短いよ。求感想評価。
「おねーちゃーん、おれもうつーかーれたー……」
夕暮れ時、道を進んでいると手を繋いで歩いていた弟がぐずる様に地面にしゃがんだ。
「あとちょっとでスーパー着くから頑張ろ?お店の中なら涼しいって」
「やっぱりおれ帰りたーい。お姉ちゃん一人でお使い行ってきて」
私たち姉弟は両親にお使いを頼まれ、スーパーに行く途中だ。家からスーパーまでそう遠くないのに、弟はもう限界らしい。──前世の私も子どもの頃、どれだけ近いところに行くにも歩くのが嫌だったな。わかるよ。
「駄目だよ。お父様も何時も言ってるだろう?与えられた任務をキチンとやらなきゃ、立派な軍人になれないって」
「おれ軍人じゃなくて治安官になるもん」
私の家は軍人家系。祖父は元将官で、父もまた防衛軍に入隊した。
もっとも、祖父と異なり父は戦闘は全然駄目で、至って普通の凡人的な能力しか持ち合わせておらず、周りからボンボンの二世と揶揄されている。別に、事務仕事で活躍出来てるし……。
それでも父は軍人としての矜持を持っていて、ルールとか法律には厳しい。理不尽なルールを課してくる訳では無く、単に夜は早く寝なさいだとか、嘘をついてはいけないとか、よく子供に言い聞かせる事ばかりであるけど。
「お腹空いたー……そうだ!らーめん屋行かない?この前街に屋台が来てたじゃん!」
「だーめ。大体お金無いでしょ」
「貰ったお金あるじゃん、ちょっとくらい使ってもバレないよ」
「駄目でーす。これはスーパーで食材買うためのお金でーす」
「けちんぼ!お姉ちゃんママみたいだよ……」
「褒め言葉だね」
言い合いに敗北した弟は抵抗を諦めついてくるようだ。私に勝とうなんて人生一生分足りない。
「じゃあ今度らーめん屋行こう?約束ね!」
「はいはい、今度ね」
街に来てたラーメン屋の屋台か……確か店主は天狗みたいなシリオンだった。子ども用メニューは有るかな?この体は胃の容量が少なくて困る。
そう時間を待たずにスーパーに着き、私たちは買い物を終えた。
「いっぱい買ったねー、半分持ってあげよっか?」
「明日お祖父様が来るからね、夕飯はきっと豪華だよ。じゃ、こっち持って」
「うん、あれ?おれの買ったお菓子は?」
「……さてはその為に持ったな?残念お前のお菓子は私の方の袋の中。夕飯までお預けです」
「はぁー!?じゃあ荷物持たないし!返す!!」
弟は握っていた手を離し、空いた私の手に荷物を無理矢理握らせた。
「あ、おいこら!押し付けて逃げるなぁ!くっ、私も押し付けてやる!」
「バーリア!」
同じように袋の片方を握らせようとすると、弟は両手を上げて受取拒否の意を示す。
「このー!待て!生意気な!そんなんじゃお前が治安官になっても、一生にゃんきち長官係だぞ!」
「はぁー?にゃんきち長官馬鹿にすんなし!一人でエーテリアスと戦えるエリートなんだぞ!」
なにそれ知らない!後でお母様に確かめてみよう。嘘なら蹴るからな。
「ならお前は一人で荷物くらい持て!」
「『俺は常に誰かの想いを腕に抱いているのさ、空きなんて無いね』」
「それこの間のドラマの台詞!名台詞を汚すなアホ──ッ!」
──その後弟を追いかけ回していて、結局私たちが家に着いたのは日が暮れてからだった。
「お姉ちゃん」
「ぜぇ……はぁ……なに?」
「──らーめん、約束だからね!」
「……はいはい」
明日も、こんな日になれば良いな
「「ただいまー」」
扉が開く。
光はより強く明るく、影はより深く暗く
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