一部校正終わりました。大筋には代わりは無いですけど一部描写が変わった部分があります。
具体的にはコルン→孤児になる前のホロウ災害を旧都陥落から一般ホロウ災害に変更。雅さん→左手が義手ではなかったので一部変更。
【謎の言語で書かれた手記】
私はいつものように日課のエーテリアス討伐を行っていた。
その日はたまたまラマニアンホロウの共生ホロウに行ったのだが、そこで奇妙な存在に出会った。
喋る重機である。そう重機、建設機械、働く乗り物代表。重機がなんで喋るかって?私が知りたい。まぁ新エリー都じゃあ常識なんだろう。
その喋る重機は何やら白い建物をエーテリアスから守ろうとしていたので加勢をしてやったら感謝され、身の上話と惚気話をされた。
会話の内容はよく分からなかったが、家出してその白い建物──『真白くん』とやらと駆け落ちしたらしい。うん、愛の形はそれぞれだからな。多様性の時代だ。
動けないビルと
とにかく話半分にただ頷いて全肯定をしていたらいつの間にか良き理解者扱いされ友達認定されていた。重機の友達ってなんだ?
そのあと私は日課があったのでその場を離れ、狩りを再開したのだが、また似たような重機に出会ったのだ。今度は関西弁の重機。
何やら熱血漢らしきキャラで勝負を挑まれたので軽く腕相撲でいなしてやったら気に入られてダチ扱いされた。
急に『そうか!オレちゃんらは
この関西重機もどうやら先の乙女の重機と同僚らしかった。ところで新エリー都の関西ってどこなんだろうか?位置的に新エリー都の西にエリー都があるが。……そう考えたら私って京都人のような立ち位置なのか?
まぁとにかくそこでも私は日課があると言って離れたんだ。
そしたらまたいた。今度は痛々しいと言うか厨二病チックなやつだったな。師の呼び声がどうとか使命がなんとか言って煩かった。
話を聞き出そうにも私の声を聞こうともしないので秘蔵のエーテリアスコレクションを見せて注目を引いてやれば食いついてきた。特に私の命名が素晴らしかったらしい。うん、趣味が合うな。
そしてなんやかんやあって同好の士認定され、話を聞かせてもらった。曰く『ヤバい存在の封印が解けそうでピンチ』らしい。そして成すべきことがあると言って去っていった。
私はまた日課再開──するわけなかった。だっておかしいだろう。なんで一日に3台も迷子の重機と出会うんだ?おかげで私の友人の半分が重機になったぞ?
コルン、『パエトーン』の3人しか友人がいないからな。
ははっ(乾いた笑み)。
……旧都の頃の友達?親の代わりに家と家を結ぶだけの交友関係が友達と言うならいたな。殆ど名前も覚えてないし多分半分は旧都と共に果てただろうが。
別にぼっちではない。うら若き少女たちに混ざってお喋りして、お茶菓子を摘んで『おほほほほ』なんて笑うのは性に合わなかっただけだ。くっ……あのときのお母様の表情、絶対分かってて私を送り込んだに決まってる。笑いを堪えきれてなかったからな。
さて、話を戻すが私もその『封印』とやらが気になって後をつけてみた。
そしたら何故かイアスと、どこか見覚えのある明るい赤毛の少女が率いる集団がいた。
どうやら『パエトーン』の仕事中だったようである。なんだかあいつら、事件に縁があるな。職業柄なのかあの兄妹が殊更巻き込まれ体質なのか……多分後者だろう。
そして私は彼らをこっそり観察することにした。
直接顔を合わせることはしなかった。前回の依頼からアキラもリンもやけにお節介を焼きたがる。気を使ってるのがバレバレだ。しかも邪兎屋まで巻き込んで。
特にコルンに全部話したと聞いたときは驚いた。彼女が泣き落としに来たときはもうタジタジである。気がついたときには『私、頑張って生きていきます!』と書かれた契約書にサインさせられていた。
いや……あのときは、感傷的になってて少し弱音を吐いただけだ。本気じゃない。少なくともホロウが消えるまで私は戦い続けるとも。そのときまでは。
そうこう考えていると、旧都の広場に着いた。
そして、見た。広場に置かれたモニュメントの中にいた、エーテリアスとも侵蝕体とも異なる怪物。それが『パエトーン』たちと戦闘になり、重機たちを取り込んだところを。
機械を取り込むエーテリアスだ。
この世の物全てはエーテルの侵蝕を受け、機械も例外ではなく。『知能』重機と言うぐらいなら、侵蝕の後エーテリアスになってもおかしくない。
だが……それぞれが異化したあとに合体するならともかく、あのエーテリアスが主体となって吸収される?あり得ない。あり得て良いはずがない。
なぜならそれが意味するのは、あのエーテリアスに機械を使いこなせる程度の知能があると言うこと……それは──人間と何が違うのだろうか?
私と、何が違うのだろうか?
「ん?」
『どうしたのお兄ちゃん』
「今……誰かに見られていたような……」
「おーい!プロキシさっさと帰るぞ!姉貴!プロトタイプは一先ずあとだ。今は一旦帰ろう。……姉貴?」
「君、ゲローイ君って言うんだね。今の戦闘すっごくカッコよかったよ!『白祇重工のモンは絶対負けない』って決め台詞、シビれたなぁ……あれ?喋らないのかい」
「いやそれあたし……」
機械が取り込まれたエーテリアスが『パエトーン』と仲間──社章から見るに、『白祇重工』の者たちによって倒された。
……終わったな、これ以上見るべきものはない。帰ろう。調べたいことが出来た。
だがその前に彼らの治療を試みる。曲がりなりにも、彼らのおかげで今日この場に立ち会えたのだ。それに……クセはあるが良いやつらだったしな。
エーテリアスに取り込まれただけで、倫理コアが無事なら再起動出来るだろう。多少の侵蝕は受けただろうが……私ならどうとでも出来るはず。
治療が終われば……『パエトーン』を通じて返却すれば良い。
それにしても機械との融合か……ありだな。帰ったら色々と試してみよう。旧防衛軍の軍用マシンのスクラップが倉庫に眠っていたはずだ。
【後日】
「ふ、ふふふふ……っ!」
『んな……(寝室からご主人様の楽しそうな笑い声が聞こえる……何をしているのでしょうか?)』
扉が開く。
『ご主人様?これは?』
「ば……っ!入る前にノックしろぉ!待て!あっあっあ、見るな見ないで……」
『このノート……技術的に不可能では?』
「くっ……シロ。この手の機械に造詣の深い人間とか知らない?」
『いや知りませんよ……』
「だよなぁ……」
「グレースさん、これある人からのお届け物なんだけど」
「これは──ッ!!!」
「うん、実はコレあの三台の論理コアなんだよ!出所は言えないけど、あのとき助けてくれた人がいたんだ」
「………………」
「グレースさん?」
「嘘……嘘ウソうそ──ッ!この論理コアに付いてるの……幻の対エーテル侵蝕用保護フィルターコーティングじゃないか!!!」
「「ん?」」
「『パエトーン』!こ、これどこで手に入れたの!?」
「落ち着いてグレースさん。悪いけどそれは言えない」
「そのなんとかコーティング……ってなに?」
「ご存知無い!?この対侵蝕コーティングを!?」
「これはあのスリーゲートすら再現不可能な薄さと!対象物を100%完璧に侵蝕から守る性能を備えた!夢の素材!この間のオークションだと数千万ディニーもした代物だよ!?」
「す、数千万……ッ!?」
「僕らの年収をゆうに越している……というかこの流れ前にも見たような」
「うっひょ~!前のオークションの時はベンに怒られて泣く泣く入札を諦めたんだけど、まさか手に入るとは!一体どんな風になってるんだろう!」
「うーん、我慢出来ない。よし──
「ちょ、グレースさんストーップ!お兄ちゃん、私が前から押さえるから後ろお願い!」
「それは貴方の子供たちです!グレースさん!」
「止めないで欲しい二人とも!私はやってやるんだ!離せ、HA☆NA☆SE!!!」
「おチビちゃん……最近復帰した知能重機ちゃんたちが私の事を無視するんだけど、反抗期かな?」
「おう当たり前だバカ。親に自分より他を優先されそうになるって地雷だからな。例え本気じゃなくても。あたしにとっても地雷だからな!」
「うっ、だって仕方ないじゃないか。あれは次いつお目にかかれるか分からないんだし……」
「サンプルが手に入るまで我慢しろ」
「はぁ……あ、ベン。タダで高純度のエーテル素材をくれる人、知らないかい?」
「もしそんな人がいたら、白祇重工はすぐにTOPS入り出来るな」
「だよねぇ……」
『知能重機たち』
原作だとフィギュア解禁と同時に復活が知らされます。拙作では早めに復活しました。
『TOPSとは』
財閥的ななにか。
【後書き】
にゃんきち長官が実は一人でしかも引退予定らしい。あの声好きだから辞めないでほしい……(切実)
良ければ感想評価お待ちしてます。