エーテル適性1億点TS転生オリ主   作:妄想壁の崩壊

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ホーム・アローン見ました。泥棒2人頑丈すぎて笑いました。ドラマパートも感動できるし、めちゃんこおもろいですねぇ!

今回ちょっと長め。


キャッチ-ザ-パエトーン6

 

 

 

 

 

「はっ……はっ……!」

 

夜の涼しい空気を身体に浴びるように走り抜ける。身体は未だ興奮したように熱が引かない。

 

アリスのお陰で武器は没収できた。あいつらも縄を解くまでに時間がかかるはず。作戦通り、このまま裏階段から逃げましょう。

 

「く、ふふっ……!」

 

走りながら、先ほどのことを思い出して笑ってしまう。

 

にしても、あいつらの情けない姿を見れて良かったわ。スカッとした。ヘルメットの下ではさぞ悔しそうな表情を浮かべてたでしょうね。

 

でも、さすがにちょっとやり過ぎだったかしら?ガス罠は無くても作戦に影響は無かったし、不必要だったかも。

 

──あいつらを無駄に傷つけただけで、別に楽しいとは思わなかったし。

 

高揚する気持ちとは別に、妙にモヤモヤとする気持ちを感じながら階段を降りる。

 

だが、途中で何者かに道を塞がれた。ヘルメットを被ったギャング姿。羽林組だ。

 

げっ……なんでこっち側にも居るのよ!もしかして二手に分かれてた?しかもこっちも銃を持っている。

 

踵を返し階段を全力で登る。

 

「お前ッ!やっと見つけたぞ!」

「逃げられると思うなよな!」

 

このまま階段をのぼるだけじゃいずれ追いつかれるわね……。もといた5階まで戻った私は階段をのぼるのではなく、作業用の足場へと移った。この階より上は階段がまだ無い。急いでリフトに乗り込む。

 

上に上がろうとすると羽林組が階段をのぼりきってこちらに気づいたようだ。

 

「待ちやがれクソ餓鬼!」

 

「おおおお願い早く上がって上がって上がってッ!」

 

リフトの上がりボタンを連打する。向こうは銃を構えてこちらを狙っているのが見える。

 

お願い早く上がって……ッ!このままじゃ撃たれちゃうわ!

 

撃たれちゃったら……どうなるんだっけ?奴らが勝って、私の負け?仕返しは失敗?そして……違う、そうじゃない。そういうことじゃないのよ、私。

 

撃たれたら──普通、死ぬわよね?

 

悪寒を感じ息が止まる。すかさず頭を抱え回避行動をとると銃声音が鳴った。

 

リフトの一部に銃弾が掠め火花が散る。

 

「ひっ……!」

 

「チ──ッ!外した!」

「待て、リフトの操作盤の陰で死角になってる。銃は駄目だ。手榴弾を使おう」

 

しゅ、手榴弾!?グレネードよね!?なんでそんなものを持ってるわけ!?

 

リフトのガードが閉まり上がり始めるが、このままじゃ間に合わない!

 

目を瞑ると二発目の銃声が聞こえた。もう一発撃った?

 

「「がぁ──ッ!?」」

 

しかし撃たれたのは私では無かったようだ。爆発と共に炎が立ち上る。リフトが上がると上で待っていたのは銃を構えたアリスだった。

 

ボルトを引いて薬莢を排出。硝煙と共に転がった薬莢が足場に転がり、カンッ、と甲高い金属同士のぶつかる音が響く。

 

「アリス!助かったわ、危うく死んじゃうところだった……」

 

そう、死んじゃうところだった。あと少し、ボタンを掛け違えていたら死んでた。

 

「んな」

 

アリスは羽林組の予想進行ルート上に仕掛けていた可燃物のたんまり入ったドラム缶を撃ち抜いたようだ。

 

下を覗けば爆発大炎上しており、爆発の衝撃で気を失った羽林組員の肩をもう一人が担いで退避している。

 

良かった……流石に死なれるのは心苦しいので無事なことを確認しほっと息を吐く。

 

『流石に死なれるのは心苦しいので』?

 

何か、何かおかしい。何がおかしい?何なのこの違和感は……何でさっきから、死にかけたり、殺しかけたりしてるわけ?

 

「あれ、私……わたし、何してるのかしら……?」

 

頭が混乱してくる。一旦落ち着こう。深く深呼吸をして、頭の中を整理する。

 

「んな?」

 

アリスが不思議そうにこちらを見ている。先程の光景をさも当たり前かのように受け止めている。

 

そう当たり前。銃を撃ったり爆発物を使ったら人は傷つくし、死ぬ。

 

違和感の正体はそう──そんな当たり前のことを私は今、直接目にするまで気づいてなかったこと。

 

私を支配していた万能感、高揚がさっと引いていく。恐ろしい程に寒々しかった。

 

「……今の、一歩間違えたら殺してたわ。私も殺されそうになったなんて言い訳にならないわよね」

 

「……んな」

 

「違うわ……アリス、あなたを責めてるんじゃないの。奴らに痛い目を見せて仕返しして、悔しがるのを見たいって言ったのは私だし、仕掛けとか作戦を考えたのも私よ、でも……冷静になって思えば、危険よね。明らかにやり過ぎだわ」

「最初、最初はお金を取り返すだけのつもりだったわ。でも、途中から全部上手く行き過ぎて……私、まるでゲームみたいに思ってたみたい。バイクで逃げるのも、あの暴力団たちを迎撃するのも。でも、でも私、命のやりとりをするつもりなんて……ッ!」

 

思い返せば危ない橋渡りだった。あの河川敷でアリスに提案したときこれを予想していたかしら?いいえ。

 

羽林組の事務所に行っても組員がいる。きっとお金を取り返す事は出来ず諦めて帰ることになるだろうと思ってた。でも、何もせず諦めるのと失敗して諦めるのでは心の納得度は違う。だからアリスに無理強いして事務所に突入した。

 

そして、上手くいってしまった。だから今度は逃げる必要があって、アリスと共にバイクを走らせ新エリー都を駆け抜けた。

 

それでも逃げ切れなくて、ここで迎撃する必要があった。……いえ、違うわね。迎撃する必要なんて無かったわ。迎撃を選んだのは私があいつらに復讐したかったからよ。アリスのおかげで実現できると思った私は欲をかいた。ただ隠れてやり過ごすだけで良かったのに。

 

そして今、正面から暴力と対峙して怯えている……。

 

「あぁ私……あいつらを散々煽ってた癖に私の方が腰抜けだったみたい。だって、私何も考えて無かったわ。ただあいつらを見下して笑ってただけで、命を賭けてるつもりはサラサラなかった。ただの遊びだと思ってたのよ!自分が信じらんないわ!」

 

ビルの上で夜風を浴びて頭が冷えてきたからか。あるいは、今まで一方的に主導権を握ってきた立場が崩れて初めて自分のやった事の危険性に気づいたか。

 

不意に、家出する前の事を思い出す。ニコに直談判した時の事だ。昨日の晩の事。私もホロウレイダーになりたいとニコに訴えた。ニコはこう言った。

 

『邪兎屋に入りたい?ふーん、入社希望ってわけね!でも、駄目。あなたは10歳そこらの子供よ?あたしたちの仕事はまだ早いわ。ホロウレイダーって言うのは楽じゃないの。ホロウの中じゃ命の危険と隣り合わせなんだから。ま、あたしくらいになれば余裕も余裕……な、何よその疑うような目は……。とにかく、ディニーを稼ぎたいなら院長のお手伝いでもしてあげて?そしたらお小遣いあげるから』

 

「ニコの言った通りだわ。私、ただの……ただの子供よ……怖いわ……」

 

爆発音とともに建物に火が広がっていく。遠くからサイレンの音が聞こえる。多分、火災に気づいた人が通報したんだろう。

 

「……不法侵入、強盗、無免許運転、危険運転、傷害、銃刀法違反、殺人未遂、放火。あはは……気がついたら母親よりよっぽど悪い犯罪者ね。親が親なら子も子ってやつ?」

 

「んな、んなっ!」

 

「ううん、アリスは私を手伝っただけでしょ?あぁそっか、アリスを無理やり連れてきてるから誘拐もね……」

 

いや、ボンプは確か誘拐じゃなくて窃盗かしら?孤児院では法律や社会について色々教わったけど、その時に言っていた気がする。どっちでも悪いことには変わりない。

 

「んなんな」

 

アリスが私の袖を引っ張る。火の手が建物全体にまで広がってきている。そろそろ降りないとこのまま焼け死んでしまうと思ったのだろう。

 

「引っ張らないで……帰れないわよ、私。帰りたくない。こんな事しでかしてどの面下げて帰れば良いの?」

 

孤児院は犯罪とホロウ災害への対処に関する教育を私たちに重点的に教えているというのに、私は上辺だけで何も学んでなかったんだ。今思えばあれは社会的弱者である孤児が非行に走らないようにする為の教育だったんだろう。

 

目線を落とすと工事現場の入り口にたくさんのパトカーや緊急車両が詰めかけていた、このまま降りて自首しに行こうか。

 

いや、きっとこのまま自首しても孤児院の迷惑になる。それならいっそのこと……。

 

「ここで死んじゃった方が──」

 

 

 

 

 

「君は悪くない」

 

「──え……っ?」

 

突然、声が聞こえた。顔を上げても隣にはアリスしか居ない。今の声……アリスが喋った?

 

「責任があるとすれば、私にある。だから私が悪い。君は悪くない」

 

「え、え?いや、アリス……よね?喋ってる?」

 

「喋ってる。実は私は喋れるボンプなんだ」

 

「そう……そういうボンプもいるのね?」

 

「あぁ」

 

そんな話聞いたこと無いけれど……アリスが嘘をついているとも思えない。というか今目の前で喋ってるわけだし嘘も何も無いわね。

 

「よく分からないけど、でもアリスの責任のはず無いわ。私がたくさん罪を犯して……」

 

「14歳未満は刑事責任能力が無いと見なされる。よって保護処分になるだけだ。むしろ私に教唆されたとして情状酌量の余地があるだろう。私は君の家出と犯罪を幇助している存在だからな。先ほど私を誘拐したと言ってたが、実は逆だ」

 

「え?いえ、でも……」

 

「少なくとも新エリー都の法ではそうなっている。君に法的罪は無い。……そして倫理的罪も無いと私は思う」

 

「……どうして?」

 

「君は己の誇りを賭けて抗っただけだからだ」

 

「誇り?」

 

「そうだ、誇りだ。人は、大人になるまでに多くを諦める。そしてその過程で譲れないもの、誇りを失っていく。理不尽に対し抵抗をやめてしまう」

「でも君は違った。君は相手がどんな奴だろうと、きっと同じように喧嘩を買っただろう。手段は確かに褒められない点があるが、それは私の責任だ。なまじ私が叶えられるせいで実現したことだった。だから君は悪くない」

「君は君のままの誇りを持って、胸を張って『家』に帰るべきだ。帰る場所があるのだから……」

 

「誇り……」

 

悪いことのはずなのに、アリスの言葉には妙な説得力と自信を感じる。アリスも、私と同じなんだろうか。

 

「けど、どうやって帰れば良いの?唯一の出口は治安官が詰めかけてるし……」

 

アリスは静かに胸のペンダントを指差した。アリスにもらった、不思議なペンダント。もしかして見た目通り不思議な力が……?

 

 

 

 

 

そう思っていたその時、空からバラバラと風を切る音が聞こえ、私の体が眩い光に照らされる。

 

手で光を遮り、強い風に目を細める。光の元はヘリコプター……いや、軍用のオスプレイだ。いったい何でこんなところに?

 

不思議に思っていると、機体のドアがが開いた。

 

ドアから銃口が伸びる。

 

「──危ないッ!!」

 

疑問に思ったのもつかの間、銃声とともに私の前に立ったアリスが吹き飛ばされた。

 

「……え?」

 

「──やれやれ、うちの組の奴らは餓鬼一人とボンプ一匹も処分できんのか……困ったもんだな」

 

葉巻を咥えながら中から現れたのは黒いスーツ姿の壮年男だ。そして目が痛いほどの豪華絢爛な装飾品で飾った腕には煙を吹いている銃が握られている。

 

「腕を狙ったんだが、庇われたか。ボンプは流石に壊れたか……?お前が件の餓鬼だな」

 

男は乱暴に私の髪の毛を掴んで持ち上げた。

 

「痛ッ……離して!」

 

「面は悪くないな、そのへんの好事家には売れなくもないが……部位をバラして闇医者に売ったほうが高そうだ」

 

「あんた何者……!」

 

男は私を掴んだままオスプレイに乗り込む。連れ去られないよう必死で抵抗するが糠に釘だ。

 

「俺は組の頭だ。羽林組のだけじゃあ無いがな。ま、そんなことはどうでも良いだろう」

 

「やめて!離しなさい!」

 

「それは聞けない相談だ。嬢ちゃん、いいか?よく聞け。お前さんは組に損害を出した。だからお前さんはその損害を補填しなきゃなんねぇ。わかるか? 基本的な社会のルールだ」

 

「先に手を出したのはそっちでしょ── ッ!?」

 

「後か先かなんて関係無い。それにだいたいお前は受けた損害はもう取り返したんだろう?端金(はしたがね)の入った瓶をな。なら、今度はお前さんが俺らに返済する番だ。にしても、端金の為にわざわざここまで仕出かすなんて大したもんだな」

 

「端金ですって……ッ?あれは、私が初めて得た実力の証と言っても良い代物だったのよ!それを奪われたのに返済もクソも無いわ──ッ!」

 

「……なるほど面子ね。この業界だと面子を守るのは常識だ。よく分かる」

 

「だったら……ッ!」

 

「だがもう一つ常識があってな──面子を守れるのは強い奴だけだ」

 

「────ッ!!」

 

声を上げ、必死に抵抗するが猿轡で口を塞がれ、腕を縛られ投げ捨てられる。

 

面子を守れるのは強い奴だけ。それはそうだ。弱い奴は全部奪われる。昔から知ってる。

 

今日の出来事は全部、アリスのおかげだった。お金を稼げたのもギャングと渡り合えたのもアリスのおかげ。私は強くなんて無い。だから、アリスがやられた途端に、こうして奪われる側になってる。

 

「おい、出せ」

 

「はいボス」

 

でも……私はただで奪われてあげるほど弱くは無いのよ……ッ!

 

扉が開きっ放しなのを見て、オスプレイが飛び立ったタイミングで男に体当たりを仕掛ける。

 

このまま落ちろッ!

 

しかし男は私を受け流すと逆に私が機体の外へと放り出される結果となった。そのまま宙へ落ちるかと思ったが、首を鷲掴みにされる。

 

「ボス!?」

 

「うが……ッ!」

 

「問題ない、前だけ見ておけ。クソ餓鬼……自分の立場がまだ分かってないようだな?俺はお前を必要最低限のけじめで勘弁してやるって言ってんだよ。なるべく痛めつけてほしいドマゾなのかテメェは?」

「おら、猿轡を外してやる。泣いて媚びて命乞いしろ」

 

強く首を絞められる。

 

「ぐ……ぁ……」

 

「助けてもらえた感動のあまり声も出ないか?ほら言ってみろ『助けてください』だ」

 

お前が首を絞めてるから何も言えないんだろうがッ!人のことをドマゾとか言っておいて、コイツは真性のドサドだ。

 

痛い、苦しい、呼吸と血の巡りが止まり意識が遠のいて行く。だけど睨むのは辞めない。命を失うの怖いけれど、アリスが教えてくれた、私にあるこの誇りを失うことの方が余程に恐ろしい。あんたのような邪悪に媚びへつらうなんて死んだも同然だわッ!!!

 

「……ふむ。目つきが悪いな。少し矯正してやろう」

 

男は懐からナイフを取り出し、私の目に向ける。突き刺すのか、それとも目玉を抉るのか。だけど私は決して目を逸らさない。

 

「チッ……生意気な……」

 

私の様子が予想と異なったか苛立つ男がナイフを逆手持ちにし、大きく振り被る。

 

 

 

 

 

そして、そのナイフが私の目に届くことはなかった。

 

──銃声。

 

「がはっ……っ!?」

 

腹部に弾丸を受け、バランスを崩した男と私はオスプレイから落下する。

 

宙を降る最中、一瞬見えたのは銃を握りしめるボロボロのボンプの姿。

 

やっぱりアリスは強いなぁ……羨ましいくらいに。たった一日の付き合いだけど、もう何度も私を助けてくれた。

 

私を庇ったせいでボロボロで、もうほとんど動けないはずなのに。

 

あぁでも、どうしよう。助けて貰ったのに死んじゃう──

 

 

 

 

 

──瞬間、胸のペンダントから溢れた黒い何かが辺りを包みこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マスター、ルミナ区市街地にてホロウ災害が発生しました』

 

「ルミナ区市街地?都会のど真ん中にホロウが出現したのかい?」

 

『ホロウ出現直前において、該当地域で指定暴力団『羽林組』による複数の事件が発生しています』

 

「……仕事だFairy、リンとイアスを起こしてきてくれ。それからニコにも連絡を──どうにも嫌な予感がする」

 

『かしこまりました、マスター』

 

 




『コルンちゃん』
※10歳(義務教育スキップ)

『白いボンプ』
※ホロウ在住倫理観&メンタル擦れ擦れガール

『虚水晶のペンダント』
黒い何かが閉じ込められたペンダント。水晶の中で淡く揺らめくそれは、さながらホロウの種とも言うべきか。製作者の意思に呼応し周囲全てを飲み込む。

【後書き】
お話がそろそろ締めに入ります。やっと違う話が書けそう。

感想評価くれたらモチベになります。書くこと無ければ好きなエーテリアスでも教えてンナ。

ちなみにゼンレスゾーンゼロをプレイして

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  • 動画で観るだけ
  • したことない
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