十七話
ダンジョンでは多くの【ファミリア】所属の冒険者が探索をしている。
中には『深層域』と呼ばれる程に遥か下の階層を大勢で探索出来る【ファミリア】も存在しているのだ。
そんな『深層域』を探索し、現在はバベルの地下一階、そして本拠のあるオラリオまで帰還をしている【ファミリア】の集団がいた。
ダンジョンのあるオラリオにおいて頂点に近い組織力に権威を有する【ロキ・ファミリア】だ。
物資の運搬や階層を上がる度、段々と通路が狭くなっていく問題もあるので部隊を二つに分け、行動し……【ロキ・ファミリア】の先遣隊は『中層域』である17階層を進んでいた。
『ヴモオオッ!!』
問題無く、進んでいた筈だったのだが、『ミノタウロス』の群れに遭遇したので蹴散らしていた際、その戦力差に恐れをなしたのか群れのうちの一体が逃走を開始した。
するとそれに続くようにミノタウロスの群れは大逃走を開始して、しかも【ロキ・ファミリア】には都合が悪い事に17階層より上の階層である16階層へと向かう道を向かって行ったのである。
このまま放っておけば、ミノタウロスは16階層、或いは更に上の階層へと向かい続けるかもしれない。そうなれば、実力の低い冒険者達が探索する階層にて遭遇する事になり、多くの犠牲者が生まれてしまうかもしれない。
「追え、お前達っ!!」
先遣隊のまとめ役を担っていた女性――長い翡翠の髪を後ろで結っており、尖った耳と美麗に過ぎる容姿、高貴な雰囲気を纏った【ロキ・ファミリア】の副団長であり、オラリオ内でも魔導士の中では頂点の座にいるリヴェリア・リヨス・アールヴがすぐに指示を出す。
「早くいかなきゃっ!!」
長い金髪に金の瞳、美しい人形を思わせる容姿をした女性剣士のアイズ・ヴァレンシュタインがその声に応じて駆け出す。
「逃げてんじゃねえぞ、糞牛共がぁっ!!」
灰色の毛並みの
「もう、色々と大変だったのに最後の最後までっ!!」
短い黒髪にアマゾネスとしての褐色肌、スレンダーな身体に露出性の強い踊り子衣装染みた格好をしているティオナ・ヒリュテが愚痴りながらやはり、ミノタウロスを追った。
「まったくよっ!!」
ティオナの姉であり、長い黒髪に褐色肌、こちらはグラマラスな身体に露出性の強い踊り子衣装染みた格好のティオネ・ヒリュテも妹に同意しながら駆け出していく。
「なんとかしないと」
山吹色の長い髪を後ろで纏め、可愛らしさのある容姿、スタイルもそれなりに良いエルフの少女にしてリヴァリアの弟子でもあるレフィーヤ・ウィリディスもやはり、ミノタウロスの追撃をするため駆け出していき……。
必死に追いかけながらもミノタウロスの群れが16階層へと上がり、更なる階層へ上がる道のりを走って行ったとき……。
『ブグッ!?』
突如、ミノタウロスの横から複数の何らかの物体が飛来し、それがこめかみや首を穿った事でミノタウロスは死亡しながら、倒れていったためにその死体に躓いて転倒、それに巻き込まれたミノタウロスも転倒。
ミノタウロスは逃走する事が不可能となった。
そして、飛来しミノタウロスのこめかみや首を穿った物体……それは……。
『(矢!?)』
そう、矢であった。驚愕しつつもアイズ達は倒れているミノタウロスたちへ止めを刺して屠っていく。
「すみません。ミノタウロスたちが上の階層に行きそうだったので、手助けさせてもらいましたが迷惑じゃ無かったですかね?」
そうして、アイズ達へと最近、中層域を探索範囲としているベル・クラネルが接触をした。
『(兎が……狩人?)』
アイズ達はベルの姿を見て、兎が狩人の恰好をしているという印象を抱き、相反しているので思わず、戸惑うのであった……。