エーテル適性1億点TS転生オリ主   作:妄想壁の崩壊

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気がついたら三週間以上時が経っていたでござる。おい、なんで1.3来てんのに書き終わってないんだよ!更新はどうなってんだ更新は!?ちょっと誰か地球の自転を止めてくれない?


アリス-イン-ワンダーラビット3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族と初めて旧都の六分街を訪れた時、いいところだと思った。都会の煩わしい人間関係を忘れられて。

 

まだ新しい人生に慣れきっていなかった私は、多分心が疲れていたんだと思う。子供らしく笑わないし、我儘も言わない。なんでも卒なくこなすけど、必要以上に努力しようという気力は無い。

 

そんな私を見て、お父様とお母様は旧都六分街に別邸を用意してくれた。タイミングとしては、弟が生まれた頃だった。

 

そういえば、いつから私は前世の自分と折り合いをつけられるようになったんだろうか?

 

気がついたときには既に、私はこの世界に生きる一人としての自覚があった。きっかけは確か、旧都六分街に移住してからだったと思う。

 

だめだ……思い出せない。

 

『六分街についたよ!……どうしたの?』

 

「いや、すまない。少し考え事をしていただけだ」

 

黙り込んでいると心配したのかスカーフを付けたボンプ──イアスが話す。

 

いつの間にか六分街に着いていたようだ、考え込むと時間の流れが早く感じるな。

 

……そういえば、道中イアスに何か色々質問されていた気がする。思考が明後日を向いていたので適当に返事してしまったが大丈夫だろうか?

 

「それじゃあ早速だが、最初は雑貨屋に案内してくれるか?」

 

『任せてよ!』

 

自信たっぷりに胸を叩いて返事をするイアス。かわ……たのもしい。

 

 

 

【雑貨屋「141」】

 

『ここが六分街の雑貨屋141だよ!』

 

『こんにちはイアスさん!今日は何をお求めですか?』

 

『今日は僕じゃなくてこっちの子だよ』

 

「どうも」

 

軽く挨拶をすると何か不思議なものを見るような目で見られた。何かおかしいのだろうか……。

 

雑貨屋のボンプにメモを渡し段ボール十数個分の商品を持ってきてもらう。

 

手間賃として代金とともにチップを渡そうとしたが断られてしまった。

 

『えっと……こう言うのは店舗の規則で受け取らない事になってるんです、トラブルの元になってしまいますので。でも気持ちは受け取って置きます!』

 

『『ンナ!』』

 

そうなのか。

 

『たくさんお買い上げになられましたけど、どうやって持って帰るおつもりですか?』

 

雑貨屋三ボンプ衆の一人が聞いてくる。

 

「これか?これをな、こう、だな」

 

段ボールの角にショルダーポーチの口を付けると、積まれていたダンボールがまるで吸い込まれるように中へと消えていく。

 

『『『ンナ!?』』』

 

『なにそれどうやったの!?』

 

どうやってるかと言えば裂け目の応用だ。ポーチの中がホロウの入り口になってそこを通して跳ばしている。

 

時間経過やポーチが破れると力場が乱れて崩壊するが、ホロウの外でも裂け目を使える優れものだ。

 

私、裂け目無しでは生きられない身体になってしまったかもしれん。いやそもそもホロウの外だと生きていけないんだがな。

 

あっはっはっ……辛い……。

 

「……内緒だイアス、次はコーヒーショップに案内してくれ」

 

『(明らかに入らない量だぞ……)』

 

『(何あれ私も欲しいんですけど!)』

 

 

 

【喫茶店「COFF CAFE」】

 

「いらっしゃいませ。おや、イアスくんですか」

 

『ティンさんこんにちは!』

 

カフェで出迎えてくれたのはコーヒーミルのような頭部の機械人だ。雑貨屋のときと同じようにメモを渡し、コーヒー豆を用意してもらう。

 

「村人の分はこれで良いか。あと私は苦いのは苦手だから、口当たりの良いカフェオレ用の豆なんてあればそれをくれ」

 

「(喋るボンプなんて珍しいですね……)ボンプなのにコーヒーを飲まれるんですか?」

 

「えーっと……そう。主人が飲むんだよ」

 

そんな会話をしながら豆を用意してもらうと、結構な量になってしまった。

 

「ところでそちらはどのように持ち帰りなさいますか?」

 

「うん、こうやってだな……」

 

「!?」

 

 

 

【ラーメン屋「滝湯谷・錦鯉」】

 

あれはラーメン屋か。カウンターには見覚えのある天狗のシリオンが立っている。

 

名前は確か……。

 

「よぉイアス!今日はアキラ達と一緒じゃないんだな。お使いか?」

 

『チョップ大将こんにちは!今日はお客さんを案内してるんだよ!』

 

「私の案内をしてくれているんだ、チョップ大将」

 

挨拶すると彼もまた片眉を吊り上げ怪訝な表情で私を観察してくる。さっきから皆同じ反応してくるが、なんなんだろう。

 

「(喋るボンプ……?)おぉ、そうか。見ない顔だが、俺のこと知ってるんだな」

 

「いやまぁ、昔屋台をしていた時があっただろう?その時に見たことがあって」

 

「おー!そうかそうか!ところでなんか買ってくか?テイクアウトもできるぞ!」

 

「お子様ラーメンなんてあるかな?」

 

「おう!味は味噌と豚骨と醤油があるな!」

 

「なら、醤油を2つお願いしよう。──食べさせて上げたい人が居るんだ」

 

 

 

【ウーフのニューススタンド】

 

「ワン!」

 

ボンプの視点で見ると大きな犬が店番をしている。

 

「ここは?」

 

「ウーフのニューススタンドだよ」

 

ウーフ……犬の名前か。単なる店番ではないようだ。店の前には新聞、雑誌が並んでいる。ウーフは舌を出しながら不思議そうに私を見つめていた。

 

ここの住人はなんでそんなに私のことを珍しそうに見るんだ?

 

「新聞……新聞なんて久しぶりに見るな。買ってみるか」

 

新聞を購入し、イアスと共にスクラッチを削ってみるがはずれだった。この手の類で私が当たりを得たことはない。

 

「なになに……『調査協会お手柄か!?ホロウ発生率の劇的な低下について』?」

 

内容はここ数年での共生ホロウ発生率の劇的な低下について述べられている。原因は不明だが、このまま行けばいずれ発生するホロウの量が消滅する量を下回るだろうとアナリストの見解が載せられていた。

 

「はぁ?何だと、それは私が……いや、何でもないぞイアス。別に怒ってない。というか何だこの記事、具体的な調査協会の活動は何も載ってないぞ。市政選挙を見据えた市民へのアピールか?」

「こんな中身スカスカな記事を掲載するくらいなら少しでも求人を載せろ……そんなんだから優秀な人材はみんなインターノットに持っていかれるんだぞ……ぶつぶつ……」

 

「あの喋るボンプ、すっごい文句垂れながら新聞読んでるぷー」

 

「でもボンプやからか、なんやコミカルやなぁ……(イアスくんもおるし、喋るボンプっちゅう事はアキラくんとこの子やろか?)」

 

「どうかしたぷー?」

 

「なんでもあらへんよ〜」

 

 

 

【レコードショップ「吟遊ニードル」】

 

「ここは?」

 

『ここはレコードショップだよ!』

 

レコードショップか。幼い頃に習い事で音楽をやっていた時のことを思い出すな。ピアノとかヴァイオリンとか弦楽器、管楽器、打楽器もろもろ、それこそシンバリンとか……両親は私にひとりオーケストラでもさせたかったのだろうか?

 

しかし、思えばあの日以来久しく音楽に触れて無い。

 

『それから音動機につけるドライバなんかも買えるよ』

 

「音動機?ドライバ?何だそれは」

 

『えっ……知らないの?音動機は音を使った対エーテル侵蝕用の装備だよ』

 

「なんで音でエーテル侵蝕を防げるんだ?」

 

『さぁ……?エンゾウおじさんなら知ってるかもね!』

 

 

 

【カスタム屋「TURBO」】

 

「あいよ、これが注文のボンプ用オイルとモジュールだな。それで?音動機がどうやって機能しているか知りたいって?」

 

どさり、と目の前に機械部品の入った木箱が置かれる。

 

「ありがとうMr.エンゾウ」

 

「それで音動機は特殊な音波がエーテルに干渉することで侵蝕症状への耐性を獲得する装備だな。人によってはカスタムして戦闘支援装備としても利用する。……そんなちっこい体で全部持っていけるのか?」

 

音波がエーテルに干渉する……?興味深い現象だな。エーテルは物質、粒子だと思っていたが光のように波の性質も持つのかもしれない。関連論文があれば目を通してみよう。耐侵蝕以外の使い道が見つかれば利用できる。

 

「参考になった。ありがとう」

 

これで買いたいものは粗方買い終わったはずだ。

 

スルスルと吸い込むように荷物をポーチにまとめ、そのまま店を出た。

 

良い場所だったな……六分街。次の買い出しがあればまた来よう。

 

「……なぁイアス、今のポーチどこに売ってるか知ってるか?」

 

『聞いたら教えてくれるかなぁ……?』

 

 

 

【ビデオ屋「Random Play」】

 

「……先ほどから何度も言っているが、私はあまり映画に興味はないし、家にビデオデッキもないぞ」

「『そこで働いているから挨拶したい』?うーん……わかった、わかったよ。そのビデオ屋に行こう。場所は何処だ?隣?ここか?」

 

扉の向こうから会話が聞こえてくる。イアスが彼女を連れてきたようだ。

 

「いよいよご対面だね、お兄ちゃん。なんだか緊張するなー……」

 

「怪しまれないよう自然に行こう」

 

ソワソワした様子の妹と共に待っていると、扉が開いた。視線を下げればイアスの隣に白いボンプがいる。

 

「い、イラッしゃーイ(汗)。アレ、イアスのお友達カナ(⁠^⁠^⁠)」

 

「!?ッい……いらっしゃいませ、小さなお客さん」

 

平静、平静をよそおって……だめだ。リンのポンコツ振りに驚いて声がうわずってしまった。

 

『ただいまアキラ!リン!』

 

「あぁ、貴方がたがイアスのご主人だな。私は……シロだ。見ての通りただのボンプ。イアスに街を案内してもらっている」

 

白いポンプ、もとい彼女は僕たちの不自然な挙動に反応することも無く平然としている。

 

彼女から見て、僕たちはイアスの主人でありそれ以上でもそれ以下でもないようだ。

 

ここから会話を広げ、なんとか関係を構築しよう。

 

イアスにアイコンタクトを取ると気づいてくれた。妹よりよっぽど賢いかもしれない。

 

『シロとはホロウの中で会ったんだよ!』

 

「あぁ、シロ、じゃなくて私はホロウの中でイアスに助けられて……いや待てよ、そもそもイアスはなんでホロウの中に……?」

 

前言撤回、その話題を深掘りされるのは都合が悪い。僕たちのプロキシ業について知られるにはまだ関係値が浅すぎる。

 

「うちに来てくれたってことは、シロはビデオを借りに来たのかな?」

 

リンが汚名返上とばかりにすかさず話を逸らした。

 

やはり信じるべきは我が妹か。

 

「いや今日はビデオを借りに来た訳では無いが……」

 

「見ていくだけでも構いませんよ。どのようなビデオがお好みですか?」

 

「いや、だから……」

 

手応えありだ、リンと視線を交わし頷く。

 

彼女は押しに弱い!

 

「例えばこの作品はいかがですか?『シン・スターライトナイト』。特撮作品『スターライトナイト』を再解釈し、ダークな作品へと進化させた名作。興行収入は初週10億ディニーをも超えた大作です」

 

「私のオススメは『ジョナサン・ウィッグ』かな。元殺し屋の主人公を狙う殺し屋たちとのド派手な銃撃アクション!防衛軍の協力のもと撮影してるから銃器の描写が本格的な銃オタなら大満足の一作!」

 

「でも……」

 

『『エリートピア』も面白いよ!ボンプだけの街に住む警察官の主人公と元詐欺師の相棒の凸凹コンビが、街に渦巻く陰謀と謎を解いていく話!』

 

「あ、う……き、気になる……!」

 

「『暴れん坊元帥』も面白いですよ。若き防衛軍のトップが世の悪事を白日のもとに晒し成敗していく様は痛快で、決め台詞は『この勲章が目に入らないのか!』」

 

「『ホロウの中心で、愛を叫ぶ』。エーテル侵蝕後遺症に苦しむ少女と青年が紡ぐ悲恋のストーリー。そして最後に2人は……ネタバレだから言えない!」

 

「あぁ!降参、降参だから!分かった会員になるよ。それと例えばなんだが──家族の穏やかな日常モノなんてあったり……?」

 

「勿論です、この作品は──」

 

「私が見た古い作品だと──」

 

『ボンプと持ち主との家族愛の話なんだけどね──』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつけば彼女は僕たち兄妹の営業トークに乗せられ、十数本もの作品を借りてしまっていた。

 

「それでは、貸し出し期限は10日間です。追加料金は発生しますが最大5日の延長が可能で、延長の申し込みはお電話か、ノックノック公式アカウントからお願いします」

 

「うぅ……帰る前に家電量販店でビデオデッキを買って帰ろう……」

 

「さすが学校一の女誑しと言われたお兄ちゃん、初めてのお客さんを泣かせちゃったね」

 

「リン、ひどい誤解を招く言い方はやめてくれ。というか、それを言うなら君も加担していただろう?」

 

「いやいや、私は全然だって。ほとんどイアスのおかげじゃない?」

 

『僕もたくさんお手伝いしたよ!』

 

「あぁ、イアスもありがとう。よくやってくれた」

 

「客を陥れておいてよくやったとはなんだ、まったく……二人は兄妹なのか?」

 

「そうだよ、私たちは兄妹二人でビデオ屋を経営してるの。お兄ちゃんは広告打つのが下手だし、ポップとか宣伝は私がやってるんだー」

 

「経理は基本的に僕が。ビデオの入荷は交代でやっています」

 

「私の方がセンス良いんだから、全部私に任せちゃえばいいのに」

 

「一人の主観で作品を仕入れたら偏りが出る。それにだリン。はっきり言って僕の方がセンスは良い」

 

「ははーん?言ったねお兄ちゃん。なら、お客さんに決めてもらうってのはどう?」

 

「なるほど、お客さん。返却の時はぜひ答えを聞かせてください。絶対僕ですから」

 

「私だから!ね、シロ?」

 

「ふふ……2人とも、仲が良いんだな。兄妹の仲が良好なのは良いことだ」

 

彼女は何かを懐かしむように言った。もしかすると彼女にも兄弟が居るのだろうか?

 

「今日はありがとう、イアスも案内してくれて助かった」

「そうだ、つまらないものだが今日のお礼だ。貰ってくれ」

 

そう言うと彼女が見た目と中身の容量が全然違うポーチから取り出したのは箱だ。

 

高級そうな贈答用の箱の中にはラベルの付いたボトルが入っており、それが1、2、3……全部で10本程ある。

 

「機械人用ワイン2本、ボンプ用ドリンク2本、人間向けのジュースとワインが3本ずつだ。二人は成人しているのか?」

 

「わざわざすみません。僕は成人しているので大丈夫です。妹はまだ未成年で……リン?」

 

「こ、ここここれは……ッ!」

 

ボトルを手に取ったリンが壊れたラジオのように言葉を繰り返す。一体どうしたんだ?

 

「どうしたんだい?」

 

「お兄ちゃん、これ、すっごく高い奴だよ。とある会社が出してる機械人用高級ワイン『クレッセント』!ほらこれこの前見たニュース記事なんだけど……」

 

目にも留まらぬ速さでスマホを見せつけてくる。

 

「オークションの記事だね。落札価格が一、十、百、千………これ、いくらなんだい?」

 

「一本最低でも百万ディニー以上だよ!高いやつだと数千万!」

 

「ひゃ、ひゃくまん……?」

 

「Random Play」の売り上げの何ヶ月分だ?考えたくも無い。

 

「なんだ、知ってたのか。うちで作ってるワインなんだが、贈答用のがまだ残っててな。私は交友関係があまり無いから、気にせず受け取ってくれ。なんなら売ってくれても構わない」

 

「ほんとに!?」

 

「リン、さすがにそれは……」

 

「お兄ちゃん、電気代のために手段は選べないんだよ……」

 

「構わないとも。贈り物はあくまで贈る側の感謝の気持ちだからな。受け取る側の役に立つ使われ方をされるのが一番だ」

「ただ、せめて一本位は味わってくれると、生産者として冥利に尽きるが……」

 

そう言うと、彼女は目尻を下げ耳を垂らしいかにも「私今しょんぼりしてます」とでも言うような悲しげな仕草をした。うっ……見た目がボンプなだけあって心が痛む。

 

「やっぱり飲みます!全部ちゃんと飲むから落ち込まないで……!」

 

『元気だしてンナ!』

 

「うん、機械人用のモノは知り合いに送ろうか」

 

「そうか、ありがとう」

 

今度は嬉しそうにぴょこぴょこと耳が揺れた。初対面の時より表情がだいぶ柔らかい。もしかして、ボンプの身体だと感情が表に出やすいのだろうか。

 

はっ……まさか、僕も……?この前ニコとビリーがギャップ萌えがどうとか言っていたのは……考えないようにしよう。

 

「それじゃあ、今日は本当に助かった。また10日後ビデオを返しに来る」

「最後に一つ聞きたいことがあるんだが、ここの住民はみんな私のことを変なものを見るような目で見てくるんだが、何か心当たりはないか?」

 

「それは……うん、リン」

 

「だって……ねぇ、お兄ちゃん」

 

「何かあるのか?」

 

「シロが喋るボンプだからだよ?」

 

「ボンプはみんな話すだろう?」

 

「そうではなくてその……人間の言葉を話すボンプは基本存在しないので」

 

「え……あ……あれ……?」

 

全く考えて居なかったと虚を突かれたように呆然としたあと、ブルブルと身体を揺らし始める。

 

まさかボンプの演技をしていないのでは無く、してるつもりだったんだろうか。

 

僕たちがプロキシ業を始めてやった頃も似たような事があったな。治安局員の目の前でボンプの振りをするのを忘れて怪しまれてしまったのを思い出す。あのときはリンがすぐに回収してくれたお陰で難を逃れる事ができた。

 

実に例の少ないボンプ憑依者あるあるなのか?

 

「んなんな?」

 

「いや、今さら取り繕っても遅いと思うんだけど……」

 

『ンナ』

 

「もう街の人たちにも知られているみたいですよ、インターノットでも投稿されていますし」

 

「………………」

 

彼女は諦めたようにため息をつくと、もう5本のボトルを取り出す。

 

「もう5本付けるので口封じを……」

 

まさかの賄賂である。僕たちだけ口封じしてもほとんど意味はないと思うが……後でFairyに頼んでインターノット上の投稿について削除出来ないか聞いてみてあげよう。

 

出されたボトルは暗い笑みを浮かべながらリンが懐にしまっていた。……僕も飲むからな?

 

「ふふふ、シロも悪だねぇ。さて、今日は何してたっけなー?何も覚えて無いんだけどーお兄ちゃんはどうかなー?」

 

「あぁ、うん。今日も妹が可愛かった」

 

「そうそう、私が可愛い……うぇッ?ちょちょ、いきなり何!?」

 

「でもイアスの方が可愛いかもね」

 

『ほんと?わーい』

 

「からかってるでしょ!!」

 

無論すぐ賄賂に釣られちゃう系の妹を可愛いと思っているとも。

 

「ふふ……ありがとう。それじゃあまた会おう、アキラ、リン」

 

「またね!シロ!」

 

『今度来た時はまた六分街のこと教えてあげるね!』

 

「またお越しください、小さなお客さん」

 

彼女はそう笑うと行ってしまった。

 

彼女が再び来るのは10日後だ。その時を楽しみに待とう。もらった機械人用のワインは誰に贈ろうか……エイファさんにティンさんと、それからビリー?に、似合わなさすぎる……。

 

しかし、何か忘れているような……?

 

『マスター、助手二号、結局『ホロウの女王』について何一つ話せていませんが』

 

「「あ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『人間の言葉を話すボンプは基本存在しない』ねぇ……まったくその通りだな」

 

『ご主人様?どうかなさいましたか?』

 

「なら、お前を助けたあの()()()()()()()()()()()は一体何者なんだか」

 

『?』

 

「見つけたかもしれないぞ──インターノットに居る、私の求める存在が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

「親分!頼む……一生に一度、いやあの世の分までお願いだ!」

「ダメ」

「せっかく『パエトーン』の2人が差し入れでくれた物なんだし……!」

「絶対ダメ」

「せめて一口、一口だけ……!」

「何度言ってもダメ」

「頼むよ親分ッ!──あの数百万ディニーする『クレッセント』のワインなんだぜ!?」

「ごめんなさいビリー。だからこそよ……これは売るわッ!」

「NOォォォォォオ!!!」

 

「アンビー、あっちは放っておいて良いのか?もみくちゃになってるけど」

「ニコは泣き落としに弱いからそのうち折れる。気にするだけ無駄。私たちはこっちのボトルを先に楽しみましょう」

「そっかぁ……」

「はい、これは猫又の分」

「ちょっと待って──なんで猫用ミルク皿に入れたの?ボケ?ボケにゃのか?」

「だって、猫だから」

「アンタは今全猫シリオンの尾を踏んだぞ。面貸せ」

「猫用爪研ぎなら事務所の端にあるわ……どうどう」

「フシャー!!!」

 

 

 




『奥の手』
ステンバーイ……ステンバーイ……。

『インターノット』
いちいち治安局が対処できないホロウの悩み事などが依頼として飛び交うコミュニティ。本来許可の無いホロウ探索は違法だが必要悪として認知されている。

『プロキシ兄弟』
街で動かしてる時は妹にすれば良かったなと思い、キャラを信頼イベントでデロデロにしてる時は兄で良かったなと思う。え?変えられるようになったって?誰かに話しかけるたびに姿変わるのはなんかちゃうんすよ……。

『明らかに入る量のおかしいポーチ』
手のひらサイズのホロウを見つけて、ポーチの中にいれるやろ。そしたら四次元なポーチの完成や。

『音動機』
エンゾウおじさん曰く音でエーテル侵蝕を遅らせられる技術があるとか言ってたんで、多分そういうやつ。

『精神を植え付ける侵蝕』
精☆神☆隷☆属☆機。悪用したらかなり不味い。

『学校一の女誑しお兄ちゃん』
リンちゃんは学校一の妹(妄想)

「学校一の妹って何!?」
「『君のことは妹のようにしか思えない』ってよく言うだろう?」
「それ恋愛対象外って意味じゃん!」

『クレッセント』
3話で出た商人ボンプに卸しているワインやジュースのブランド名。人間用もあるみたいです。

『邪兎屋』
「あぁ……私のバカ。数百万ディニーがぁ……」
「親分の優しさ百万ディニー」
なんで毎回赤字なん?多分お金の無い人の依頼を無償でやってるとか孤児院に寄付してるとかじゃないとあり得ないよね。

【後書き】
感想くれたらすり抜けない魔法かけておきますね。ちなみに作者は今のところ全部すり抜けです。11号好きなのでめっちゃ嬉しい。ウレシイヨ。ホントダヨ。オリガミノ……コトリ。


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