エーテル適性1億点TS転生オリ主   作:妄想壁の崩壊

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前触れも無くアンケート取りましたけど意外とゼンゼロやったことない人も見てくれてるんですね。簡単な用語解説でも載せようかな。

精神的BLタグを追加しました。今のところ保険です。


ウェア-トゥ-ダイ2

 

 

 

 

 

僕たちは車にアドルフさんを乗せ、零号ホロウに繋がる共生ホロウのすぐ手前までやって来た。

 

このあとリンが車椅子を押してアドルフさんとホロウに入り、アリスに引き継ぐことになっている。その為にH.D.D.システムを車に積んできた。……精密機械なので壊れてないと良いけれど。

 

僕がイアスに入り、三人で突入の準備を整えているとリンのスマホに通知が来た。

 

「……うん、お兄ちゃん。アリスが集合場所についたって」

 

「よし、アドルフさん。準備はよろしいですか?」

 

「あぁ、頼む」

 

アドルフさんが頷いたのを確認し、僕たちはホロウの中へと入った。

 

──が、次の瞬間見えたのは頭の上にある地面と足元に広がる青い空。天地逆転……では無い。どうやら空中に飛び出てしまったようだ。

 

「「はぁ──ッ!?」」

 

「!?!?」

 

すぐに重力に惹かれ頭から落下していく。

 

「Fairy!一体どうなってるんだ!?安全なルートを選んだはずじゃ!?」

 

『はいマスター、私は確かに安全なルートを選択致しました。しかし状況から見て恐らく──』

 

「Fairy!これで死んだらあんたをエンゾウおじさんに言ってトースターに変えてもらうからッ!」

 

「厳しい道のりだと思っていたが流石にこれは予想外だ……ッ!」

 

三者三様の反応をしながら落下して行く。どんどん近づく地面に『もうだめだ』と思ったその時、何かが僕たちをすくい上げた。

 

「は……はひ……生きてるよね……お兄ちゃん?」

 

「あぁ、大丈夫だ。それで……」

 

落ち着いて状況を観察する。どうやら何かに乗って飛んでいるようだ。流れる風がイアスの耳を揺らす。

 

正体不明の乗り物の機首には、桜のような髪を靡かせる彼女が座ってこちらを見つめていた。

 

「どうも二人とも。そして依頼人のアドルフさん。乗り心地はいかがかな?」

 

愉快そうに微笑ながら言う。容疑者アリスだ。

 

『──ルートが強制変更されたようです。そしてそれが出来るのは彼女をおいて他にいません』

 

Fairyの解説が耳に響く。……彼女は自分の仕事をきちんとこなしていたらしい。

 

「あーうん最高だよアリス。特にこんなに素晴らしい搭乗方法、私初めて。一生忘れないかもね。あと少しでその一生が終わってた事を除けばだけど」

 

両手を組み口を膨らませ、『私怒ってます』と言わんばかりに怒りと皮肉を吐き出すリンを見てアリスは口に手を当て声を漏らして笑った。

 

「ふふっ……すまん。そう怒るな。こっちの方が早いと思ったんでな、歩きで向かうより断然早い。だろ?」

 

僕たち三人はため息をついた。呆れたものだ。

 

「ありがたいが……もし次があれば辞めて欲しい。老骨には堪える」

 

アドルフさんは一応自分の足に配慮してもらったためか苦笑いを浮かべながらそう述べた。

 

「もう、アドルフさん……わざわざお礼なんて言わなくて良いんですよ?だって乗せるだけならわざわざ私たちを落とす必要は無かった訳ですし……」

 

「む?確かにそうだ。……アリスさんでしたな、老人を驚かすのは程々になさい。限度というものがある」

 

「……全くもって仰る通りです、すいませんでした」

 

アドルフさんがリンに言われて考えを変えたのか、アリスを諭す。怒られたアリスはバツの悪そうな顔をして素直に謝った。

 

なんだかまるで祖父に叱られる孫娘である。

 

「にしても、本当になぜこんなことを?」

 

「私に事前承認無しでいきなり雑用に使おうとする2人に灸を据えようと思ったんだが……まさかアドルフさんまで同時に入ってくるとは。二人を乗せて少し飛んだあと降ろして改めてアドルフさんを乗せようと考えていたんだが」

 

「「ごめんなさい」」

 

『私も謝罪を求めます。マスター、助手二号』

 

「「誠にごめんなさい……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに僕たちは何に乗っているんだ?」

 

空を飛び始めて少ししたあと、気になった事を聞いてみた。

 

「あぁ、こいつか?竜のような容姿と能力を持つエーテリアスだ。名は『(ドラコー)』と言う。私が命名した」

 

アリスは少し得意げに言う。自分の命名センスに自信があるのだろうか?しかしドラコー……その名前には聞き覚えがある。確かニネヴェと戦闘していた時に召喚した二体のうちの一体だった筈だ。あの強力な炎ブレスを吐いていたエーテリアス。あの時見た背中に乗ることになるなんて……想像もしてなかったな。

 

「ニネヴェと戦った時のあのエーテリアスかい?」

 

「あぁ……は?待て。なぜそれを知っている?」

 

「私たちあの場所に居たんだよ?あのときは零号ホロウ独立調査員の資格試験中でね。その途中ニネヴェを追跡してた対ホロウ六課に物資としてイアスが徴発されて……」

 

「……居たのか。と言うか六課はニネヴェを追っていたのか?私じゃ無かったんだな……」

 

そう言うと続いて『ニネヴェと戦わなければ私の正体ってバレなかったんじゃ……』と言って彼女は項垂れた。

 

……僕たちが六課救出のために応援を呼んだことは黙っていたほうが良さそうだ。

 

「アリスさんは、エーテリアスと交信出来るのか……?」

 

静かに話を聞いていたアドルフさんが質問する。彼から見たらエーテリアスに協力してもらってるように見えるのだろう。実際は服従させているの間違いだけれど。

 

「交信……と言うと少し違う。一応確認しますが事前契約書は同意しましたよね?」

 

「『今回の依頼に際し知り得た情報は一切漏らさない』だったかな?無論だとも」

 

アリスが僕とリンに目を向けるので頷く。僕たちにも守秘義務を守る意志がちゃんとあるか確認したのだろう。

 

「なら教えますが、私は恐らくエーテル適性が常人に比べ極端に高い異常体質です。本来であればエーテルが肉体、意志を蝕みますが、私の場合は肉体、意志がエーテルに対し上位にあります」

「故に、私はエーテル並びにエーテリアスに対し上位者として振る舞い意のままに操れるのです。今この場にいるアドルフさんとプロキシにエーテル侵蝕が全く見られないのも私が止めているからです」

 

彼女の能力について詳しく聞いたのは僕たちも今回が初めてだ。エーテル適性が異常に高い存在、まるでエーテルの寵児とも言うべきだろうか。彼女だけに見られる特別な資質。

 

ふと、ある疑問が浮かんだ。──もしその資質を人類全てが獲得できたら、新たなる進化を経た新人類とも言うべき存在になれたのなら、この世界からホロウによる不幸は消えるのだろうか?

 

……止めよう。意味のない妄想だ。

 

「そうか……」

 

アリスの話を聞いてアドルフさんはどこか残念そうに呟いた。その様子を注意深くアリスは見つめているようだ。……どうかしたのだろうか?

 

「しかし、ある意味で交信が出来るとも言えます」

 

「それは?」

 

「エーテリアスは稀に、生前の要素を持ち合わせる事があります。何か特別執着していたものがあればそれに執着する。身体的特徴があればそれを受け継ぐ」

「例えば、ある大切な物を守りながらホロウの中でエーテリアスとなった者はエーテリアスになった後もそれを守り続ける。例えば、生前シリオンだった者はその特徴のあるエーテリアスとなる。このドラコーのように……」

 

アリスが鱗のようなエーテル結晶の並ぶ背中を撫でる。一同は視線を下に向け、僕らを乗せて飛ぶエーテリアスを観た。……このエーテリアスは生前どのような人物だったのか。今の話から想像するにきっと竜に近い爬虫類系のシリオンだったのだろう。

 

「このことはホワイトスター学会の中でも重要な研究対象となっています」

 

「研究対象?研究結果じゃなくて?」

 

リンが聞き返す。

 

「そうだ、リン。これらはあくまで経験から来る傾向に過ぎず、科学に於いて最も重要な理屈ではありません。モノが上から下に落ちるのは事実で、理屈が重力と言えば伝わるでしょうか。『何故そうなるのか』が全くもって解明されていないのです」

 

「それで……その、交信とは何の繋がりが?」

 

「私はその理屈を魂と仮説しています」

 

「魂?」

 

「そう、魂です。なぜならエーテリアスになれるのは魂ある存在だけだから。『禁断の果実』テストを突破した知性機械、人間、シリオンはいずれも魂を持つ。そしてその存在が持つ魂はエーテリアスになっても引き継がれる──それがコアでは無いでしょうか?」

「コアは、いわばエーテリアスになって死んだ人間の魂がこの世に残した影のようなもの。コアはエーテリアスにとって設計図であり、ゲノムであり、アルゴリズムであるから、生前の面影を残すこともある」

 

連続で喋り口が渇いたのか、懐からスキットルを取り出し水を口に含んだ。その間も僕らは静かに彼女の次の言葉を待つ。

 

「そして私はそのコアを読み取り、生前の記憶を断片的にですが理解できる。そういう意味では交信できます……これで満足でしょうか?」

 

「そうか……分かった。話してくれてありがとう」

 

「もっともこれはあくまで私の立てた仮説ですから、真に受けないでください。ただ記憶を何となく読み取れるのは本当です」

 

彼女の話は移動の時間潰しにつまむには深すぎる、飲み込むのに時間がかかるし色々聞いてみたいところだけれど……。

 

ふと視界が暗くなり、景色が一転した。どうやら裂け目をくぐったようだ。

 

「共生ホロウを抜け零号ホロウに入ったな」

 

「思ったんだけど、アリスの力で裂け目を開いて一気に跳んで行けないの?」

 

僕もうっすら感じていた疑問をリンが質問した。

 

「……あのなぁ、私がやたらめったらまるでチーズみたいにホロウに穴を開けまくってると思ったら大間違いだぞ?建物の壁に穴を開けまくったら倒壊するだろうが……それに最近調査協会の監視がキツくて零号ホロウ内に異変を検知したら調査員がすっ飛んでくるんだよ……はぁ」

 

「あはは、そっかぁ……なんというかご愁傷さま」

 

その遠因は僕達ですとは言えない。沈黙は高純度のエーテル結晶より価値がある。

 

「まぁ……せっかく時間があるんだ。空を飛びながらゆっくり話すのも趣があるだろう?他に、何か話の種は無いのか?」

 

「それなら僕から聞きたいことがあります。アドルフさん」

 

「ん、私にかな?」

 

何か考え事をしていたのか、それとも単に自分に聞かれると思っていなかったのかほんの少し驚きを示すアドルフさん。

 

「はい。旧都での思い出などをお聞かせくださいますか?」

 

「なるほど……依頼に関わるからな。長くなるがよろしいかな?」

 

「構いません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

(アリスの話を聞いている途中)

『………………』

「ねぇFairy」

『助手二号、どうかしましたでしょうか?』

「よく分かんなかったから後で簡単に纏めて教えてもらえない?」

『トースターにでも聞いてください』

「ごめんってばぁ!?」

 

 

 

 

 




『祖父に叱られる孫娘』
アリスはおじいちゃんっ娘でした。え、今?ハハッ。おじいちゃんが居ればおじいちゃんっ娘でしたよ。

『魂とコア』
捏造オブ捏造。外れたら介錯を頼んます。

なお生前の要素を引き継ぐのは実例があり、シルバーヘッド・デュラハン、マリオネット・ツインズ、覇者侵蝕体ポンペイはそれぞれ金庫、バレエとオルゴール、バイク(武器)のように引き継いでいます。

『Fairy』
しばらくトースターが地雷になった。あなた実はこの世界のこともっと色々知ってるでしょう早く深掘りされなさい。

個人的にフェアリーさんはヒロイン適性高いので受肉しそう感ある。

【後書き】
早いですがメリー・クリスマス。と言うことでここにサンタニコという概念を置いて行きます。たぶんゼンゼロの中で一番似合うと思う。

「メリー・クリスマス。プロキシ!え?この袋?これは私へのプレゼントを回収するための物よ!」

感想評価お待ちしてます。なんか考察あれば聞かせて下さい。
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