かれ、地表へと墜ちていく。その船体は、まるで燃え盛る隕石のように、大気圏に突入しつつあった。衝撃波が音速を超え、船体を包む炎が渦を巻きながら爆ぜる。その中で、AC(アーマード・コア)の衝突音が戦闘の激しさを際立たせる。
ウォルターは、コックピットの中でシステムが示す限界警告に目をやることなく、眼前の敵に集中していた。自分のACが出力限界に達していることを知りながら、彼はまだ戦い続けていた。彼の機体が撃つ弾丸は、炎に包まれた大気圏の中で熱を帯び、敵機へと放たれていく。しかし、それを次々とかわしていくのは、かつて自分が指揮していた621、あの独立傭兵だった。
「一度生まれたものは、そう簡単には死なない……」
ウォルターは低く呟いた。かつての戦友であり、戦場で多くの命令を下してきた存在に対して、彼は覚悟を決めていた。しかし、621はそれを超えた存在、"イレギュラー"としての力を持っていた。
「火種から消さなければ……」
彼の言葉に合わせるように、ザイレムの炎がさらに激しさを増す。爆風が周囲を吹き飛ばし、船体が崩壊し始める。しかし、621は揺るがなかった。ウォルターのACに正確に弾丸を叩き込みながら、彼の行く手を阻むかのように、冷静かつ確実に攻撃を繰り出していく。
「コーラルを焼けば、俺達の仕事は終わる……」
ウォルターの声が通信回線に響く。彼の声には冷たさが漂い、まるで機械のように無感情だった。しかし、どこか感情的で、熱を帯びている。かつて、ウォルターが指揮していた621。彼はただの傭兵ではなかった。かつての命令に従う彼ではなく、今は自由に動くイレギュラーだった。そして、その戦い方は恐ろしいほど正確だった。
「お前が稼いだ金だ……再手術して、普通の人生を……」
ウォルターは、そう言った。本気で、彼は621を生まれ変わらせるつもりでいたのだ。再手術して、幸せに歩んで欲しいと。
次の瞬間、621のライフル弾が彼のACに命中し、システムが限界警告を鳴らし始める。衝撃が体に伝わり、彼の視界が揺れた。
『ウォルター! このままでは……!』
遠くで、エアの声が響いた。彼女の言葉に反応するかのように、621はとどめを刺すべく、ライフルを構え、ウォルターの機体に正確な一撃を放った。銃声が響き、次に彼のブレードが一閃する。切り裂かれる機体が、徐々に崩壊していく。
「……62……1……」
ウォルターはその名を呼んだ。かつての友であり、今は敵である存在。その声はかすれ、通信回線の向こうで、彼の命が尽きようとしていることを告げるようだった。
搭乗する機体は、次の瞬間、爆発音と共に破壊され、ザイレムの甲板で燃え上がる。
しかし、信じがたいことに、炎の中からゆっくりと機体が銃を構え始めた。コーラル兵器を構える。充填されていくエネルギーは、彼の戦意を物語っているようだ。
「使命を……友人たちの遺志を……」
彼の口元から、短い言葉が漏れる。621との最後の戦いが終わりを告げる中、ザイレム全体が崩壊していく。巨大な構造物が爆発し、その破片が大気圏の中で燃え盛る炎に包まれていった。
銃を降ろす。62の隣に、一粒の輝きを見たから。
「そうか……621……お前にも……友人が出来た……」
『ウォルター! 行きましょう、レイヴン!』
ウォルターは、レイヴンの機体が離脱していくのを目にしながら、自分が大気圏に投げ出され、重力に引かれていく感覚を感じ取った。業火に飲まれ、燃え尽きるまでの数秒間、彼は最後の思考を巡らせていた。
意識が遠のく中、彼の身体が燃え尽き、全てが黒く包まれていった。
お前を縛るものはもう何もない。
どうか、願わくば。
お前のその選択が──お前自身の、可能性を広げることを祈る。
【メインシステム、サルヴェージモードを起動………】
【融合情報を確認………】
【―――――・ウォルター、を発見】
【データ再構築、クローンボディへの移植を開始】
【データに欠損を確認………再構築】
【識別名、ハンドラー・ウォルター覚醒しました】
「…………」
焼けていく体、そして、機体。もはや制御など出来ない程に加速し、急激に大気圏に落ちていく感覚。全てがリアルだ。リアルに感じたのは、“死”だ。己は死んだはずではないか。
「………」
だがこれは、余りにも冗談が過ぎる。起きたら、病室の一角で。
己がベッドに寝転んでいて。
そして植え付けられたらしい記憶が告げるのだ。
『戦え』と。
ハンドラー・ウォルター。
あるいは、ただのウォルター。
ウォルターは、ベッドから身を起こした。己の“皺のない細い手”を見て思う。
『一度生まれたものは、そう簡単には死なない』。
その警句は、きっと“簡単に”は使うべきではなかったのだ。
ウォルターは、指揮官としての記憶に気が付いた。この世界の、異常性についても。
窓の外を見遣ると、無数に『欠片』が浮いている、漆黒の世界が広がっている。あらゆる世界。あらゆる時空が繋がった中の、ほんの一握り、人類に許された生存可能領域に、自分がいることを。その欠片は惑星を砕いたような大地の時もあれば、ルビコンにあったような衛星そのものの姿の時もある。それらが漆黒の空間に浮いているのだ。
“融合世界”における唯一の例外。独自に戦闘するライセンスを与えられた存在。それを統合する組織『ネスト』における、各世界の情報からサルベージされたものたち。
彼らは“レイヴン”と呼ばれていた。
【管理AI“ドーヴ”より通達】
【“ハンドラー・ウォルター”、あなたの帰還を歓迎します】
【おかえりなさい、ハンドラー・ウォルター】
謎の存在が語り掛けて来るのを、ウォルターは疑問に思った。この存在は何か。己がどうなったのか。というのに、自分がネストの指揮官であると言う記憶があるのはなぜか。
【説明したいところですが、時間がありません。あなたの“猟犬”がミッション遂行の為に待っています】
起き上がる。驚いたことに、杖は必要がなかった。
“この体”は健やかで、若々しかった。
なぜ、戦わないといけないのだろうか。
友人たちの遺志を遂行できなかった己が、なぜ、なぜ……。
誘導に従い歩いていくと、そこには見慣れた姿があった。
機動兵器、アーマード・コア。それが、病院に併設されている施設に入ると、格納庫に鎮座していた。
見慣れたオペレーションシステムを表示した端末装置もある。だが、人はおらず、その部屋は自分以外には誰もいなかった。椅子に腰かけてみる。病人そのもの、白い服のまま、ヘッドセットを装着する。
【本来であれば説明の時間を取るのですが、時間がありません。記憶のインストール処置も間に合わないと判断しました。基礎的な部分だけのインストールしか実施していません】
「俺は………どうなった?」
【死亡しました、ハンドラー・ウォルター。その後、“サルベージ”されました】
不穏な単語であるが、ろくでもないことをしているということの察しはついた。死んだ人間を蘇らせる技術。そんなもの、“コーラル”と比べれば脅威ではないにせよ、ろくでもないことには変わりがない。
なぜろくでもないのか。それは己が声を発したあたり、ベッドから起き上がったあたりで察したが。
【作戦を説明します。識別名“レイヴン”を指揮して、敵を撃滅してください】
説明と言うには簡素過ぎるそれ。
これは、罰なのだろうか。同じことを死後にもやれと言われている。
まただろうか。また、猟犬を使い潰すまで戦えと言うのだろうか。
死ぬことも、それでいて生きることも許されないというのだろうか。あるいは悪い夢を見ているのだろうか。だがそれは彼にとって現実逃避の一種でしかなく、すぐに現実を受け入れる。
「了解した。レイヴン、俺の声が聞こえるか」
いっそのこと開き直った清々しい声で彼は言った。
「――――……仕事の時間だ」
じゃあ続きはよろしくね…