ベル・クラネルは【ヘスティア・ファミリア】と【アルテミス・ファミリア】と共にアンタレスとの戦いの疲れを癒す日々をオラリオで送っていた。
夜にはヘスティアにリリルカと自派閥の交流として食事をしたりなどオラリオ内を回っていたのだが、その時に血相を変えて走る【ロキ・ファミリア】のラウル達、数人の男性陣を見かけたので話を聞くとオラリオの南西に位置し、都市から三Kの距離にあってオラリオの海の玄関口とも呼ばれる港町のメレンで【ロキ・ファミリア】の女性陣とロキが他派閥と争っているという。
「そういう事なら僕も協力したいです。ただ、弓と矢は貸してほしいですけど……」
今、自分の正式な武装の弓に矢筒、片手剣などはヴェルフの工房に整備を頼んでいるので預けており、一応の代用品として片手剣だけ帯剣している。
「あー……団長に聞いてからって事で良いっすか?」
「勿論です」
ラウルに言ってみるとベルの目の便利さなどを考えた上でフィンに指示を仰ぐ事を決める。
「ヘスティア様、リリ……ちょっと行ってきます。もしかすれば、断られるかもしれませんけど」
「ふふ、本当ロキに対して借りを作る機会が多いな。ベル君は……優しいのがベルくんの一番、良い所だしね。行ってきな」
「お気をつけて……ベル様」
ヘスティアとリリルカは苦笑を浮かべながらベルを見送った。
こうして集合場所となっていたオラリオ南西部の市壁にラウル達と向かい、ラウルがフィンに言えば……。
「そういう事ならよろしく頼むよ……それにしてもベルには助けられる機会が多いなぁ」
「別に気にしなくて良いですよ。人は助け合いなんですから」
「本当、純粋だね君は……」
フィンから許可を貰い、ラウルが使っている弓に矢束を入れた矢筒を借りる。
こうして、フィン達と共にメレンへと行き……。
「ふっ!!」
魔法を使い、【スキル】との兼ね合いで視力を超強化しながら激闘が起こっているメレンの街、一つの建物の屋根の上から見下ろしつつ、アイズと戦っている全身型鎧に身を包み、二つの大戦斧を得物とする者に集中して狙う事で見抜いた間隙、更に鎧の僅かな隙間に矢を放つ。
「ぐげえっ!!」
アイズに敵対している者はベルの矢を受け、姿勢を崩した。それによって代剣を使っているアイズは攻め込み、大きく吹っ飛ばす。
「(ベル、来てくれたんだ)」
ベルの弓の技術を知っているからこそ、彼が援護したのだと察する。
その間にベルは周囲の建物の影や屋根にいるアマゾネス達、【ロキ・ファミリア】と対立している派閥の一つ、【イシュタル・ファミリア】の団員達の肩や足を射抜いていく。
「くっ、あそこだっ!!」
とある狐人の傍にいるアマゾネスの女性がベルに肩を射抜かれながらも発見し、指示をする。
「がるああっ!!」
そうして、アイズと戦っていた者が立ち上がった事でベートが襲い掛かって蹴り飛ばす。
こうして、ベルはこの場から撤退しレフィーヤが捕らえられていて、ヒリュテ姉妹が前にいた派閥、【カーリー・ファミリア】の者とティオナが戦っているという
「……鮮やかに移動してくれやがって」
狐人を守る役目を担い、【イシュタル・ファミリア】のアマゾネス達を纏めている姉貴分的存在の女性はベルの姿にアマゾネス的本能で自分の雄として定めたのであった……。