エーテル適性1億点TS転生オリ主   作:妄想壁の崩壊

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ホロウ-デイ-ライフ

 

 

 

 

 

「──……朝?」

 

布団の上で目が覚め、身体を起こす。未だぼんやりとした視界には既に見慣れた和室が目に入った。

 

にしても最悪の目覚めだ。背中は冷たい汗で湿っており暑苦しい。

 

久しぶりにあの時の──旧都陥落の時の夢を見た気がする。

 

思い出すのは恐怖、後悔、絶望。

 

今でも思うことがある──自分はあの場所で死んでいたのでは無いか。

 

湧き出てくる暗い感情を切り替えるために深く息を吸う。肺に満ちる冷たい空気に生きている実感がした。

 

旧都が陥落し、私はホロウの中で生き残った。

 

あの夢の続き──この災害の最中に判明した私の能力を使って、エーテリアスを退け輝夜家の家に帰った。

 

都市部にある本邸は、災害の間に無法者たちによって荒らされていた。

 

セキュリティシステムによって財産は無事だったが居住機能に問題があり、今はかつて訪れたことのある田舎村の祖父宅を拠点にしている。

 

振り返れば……これまでに多くの事を経験した。

 

強力なエーテリアスや侵蝕により暴走した機械、そしてホロウレイダーと争った事。

 

逃げ遅れた人たちを保護し、共にホロウから出ようとして能力の代償を知った事。

 

旧都に遺された調査協会の研究施設に侵入し、私の肉体について類似例が無いか調べた事。

 

新エリー都に居場所が無い人や、拾ったボンプを村に招き入れ保護した事。

 

失った物は多かったが、この数年で得た物もあった。何より、私の命はまだ消えていない。まだ、ホロウと闘うことが出来る。

 

私はまだ──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うとうとと微睡みながら回想していると障子が開き、廊下から白いボンプが現れた。色が違えば一見高級層向け給仕用ボンプ、執事タイプのボンプに見えるが丸メガネとチェック柄のジャケットを羽織っており、何よりベースカラーが異なる事から別タイプのボンプだと分かる。

 

「ンナンナ!ンナナ!」

 

「『シロ』、寝起きだから少し待ってくれ、今インカムを付けるから……」

 

ボンプの言葉は基本、翻訳機を使わなければ分からない。

 

寝ぼけた目で枕元を探り手帳──昨夜記録の為に使ったもの──の隣に置いてあったインカムを取り付ければ、今度ははっきりと言葉の意味が伝わってきた。

 

『おはようございます、ご主人様!朝食のご用意が出来ました!』

 

シロは数年前、私が助けたボンプだ。ホロウから逃げ遅れ、論理コアをエーテルに侵蝕されかけていた所を拾った。今では治療と修理を受けた恩と言って、私の世話係をしてくれている。最大の特徴は朝から元気に溢れていること。

 

「朝食にしようか、先に待っていてくれ」

 

『かしこまりました!』

 

敷かれていた布団を押入れに畳んでしまい込み、家族の写真が並んだ仏壇に手を合わせる。

 

写真の中にはあの日の小さい私と幸せそうな家族の笑顔があった。

 

今日も一日が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本日のご予定はどのようになさいますか?』

 

食卓に乗せられた朝食を食べていると、机の向こうで自家製のボンプ用濃縮エーテルドリンク(キャロット風味)を飲んでいたシロが声をかけてきた。

 

「ん……今日はボンプ商人のところに行って買い物してくる。何か必要なものはあるか?」

 

『それでしたら必要な物はメモしてお渡ししてもよろしいですか?』

 

「構わない」

 

ごちそうさまでした、と空になった皿をまとめて手を合わせ食事を終える。

 

……シロがメモを書き終える前に、外出の準備を整えるとしよう。

 

更衣室に移動し、部屋着を脱いで装備のインナーを着る。

 

「──……痛ッ」

 

右手で『左腕』を取り外し(・・・・)、左腕のあった場所に機械義手を取り付け、そして『左腕だったモノ』を腰に差す。刀──輝夜家家宝の刀を模して私の左腕を変異させた武器だ。モデルとなった刀を『頸断(くびだち)』と呼ぶので、『骸断(むくろだち)』と呼んでいる。

 

私の肉体はエーテリアスの様に変異し形状を変えることが出来る。それを武器として振るえば、敵に対してより強い効果を発揮する。

 

……はじめからこんなイカれたやり方をしていた訳では無い。腕を切り落とされて死にかけた時に武器がなくて、偶々そうしただけだ。それ以来、左腕のままより単純に戦闘力が上がるので活用している。

 

──何より私に手段を選ぶ権利など……。

 

そのままブーツを履き、右足の太腿にホルダーを付け、祖父の形見の回転式拳銃を納めた。この銃の弾丸も私の血液を触媒に利用しエーテル侵蝕効果を付与している。

 

それから必要な物資を入れたポーチをベルトに下げ、最後に髪を簪でまとめる。

 

椿の飾りの簪だ。私の産まれる前に亡くなった祖母の形見。祖父が大切にしていて、昔私に譲ってくれた。祖母は強く美しくを体現したかのような女性だった……らしい。この簪をつければ私もそう振る舞える気がする。大事な物なので本当はしまっておくべきなんだろうがな。

 

姿見で確認すれば一端のホロウレイダーの姿になっていて、フードとマスクの隙間から端正な顔立ちが見える。

 

生を受けて十数年、私は美しく育った。佇まいは凛としていて、しかし未だあどけなさも感じる表情。髪、肌、スタイル、諸々がお嬢様生活で染み付いた習慣の賜物だ。

 

それに装備のデザインも良い。もともと不格好にも間に合わせで継ぎ接ぎの装備を着ていたが、シロが私に似合う装備を整えてくれたのだ。正直、見ているだけで心の中の前世(少年心)が踊る。

 

──チェストベルトで成長した胸が誇張されていたり、片足絶対領域ガンホルダー巻いていたり、ちょっとデザインが前衛的な気もするが、一応実用性から来るもの……のはずだ。

 

いや、やっぱり妖艶(えっち)過ぎないか?

 

今生の私は、比較的厳格な家庭で育ったのでこう言う格好に抵抗がある。でも心の中の前世はこう言うのが好き。何と言うディレンマなんだ……。

 

もじもじしていると、扉がノックされた。

 

『お待たせいたしました……どうかなさったのですか?そんなに姿見を見つめて』

 

「……何でもない、というか返事するまで開けるな」

 

くだらない事を考えていたらシロが来てしまった。恥ずかしいからメモを貰って早く行こう。

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

『よくお似合いですよ!』

 

「恥ずかしいからやめて……」

 

 

 

 

 

浮遊型エーテリアスのようにエーテルで力場を生成し空を飛ぶ。

 

眼下に広がるは捨てられた街。荒廃しひび割れた建物とエーテル結晶、そして人ならざるものだけの街だ。

 

旧都六分街。ボンプ商人との待ち合わせ場所。私が幼い頃を過ごしたホームタウン。

 

輝夜家の本邸は高級住宅街の中にあるが、私は此処にある別邸の方が好きだった。街の人達とも仲良くさせてもらっていたしな。

 

このあたりは私が毎日のようにエーテリアス狩りをしていて、既にもぬけの殻だ。ホロウレイダーや調査員が来ることも滅多に無い。たまに裂け目が発生して落ちてくる位だ。

 

──しかし、普段と異なり喧騒が聞こえた。

 

屋根に降り、声の元を探れば路地に三人の男がいる。服装からして二人はギャング。一人は……一般人に見えるが、まさかホロウレイダーか?零号ホロウでそれは死にに来てるようなものだぞ?

 

対侵蝕装備も着ていない男がギャングに追い詰められている。耳をすまして少し様子を見る。

 

「誰かー!助けてくれー!調査員さーん──!!」

 

「バカが、こんなところに調査員なんている訳がねぇだろうがよ」

 

「そんな軽装で零号ホロウに来るなんてとんだ間抜けもいたもんだぜ」

 

大変共感できる。

 

「し、仕方ないだろ!共生ホロウで迷って気がついたらここにいたんだよ!」

 

「良いからさっさと持ち物全部よこせ、それともエーテリアスの餌になりてぇのか?あぁ?」

 

「持ち物全部差し出したら結局侵蝕で死ぬだろ!?」

 

「痛い目あって今死ぬか、後で死ぬか。選ばせてやってんのが分かんねぇようだな!」

 

「ひっ……!」

 

ギャングがショットガンを男に向ける。……別に助けても私にメリットは無い。損得で言えば放って置いても良いが──これでもエリー都を支えた一族の末端なんでな。

 

「止まれ、その男に手を出すなら殺す」

 

ギャングと男の間に割り込むように屋根から降りる。

 

「なんだぁ?てめぇ、俺たちが山獅子組と知って言ってんだろうな?」

 

「こんなところに女がいるなんてな、拠点の奴らの良い土産になるんじゃねぇか?」

 

「あなたは……?」

 

山獅子組……確か零号ホロウの中に拠点を持つギャングか。

 

「零号ホロウを根城にしている阿呆共か……山猫組だか馬鹿(うましか)組だか知らないが失せろ。ここは私のテリトリーだ」

 

「あぁん?喧嘩売ってんのかこいつ!ただで済むと思う──ぬわぁぁぁぁっ!?」

 

「ブッ殺──すぅぅぅぅぅっ!?」

 

「そうか、会えて良かった。お前たちのボスに会えたら宜しく言ってくれ──ボッシュートだ」

 

怒りを露わにし武器を構えたところで足元に裂け目を作り、二人を飛ばす。行き先はどこかの共生ホロウだ。ちなみに治安局員がよく巡回している場所。運が良ければ、お前たちのボスの所に帰れるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、助けてくれてありがとうございます!」

 

立ち去ろうとしたところで声をかけられる。

 

「……侵入者(ホロウレイダー)、ここは捨てられた街だ、余所者は不要、さっさと出て行け」

 

「じ、実はキャロットが無くて、本当に申し訳ないんだけど出口を教えてくれないかな!?払えるものは払いますんで!」

 

「はぁ……金なんていらん。そこの路地の裂け目を抜ければ零号ホロウを抜けて新エリー都近くの共生ホロウに出る。そこなら他のホロウレイダーやボンプ商人も大勢いるはずだ。」

 

「あぁ、助かった!本当にありがとう!」

 

男の背中が路地に消えると、()()()()()()()()()を消す。

 

「それで?隠れてないでさっさと出て来たらどうだ?」

 

『相変わらずお優しいことですなぁ旦那』

 

声を掛ければゴミ箱からボンプが姿を現した。居るのは分かっていたが、そこか……汚いだろう。

 

「やかましい。なんでわざわざそんなところに?」

 

『あっしの目はすべてを見逃さないのが自慢なんでね、ちょうど良い覗き場所があったもんだから』

 

端からみればンナンナと可愛く鳴いている商人ボンプ。こいつも昔私が助けたボンプのうちの一匹。口調が商人(しょうにん)というより商人(あきんど)な変わり者。守銭奴でケチだが仕入れ上手。私は気に入っている。

 

「いつもの物を買いに来た」

 

『あいよ、用意してますぜ』

 

ギアコインを支払い、商人が背負っている体より数倍大きなバックパックから食品や日用品を受け取る。

 

裂け目を自宅の蔵に繋げ、受け取ったものをそのまま放り込んだ。

 

『それで……いつもの品はありやすかね?』

 

「まぁ、あるが。少し待て」

 

開いたままの裂け目から、私が作った自家製のエーテル結晶やエーテル燃料を取り出す。他とは違い、透き通ったソレはもはや結晶では無く水晶とも言える物だ。

 

にしても、相変わらず仕組みはわからないがホロウの裂け目は便利だな。自宅からここに来るのにも使った。

 

空を飛んでいたのは、いつも何処に居るか分からないこいつを探していただけ。毎回うまく隠れるんだよな、コイツ。全身金色に色塗ってくれないかな?

 

すべて出し終えたら、取り出した品を買い取ってもらう。支払いはディニーが半分、ギアコインが半分だ。

 

商人(あきんど)ボンプは受け取ったものをバックパックの空いた所に詰め込み、『よしよし』とホクホク顔で頷いた。

 

「いつも思うんだが……売れてるのか、それ?」

 

『あったりめぇよ!純度ほぼ100%のエーテル結晶──いやエーテル水晶なんてあんたが持ってくる奴以外見たことない。見た目も美しいし、何より安定していて加工がしやすい、裏表問わず引っ張りだこよ』

 

「出所を探られたりは?」

 

『もちろんこっちも飯の種さ。仕入先を言ったりしねぇ』

『それにこのエーテル燃料も燃費が良くて味が良い。そしてグラスに注げば見た目も良い。ボンプ、機械人界隈の高級酒でさぁ。ボトルに詰めれば飛ぶように売れますぜ。すぐに品切れになっちまう』

 

「──つまり、もっと作れと?」

 

『いや、まぁ多いほうが嬉しいですがね、少なくてもプレミアが付くんで問題無ぇです』

 

ちなみにこのエーテル燃料にわざわざ風味を付ける為だけに、私の名義で農場を運営している。こいつは出資者の一人、というか発案者だ。金より食い意地が原動力だと思う。

 

「そうか……それなら、私の方はもう用は無い。また次の月の同じ頃に──」

 

『ああ、待ってください旦那。頼まれてたエーテリアスの情報、持ってきやしたぜ』

 

帰ろうとすると呼び止められる。強力なエーテリアスの情報、私が以前から頼んでいたものだ。倒し、調伏する事での戦力上昇が目的……だけではない。それは副次的なもので、何よりも私の悲願の為。

 

零号ホロウ内の全てのエーテリアスを殲滅すれば、土を失った植物のように、苗床を失った雑菌のようにホロウは消滅する、はず……。その為に、まずは大物から優先して消して行く。

 

「聞こう」

 

『ま、なんでもまだ分類も決まってない発見されたばかりの馬鹿でけぇエーテリアスでさぁ。姿はさながら女王蜂、珍しく配下を従え群生するタイプ。調査協会も今必死で調べてるところで……ついたネームは──ニネヴェ』

 

「女王蜂……ね、なるほど、情報感謝する」

 

『討伐に行く気ですかい?あっしは辞めといたほうが良いと思いますがねぇ。せめてもっと調査が進行して、調査協会のほとぼりが冷めるか、いっそ任せた方が……』

 

「調査協会に討伐されるまで待てと?奴らはホロウをまるで資源の宝庫か何かと思っているような連中だぞ?零号ホロウ存続を脅かすような事をするとは思えんし、出来るとも思えん」

 

『偏見がひでぇなぁ……相変わらず、生き急いでいるようだ。対ホロウ行動部が動いてるとか聞きましたんで、ま、せいぜいお気をつけなさんな』

 

「分かった」

 

対ホロウ行動部……六課か。もしかしたら会うことがあるかもな。かの最年少の虚狩り──星見雅。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

山獅子組は成立した当初から急速に成長し、裏社会で頭角を表している組の一つだ。

 

それは組のリーダーの無類の武力と狡猾さによるもの……だけではない。

 

その秘訣は決して暴かれる事の無いアジト、拠点を零号ホロウの中に置くという奇策によって齎されている。

 

そんな組の棟梁、レイザーは己と掟を重んじる男だ。

 

──だが、それを軽んじた者がいる。己の命令を果たせなかった者が。

 

「それで、もう一度言ってみろ」

 

「ボ、ボス!俺たちは女に嵌められたんです!」

 

「そうですボス!」

 

目の前で零号ホロウの探索に向かわせた役立たずが二人が土下座する。

 

零号ホロウの情報は、組の最重要事項とも言って良い。山獅子組の地位は零号ホロウに出現するエーテリアス、安全なルート、裂け目の位置、結晶の効率的な採掘場等の情報を握ることで成立しているのだから。

 

「貴様らは女一人にビビって逃げ出してきたと?」

 

「いや、まさか!逃げ出してきた訳じゃなく飛ばされたんです、俺ら!」

 

「あいつが、どうやったか知らねぇけど俺らの足元にホロウの裂け目を作って、治安局が巡回してるホロウまで飛ばしやがったんです!お陰で帰ってくるのにだいぶ遠回りしました……」

 

「出鱈目言ってんじゃねぇぞアホどもが!」

 

「まぁ待て、気になる事がある」

 

側にいた親衛隊の一人が怒鳴るが、それを抑えた。

 

「お前たちは聞いたことがあるか?『ホロウの女王(妖姫あるいはQueen)』について」

 

「レイザー様?そいつは一体何です?」

 

「曰く、ホロウの中で裂け目を自由に作り出し神出鬼没。エーテリアスを自らの意思で従える事ができる。主に零号ホロウに現れる外套に身を隠した女……」

「俺様が思うに、お前たちの会った奴はこの『ホロウの女王』だと思うが、どうだ?」

 

頭を上げた二人は顔を合わせて頷いた。

 

「あーー……と、多分そうだと思います。そいつはフード被ってたんで見た目が一致してますし……」

 

「あそこ、奇妙なくらい何もいなかったんすよ。エーテリアスがゼロ、なんてこと普通じゃあり得ないっす」

 

「いや待ってくれ、流石に都市伝説だろう?エーテリアスを従えるなんて、調査協会の奴らでも出来っこない」

 

「外套を被ってる女なんてホロウの中じゃ腐る程いるじゃねぇか。てめぇらの勘違いなんじゃねぇのか?」

 

部下達は信じていないようだ。無理もない。俺様も、実際に見たことが無ければ(・・・・・・・・・・・・)信じなかっただろう。山獅子組のねぐらが出来て間もない頃、零号ホロウの中でエーテリアスを従えている人間を目撃していなければな。

 

「クックック………ハーッハッハッハ──!!!」

 

「ボ、ボス?」

 

「聞け!山獅子の兄弟達よ、お前たちの疑問も理解できる。『本当にそいつは存在するのか』という疑問がな」

「答えは簡単だ──存在する!俺様がその証人だ」

 

「お、おぉぉ──!」

 

「さすがボス!そんなことまで知ってるなんて……」

 

「だが、あえて宣言しよう。ホロウに女王などいないと!何故なら俺様がその女を降し、ホロウの帝王となるからだ!!奴の力の秘密を暴き、奪えば山獅子は無敵だ──!!」

 

「──その通りだボス!!」

 

「先に手を出してきたのはあっちだ!けじめを付けてやりましょう!」

 

レイザーの台詞を聞いて子分たちは一斉に拳を上げて奮い立った。

 

「「「うぉ──ッ!!山獅子ッ!!山獅子ッ!!山獅子──ッ!!」」」

 

「組を引き連れて行く、お前たち二人は案内しろ」

 

「「合点ですレイザー様ァ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホロウの……女王?」

 

「そうっすジェーンの姉貴!そいつは組の仇敵なんで見つけ次第即ぶっ殺しちゃってくだせぇ!デッドアンドデッドっす!」

 

「それどっちも死んでるわよ……じゃなくて、『ホロウの女王』って所謂都市伝説の類いでしょ?」

 

「いやいや!実在しますって!姉貴の入ってくる前なんすけど、そいつは、『ホロウの女王』は俺たち山獅子組構成員の半分もやりやがったんすよ!……下っ端の」

 

「構成員半分も……?下っ端のとは言え、アタイが来る前から山獅子組ってそれなりに構成員も大勢いて、実力も確かのはずよね?(どうりで楽に潜入出来たわけだわ……)」

 

「奴は噂通りの能力を持ってたってことっすよ。ま、そう言うわけなので、とにかく見つけ次第始末でお願いしまっす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ホロウの女王』……不確定要素があると作戦に支障が出るかもしれないし、調べる必要があるわね」

 

 

 

 

 

 




【後書き】
書くのに10時間くらいかかってる。もっと早く書けるようになりたい……。

以下キーワードと一部某死にゲー風テキスト。

良ければ評価と感想ください。くれたら頑張れる。

『村』
アリスが拠点にしている村。名をさかえ村と言う。この村はアリスによって、ホロウの中にありながらエーテルの影響を受けることのないセーフゾーンとなっている。さながら液体の中にある気泡のような空間。

『装備』
フード付き外套→顔を隠すため
マスク→呼吸器でのエーテル供給
チェストベルト→外套の固定、あと胸が揺れないように(重要)
義手→暗器入れ放題
ホットパンツ→動きやすい
片足絶対領域ガンホルダー→とにかく合理的デザインなんです!
ブーツ→足の保護

性癖とは機能性と合理性の向こう側に見える景色のことだ。

『骸断』
輝夜有栖の左腕が変質し刀となった物。

その刀身は水晶のように透き通るも鋼以上の硬度を保ち、妖しくエーテルを帯びている。

骸断の名の通り人の成れ果てを斬ることを目的に作られた。純粋な刀としての切れ味はもちろんの事、斬られればその帯びたエーテルに蝕まれる。

『祖父の形見の拳銃』
祖父が残した回転式拳銃。

祖父が軍に入隊した際に送られた一点物の品であり、あの場所で祖父の遺したただ一つの品である。

送り主からは長ったらしい名前が付けられていたが、祖父は一言この銃を『春銀』と呼んだ。

『祖父』
銃の送り主はやたら古風な言い回しをする上司。長すぎる名前を聞いて呆れた。「銀色だし、もらったのは春だし、春と銀……でいいか」

『椿の簪』
誇り──椿の花言葉の一つ。送られた簪は、男の誓いの現れである。

『エーテル水晶』
自然生成ではめったに生まれない、内部が透けて見えるエーテル結晶。捏造です。

『山獅子組』
レイザー様のキャラ、これで合ってるだろうか……。ちなみに主人公によって撃退されました。「使役系能力持ちなら能力者本人を直接攻撃すれば勝てると思ったか?御生憎様、私は軍人家系出身だ」

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