百十一話
【ヘスティア・ファミリア】は【アルテミス・ファミリア】に【ヘルメス・ファミリア】にヘルメスの派閥に助っ人を頼まれたリューと協力して『エルソスの遺跡』による封印から復活し、暴れようとしていたアンタレスを討伐した。
そうして『エルソスの遺跡』からベル達はオラリオに帰還したのだ。更に【アルテミス・ファミリア】は生活物資や武具などの補充も兼ねて少しの間、オラリオに滞在する事を決めた。
ベルにとっては本当に嬉しい事である。更に今日はオラリオにおいては祭日でもあった。
『神月祭』――月を神に見立てて、モンスターの魔の手から無事を祈るという祭り。
この祭日の日は月を事物で司っている神が特に注目を受ける。そう、アルテミスもだ。
そもそも、アルテミスがベルにアンタレス討伐の協力を要請したのは『神月祭』をなんの問題も無く、楽しもうというためでもあったのだ。
「そんな日があったんですね……じゃあ、一緒に楽しみましょうアルテミス様」
「勿論だ、オリオン」
『神月祭』の事を聞いたベルはアルテミスに笑顔で言い、アルテミスも笑顔で答えた。
それはそれとして、【ヘスティア・ファミリア】に【アルテミス・ファミリア】と【ヘルメス・ファミリア】はアンタレスを討伐できたことを祝う宴をする事にした。
その場所は勿論、『豊穣の女主人』だ。
なので『豊穣の女主人』に予約をしにいけば……。
「リューから聞きましたよ。とても強いモンスターを倒したそうですね。ありがとうございます、そしてお疲れ様でした」
「ふひゅうっ、あや……ふ、んんぅ……」
シルが出てきて予約を受けつつ、ベルの事を労う言葉をかけながら頭を撫でていった。
「ふふ、今回はいっぱいお客さんを連れて来てくれるなんてね。ありがとう」
「ぼ、僕が連れてきたわけじゃないですけどぉ……ひゃ、んく、ひゃう」
次にルノアが大勢での予約をした事に礼を言いながら頭を撫でたり、顔を弄ったりする。
「今日もベルは可愛いニャ」
「ふふ、ともかくミャー達の店を利用してくれてありがとうニャ」
「あう、くふ、ん……ひゅうう……」
クロエとアーニャもベルの耳を舐めたり、息を吹きかけたりして蕩かせつつ、可愛がっていった。
ともかく、こうしてベルは『豊穣の女主人』での予約を終え……夜になって『神月祭』は開催される。
今日の夜空は雲一つなく、満月と星々が綺麗に輝いていた。
『乾杯!!』
まず、ベル達は『豊穣の女主人』で宴をする。
そして、宴が終わるとそれぞれで『神月祭』による祝い場に向かう。
今回、ベルはアルテミスと二人で楽しむ事を許された。
「アルテミス様、僕は貴女に出会えて本当に良かったです」
「私もだ、ベル……お前に出会えて良かった」
ベルとアルテミスは満月が輝く夜空を共に見上げ、そして互いを見つめ合いながら互いに言葉をかけていくのであった……。