エーテル適性1億点TS転生オリ主   作:妄想壁の崩壊

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こう言う話書くの、楽しい。

良ければモチベになるので感想評価お願いします。


ウェア-トゥ-ダイ4

 

 

 

 

 

住宅地の並ぶ区画、整備された街道沿いには街の景観のために木々が植えられている様子が見える。

 

川に面したこの街──旧十四分街はその立地を生かし交通の便の良い土地として栄えていたが今や見る影もない。

 

しかしもう二度と光りが灯ることの無い繁華街、誰も訪れることの無い公園、そしてかつて街の人々に愛されたであろう……今や無人のレストランが当時のまま、まるで時間から切り取られたかの様に残されている様を見れば、誰もここがホロウに飲み込まれた人っ子一人いない廃都市だとは思わないだろう。

 

逃げ切れず(エーテリアス)となって彷徨う人々と街の外から来る来訪者を除いて。

 

そんな街に今、来訪者が来ている。

 

電子音を響かせ奇妙な映像効果(エフェクト)を纏う、まるで近代のトーテム──データスタンドを取り囲むように人影が複数があった。

 

「よし、これでこのデータスタンドのデータは回収できたな。次、行くぞ」

 

「はい」

 

ホロウ調査協会より派遣された調査員と、その護衛である軍人たちである。

 

「にしても不気味な街ですね……先輩」

 

あたりを所在無い様子で見渡しながら年の若い調査員が年長の者に言った。

 

「そう言うな……ここはまだエーテリアスが少なくてマシな方だ。旧都中心に近い都市はビルより大きい極超級エーテリアスがひしめき合ってるらしいぞ……そっちのほうが良かったか?」

 

若手の調査員はギョッとした様子で返す。

 

「い、いやいや言ってみただけですって。と言うかそんなことになってるんですか今?巨大な生物が跋扈する環境……まるで古代の地球みたいっすね」

 

「言い得て妙だな、もしかしたらある種の生態系のようなものがホロウの中でできつつあるのかもしれない」

 

「そしてその頂点に立つのが『ホロウの女王』って訳ですか?」

 

ニネヴェが群生相利共生型エーテリアスと言うなら、『ホロウの女王』はさしずめ独立支配知性型()()()()()()と言ったところであろうか。

 

「……その名をみだりに呼ぶな。一応、奴の存在は国家機密なんだぞ。現状奴を知るのは市政上層部そして調査協会と防衛軍の一部、特にスコット前哨基地に勤めている者たちの中だけだ。外にバレたらとんでも無い事になるぞ」

 

「上はそいつを探すために僕らをこき使ってデータ採集を熱心にやってるんですよね?そんなことして見つかるんですか?」

 

「さあな。だが見つけなければならん。もし仮に、他の組織が彼女を味方につけたらどうなる?インターノット、反乱軍、ギャング、何でも良いが反市政勢力に先を越されるのは何としても阻止しないといけない。我々が第一の接触を果たし友好的関係を結ぶしかないんだ。もしくは──」

 

反市政勢力だけでは無い。同じ市政側の勢力に於いても同じ事が言える。彼女の存在はこの波風立たず、ただ緩慢と腐り行く新エリー都と言う湖に投じられた石──否、大岩なのだ。

 

『ホロウの女王』を先に見つけその力を利用できた者は市政に於いて大きな発言権を得ることになる。それだけの価値を上層部は見出だし、勢力争いに利用しようする。

 

事実、『ホロウの女王』の存在は治安局には伝えられていない。彼らはこの無意味な政治闘争から除外されたのだ。それが幸なのか不幸なのかは不明である。

 

「排除するか……でしょう?でも相手はあの虚狩りを退けた……」

 

そう、仮に人類の発展に寄与しないのなら、それは潜在的脅威となる。そして一部の人間は接触を待たずして討伐を声高らかに叫んでいるのも事実。

 

「市政は現存する虚狩り達に招集を呼びかけている。一人でだめなら二人、それでも駄目なら……あるいは七人全員もあり得るかもな」

 

「いやいや無理ですって。動向不明が何人いると思ってるんですか……」

 

虚狩りは計七名いる。『SWORDMASTER』の座は代替りし現在最年少の星見雅だ。そして他六名が最近ではあまり表に出ることはない。『SUNBRINGER』、『JOYUS』、『DARKWALL』の3名、『PROFESSOR』……そもそも最後の『PROFESSOR』──アーチ教授に至っては動向不明どころか行方不明である。

 

「だよなぁ……彼らに星見雅様の10分の1でも市への献身さがあれば良いんだが……彼女の爪の垢を煎じて飲んで欲しいくらいだ」

 

「雅様の爪垢なら僕が飲みたいですよ!」

 

「……」

 

ベテラン調査員はドン引きした。仮にも同僚に対してその言い草は無いだろうと。そして次に感じたのは不安だった。そう言うミーハーな気持ちで前哨基地に来た人間が辿る末路はただ一つである。

 

ベテラン調査員はこの資格試験中の若手調査員を落とそうと心に決めた。それが彼の為である。多分。

 

そうして会話をしているうちに次のデータスタンドの場所へとたどり着いた。

 

「よし新人、次は自分でやってみろ」

 

「おまかせあれ!これでも研修ではお墨付きを頂きましたからね!」

 

慣れた手つきで機材に接続する新人調査員。どうやら、スキル自体はあるようである。あとは心構えの問題か。

 

ふと、護衛の部隊がざわつき始めた。

 

「軍曹殿、何か問題でも?」

 

護衛部隊の隊長に話を聞く。ベテラン調査員と彼は長年の顔なじみであり気兼ねなく会話できる仲だが、部下の手前固い反応を示す。

 

「はい、いいえチーフ。ですが部下が奇妙なエーテリアスを発見したそうです」

 

「奇妙なエーテリアス?」

 

訝しげに聞き返す。軍曹と呼ばれた男が『あちらを見てください』と言い指を指した方向にベテラン調査員が視線を向けると、そこにはホロウではごく一般的に見られる低危険度のエーテリアス、アルペカの姿があった。

 

「ただのアルペカじゃないか?何が可笑しいんだ?」

 

「いいえ、チーフ。可笑しいのはあのエーテリアスだけではありません。状況そのものが可笑しいのです。先ほどから一切のエーテリアスを見かけていません。そして見かけた唯一のエーテリアスがあのアルペカです。釈迦に説法ですが、エーテリアスの行動原理の最上位に位置するものはご存知ですよね?」

 

「人間への敵対行動だろう?それがどうした?」

 

「──なら我々を襲うでも無くただこちらを見つめるあのアルペカは何だと思われますか?」

 

その場にいたデータスタンドを調べている新人以外が息を飲んだ。静かだ、奇妙な程に。ただ新人の呑気な鼻歌だけが辺りに響く。

 

『彼女が現れたとき、我々なこのような事を直前に感じた。それはひたすらに我々に纏わりつく陰鬱とした厭な感覚と、奇妙な静寂だった』

 

対ホロウ六課が残した報告書の一節を思い出す。

 

──物陰をみれば、アルペカの姿は消えていた。

 

「全員、上だッ!」

 

日差しを遮るように影が我々を横切った、高速なナニかが上空を通過したようだ。それに気づいた軍曹が叫ぶ。護衛達が警戒するように銃口を上空に向けた。しかしすでにナニかの気配は無い。

 

「奴だ……ッ!早く避難しよう……新人!ここは彼らに任せ我々は物陰に退、避……」

 

新人の姿が無い。コードの繋がれたノートパソコンは無造作に転がっていた。

 

──連れて、行かれた?

 

『Gruruaa────ッ!』

 

「来たぞ!前方に大型エーテリアス!射撃開始!」

 

「撃て撃て撃て撃て!」

 

「ここは我らに任せ退避を──」

 

その言葉を聞かぬままにベテラン調査員は走り出した。パラパラと無機質な銃声とエーテリアスの咆哮だけが無人の街に響く。

 

ただひたすら、このところ衰えつつある体力のギリギリまで走り続ける。

 

やがて何の音も聞こえなくなった頃、彼は立ち止まり荒く呼吸を繰り返した。

 

「と……とにかく基地に戻って、応援を──」

 

懐を弄り、キャロットを取り出す。現在地を確認しようとしたその時、腕を掴まれた。

 

まるで触手の様に伸びる、異形の腕だ。反射的に顔を上げる、上げてしまった。そしてそれを後悔する時間は彼には与えられない。

 

「ひ──ッ……!」

 

喉を引き攣らせ悲鳴を上げることも叶わなかった。

 

彼の意識が最後に見た光景は、触手に覆われたエーテルコアを眼球のようにこちらに向け、オイルのような彩色を放つ粘液を滴らせるその悍ましい口腔が自らを飲み込まんとしているところだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この街は再び、静寂を取り戻した。次に来る来訪者が訪れるその時まで……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

「よくやった医療者(メディック)。全員記憶処理を施しとけ」

『繧上°繧翫∪縺励◆!』

「「「………………」」」

 

 

 

 

 




『虚狩り』
七人の虚狩りは原神で言うところの魔神枠でしょう。おそらく大型アップデートによりバージョンが1.0変わる毎にフォーカスされるのでは無いでしょうか。そして多分最後がアーチ教授かな?ヘーリオス研究所って多分最後だろうし。

【後書き】
次でこの話は終わりです。早かったー。前のコルン編が難産だっただけにすごく早く感じる。

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