白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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九十九話

 

 ベルは『ポイズン・ウェルミス』の猛毒に苦しむ【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】の団員を18階層にて看病したり、19階層から24階層の『大樹の迷宮』で魔石とドロップアイテムの収穫に食糧となる木の実や茸などの採取をしにいったり、更には『ゴライアス』の討伐をするなど色々と尽力をしていた。

 

 そうした事もあって、気分転換に景色の良い18階層の森林地帯を一人、散歩しているとリューに出会い、彼女が作った墓場に行った。

 

 それは今は亡き、【アストレア・ファミリア】の団長や団員達の墓場であり、アストレアに世話になった者としてリューと一緒に墓参りをした。

 

 こうして、ベルはリューと別れて皆のいる野営地に向かっていたのだが……。

 

「ん、あれは……」

 

 ベルの超視力が森林の隙間を縫うように動く者達の姿を捉えた。それぞれ、ローブに身を包んで姿を隠しているが、ベルには見覚えがあった。

 

 24階層の食糧庫で暗躍していた『闇派閥』の残党だ。ベルはその姿を追いつつ……。

 

 

「ふっ!!」

 

 弓を構えて複数の矢を番えると弦を引き絞り、超速連射をする。

 

『がっ!?』

 

 そうして、闇派閥の残党の足を射抜く事で地に倒す。

 

  ベルは呻いている闇派閥の残党へと近づいていく。

 

 

 

「き、貴様……」

 

「すみませんが、話を聞かせてもらいますよ……っ!?」

 

 ベルは尋問、場合によれば拷問してこの階層で何をしようとしていたの聞き出そうとしたが殺気を感じたかと思えば、複数の炎弾が闇派閥の残党へと飛来し……。

 

 そうして、大爆発が複数回発生した。

 

「闇派閥ノ残リ滓モ役ニ立ッタカ」

 

 少し離れた場所で紫紺のローブに身を包み、奇妙な文様のある仮面をした者、そう53階層でベル達を襲撃した怪人が手に魔剣を持った状態で呟くと姿を消す。

 

「危なかったなぁ……」

 

 煙が晴れるとベルはそう呟く。彼は危機が迫ったと同時に【ムーン・サイト】を使い、無理やり炎による大爆発の間隙を見抜いてみせるとそこへと滑り込みそうして伏せる事でやりすごしたのだ。

 

「これは何だろう。あの大爆発で壊れないって事は相当、大事なものなんだろうけど」

 

 魔法で強化された視力で赤い球体で眼球のようなものが埋め込まれており、表面に『Ⅾ』という形の記号が刻まれた物を見つけたので拾い上げ、フィンに報告しようと思った。

 

 

 

「ん、モンスターが埋まっている」

 

 更に周囲を探れば地中に不自然な空間が設けられていて、モンスターが潜んでいるのを見つけたのでベルは体力と精神力を込めた矢を放つ事で地面を射抜きながら、モンスターを魔石ごと射抜くのであった。

 

『ベル、大丈夫!?』

 

 野営地に戻っていると大爆発があった事で心配したアイズにティオナが駆けつけてきた。

 

 

 

 そうして闇派閥に怪人の事を報告すると……。

 

『絶対、許さない』

 

 アイズとティオナは闇派閥の残党に怪人に対し、激しく怒る。

 

 

 

「ともかく、大丈夫で良かった」

 

「ベルなら大概の事は切り抜けられるとは思っているけど、あれだけの大爆発だったからね」

 

「心配かけてごめんなさい」

 

『謝らなくて良いよ』

 

 ベルはアイズとティオナに抱き締められ、頭を撫でられるなどして甘やかされ、可愛がられては愛されていくのであった……。

 

 

 

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