【ミアハ・ファミリア】が体力と精神力を回復出来る効果を有する『二属性回復薬』の開発のための素材採取をベルは自分の主神であるヘスティアと【ファミリア】こそ別だが、サポーターであるリリルカと共に手伝った。
その日から二日後、ベルはヴェルフから長弓に片手剣の武具、軽装鎧にブーツなどを鍛造したので装備してくれと言われていたので彼の工房へと行ったのだが……。
「おお、お主がヴェル吉と鍛冶契約をしたという冒険者だな。手前は椿という……ヴェル吉……ヴェルフの団長だ」
ヴェルフの工房の前に黒髪を後ろで結い、褐色の肌、秀麗な顔立ちで眼は赤いが、左眼には眼帯をしていて、百七十Cの長身、スタイルも抜群な女性が自己紹介をする。
椿・コルブランド――ヴェルフが所属する【ヘファイストス・ファミリア】の団長にして鍛冶師としてはオラリオ内で最高峰の腕を有するハーフドワーフである。
彼女は冒険者としてもLV.5という第一級冒険者の域にある実力者だ。そうなったのは自分の武器をダンジョンで試していたからであったりする。
鬼才の持ち主なのだ。
「そうですか、初めまして……僕は【ヘスティア・ファミリア】の団長のベル・クラネルといいます。おっしゃるようにヴェルフとは鍛冶契約を結ばせてもらっています」
ベルは椿に自己紹介をしつつ、ゴーグルを外しながら頭を下げた。
「ほぉ、兎のように可愛らしいなぁベル坊は……抱き締めて良いか?」
「っはぅ……答える前に抱き締めてるんですけどぉ!!」
椿はベルに話しかけると同時に彼の答えも聞かずに思いっきり抱き締めた。
そうして、ベルは彼女の豊満な胸に包まれてしまう。
「ふふふ、どうしても抱き締めたくてな。それにそっちも喜んでいるではないか。ほれほれ」
「あ、あうぅ……」
「ふふ、こうも喜ぶとは……これまでにも何人もの女性に可愛がられておるな?」
「っ、は、はい……」
「素直で偉いな」
髪を撫でたり、首元を擽ったりといった事を椿はベルにしていき、それにまんざらでもないどころか蕩けていくベルの様子に満足していく。
「いや、人の工房の前で何やってんだよ、椿」
そうして、工房からヴェルフが椿へと声をかけた。
彼女がヴェルフの工房に来たのは今まで誰一人、客がいなかったのに鍛冶契約を結んだ者が現れたという話を主神から聞き、興味を惹かれたからなのだった。
「ちょうど、体を動かしたかったところでな。手前もダンジョンに行くぞ」
ベルを気に入った椿はこの後、ダンジョンに行くというヴェルフの言葉にそう返し、ベル達の一党に加わる事になったのだった。
一旦、工房で別れてベルは回復薬を調達するために『青の薬舗』へと行き……。
「ベルの協力のお陰で作れた『二属性回復薬』は良く売れているし、客足も増えたよ、本当にありがとう」
「ど、どういたしまして……うぅ」
ナァーザが今日もベルを抱き締めつつ、たっぷりと愛でて彼を蕩かしていく。
そして、高等回復薬や高等精神力回復薬を買うため、【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院へと行けば……。
「ベルさん、ミアハ様達はどうやって、『二属性回復薬』を作ったのですか……教えてください」
「駄目、駄目です……それを言ったらミアハ様達を困らせちゃうし、裏切る事になります。そうしないためにアミッドさん達の所に行くのを止めなきゃなりませんし、交流も止めなくちゃいけません。だから、聞かないでください」
「そうですね……ごめんなさい、ベルさんとはこれからも仲良くいたいですからもう聞きません」
「分かっていただけて良かったです」
アミッドがベルを愛でながら、二属性回復薬の製法について聞いてきたがベルは断固として拒否し注意すればアミッドは謝りつつ、更に愛で始め、ベルは理解してもらえたことを感謝しながら受け入れたのであった。
そうして、今日もベルはリリルカにヴェルフ、【タケミカヅチ・ファミリア】の桜花に命、千草達六名、ローリエとルルネ、ヘイズ、そして今日、加わった【ヘファイストス・ファミリア】の椿と共にダンジョン探索を始め……。
『ヴオオオオッ!!』
「ちくしょう、よりにもよってミノタウロスの大量発生かよっ!?」
中層域の17階層にて中層で産出されるモンスターの中では強大な戦闘能力を有する牛頭人体の怪物であるミノタウロスが数十の群れで蔓延っていた。
故に中層を探索していた冒険者達はすぐに逃走を開始し、それをミノタウロスは追っている。
絶望的な状況の中で……。
「させるかぁっ!!」
ベルは【ムーン・サイト】によって強化された視力にてミノタウロスの致命的な箇所と瞬間を見抜きながら『魔弾』を長弓にて放ち、幾体かを消滅させる。
「はあああああっ!!』
そうしてベルは兎の如く縦横無尽に駆け跳ねながら、狩人として長弓から矢を放って射抜いていき、矢で直接突き刺していき、或いは弓を杖の如く用いて倒していき、片手剣やナイフで切り裂いていくとあらゆる戦闘手段にてミノタウロスを屠っていく。
「ブモォ!!」
「うく、はあああっ!!」
能力自体はミノタウロスが上回っているので苦戦し、傷つき、倒されるがすぐにベルは立ちあがり、そして挑んでは屠っていく。
「ふははは、良いなぁ、ベル坊……可愛いだけでなくあんなにも勇ましいとは」
そんなベルの様子を見て、椿は更にベルを気に入り、見惚れていく。
「俺達も負けてられねぇっ!!」
「ああっ!!」
「千草殿、自分たちも行きましょう」
「うん、そうだね命ちゃん」
ダンジョン探索において【経験値】稼ぎをしているヴェルフに桜花、命に千草らもベルに続いていった。
「また一段と格好良いですよ。ベル」
「本当になんて素晴らしい子なんだ、ベル君」
「十分、英雄だよ。ベル」
「フレイヤ様に話す事がまた増えましたね」
支援の役割を担っているリリルカ、ローリエにルルネ、ヘイズらはベルに見惚れながら、いざという時に加勢できるよう準備をしていた。無論、それは椿も一緒だが……。
「ブモォッ!!」
「ふう……はぁ、はぁ、はぁ……」
こうして、ベルは見事ミノタウロスの大量の群れを全滅させた。
その後……。
「ベル、お疲れ様でした」
「今日も格好良かったぞ、ベル君。ヘルメス様や団長たちにもちゃんと伝えるよ」
「なんせ沢山の冒険者を救ったわけだからな」
「良くやったぞ、ベル坊」
「ふふふ、ベル……癒してあげますからね」
「ふあぅ……んく、っああ……」
17階層から帰還するとベルはバベルの休憩室の中でリリルカにローリエ、ルルネと椿、ヘイズらに頭を撫でられ、顔を弄られ、体を擽られ、揉み解されたりして結構な時間、思い思いに可愛がられ、蕩かされていったのだった……。