白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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十八話

 

 

 【ランクアップ】はその者の『器』の次元を一段階進化させる。

 

 つまり、【ランクアップ】する前とした後では能力が格段に違ってくるのだ。

 

 その日、ベルはLV.2になった効果を試すべくダンジョン探索へと一党を組みながら、向かった。

 

 一党は大体のメンバーが同じであったが……。

 

『じゃあ、ベル。気合い入れて作ってくるぜ』

 

「うん、よろしくヴェルフ」

 

 LV.2に【ランクアップ】して発展アビリティである『鍛冶』を発現させたヴェルフはその効果を試すため、工房でベルの武具や防具を新しく打つために籠った。

 

『ベル、本当に疲れた時は癒してもらいに来ますから、よろしくお願いしますね』

 

「はい、ヘイズさん……僕がヘイズさんを元気に出来るなら」

 

『ふふ、本当にベルは良い子ですね』

 

「はぁうぅ……」

 

 ヘイズもそろそろ【フレイヤ・ファミリア】の本拠、『戦いの野』での洗礼に支障が出るからと呼び戻される事となり、別れ際たっぷり、撫でられたり抱き締められていったのであった……。

 

 

 そうして、ベルはリリルカに椿、ローリエにルルネ、桜花にベルと同じくLV.2に【ランクアップ】した命、千草他、【タケミカヅチ・ファミリア】の団員達とダンジョン探索へと向かう。

 

「ふっ、しいっ!!」

 

 上層においては右手に持った長弓を杖として用いつつ、左手に持った片手剣を扱い、接近戦にてモンスターを屠っていく。

 

「(これが【ランクアップ】……本当に全然違う)」

 

 身のこなしや発揮できる力、体の扱いやすさ、感覚……全てが上の領域に上がっているのをベルは実感できた。

 

 更に『中層域』へと進出したので本領である射手として振る舞う事とし……。

 

「はあっ!!」

 

【狩人求道】の補正効果も【ランクアップ】した事で上昇しているが故に弓の構えやすさに矢の番えやすさ、体力や精神力を込めなくても補正効果が働いているがゆえに今までより、遠くへ飛ぶし威力も上がっている矢の射撃を実感。

 

「【我が瞳に月の加護を】――【ムーン・サイト】」

 

 魔法を使ってみればやはり、見渡せる範囲も距離も相手の動きの把握も……格段に性能が上昇していた。

 

 そうした全てを実感しながら、ベルは中層域の探索を楽しんでいると……。

 

 

 

 

『ブモオオオッ!!』

 

「拙い、あの勢いで進み続けたら……」

 

  咆哮が聞こえたのでベルは【ムーン・サイト】を使った事でミノタウロスの群れが凄い勢いで進軍しているのを視認した。

 

 すぐさま、ベルは向かっていきながらそのミノタウロスの群れを追っている【ファミリア】の冒険者達を発見。

 

「じゃあ、逃亡が出来ないようにすれば……」

 

 そうして、矢を幾本番えて放ち、番えては放ちつつ、魔石を砕いて消滅させるのでは無く、死亡して倒れるようにする事で残りのミノタウロスが転倒するようにした。

 

 こうして、ミノタウロスたちは転倒していき、追っていた冒険者達に追い付かれ止めを刺されていくのだった。

 

 

 ベルはその【ファミリア】の者たちへと近づいて声をかけた。

 

「ありがとう、君のお陰で助かった……ん、どうした?」

 

 翡翠色の長髪を後ろで結った美麗なエルフの女性が前に出て声をかけてきたのだが、ベルはその女性に見惚れてしまう。

 

「あ、す、すみません……お姉さんがとっても綺麗なエルフだったのでつい、見惚れてしまいました」

 

 女性の呼びかけに思わず、本心を言ってしまう。

 

「ふ、ふふ……そうか、それなら仕方ないな。私は【ロキ・ファミリア】の副団長、リヴェリア・リヨス・アールヴだ」

 

「ぼ、僕は【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルです」

 

「っ、随分と可愛らしい……よろしくな、ベル・クラネル」

 

「は、はい。よろしくお願いします。リヴェリアさん」

 

 リヴェリアは中々、呼ばれた事が無い『お姉さん』呼びやベルの愛嬌ある容姿に胸を疼かされたりで普段の彼女が見せない程のご機嫌さを露わにしていた。

 

 そして……。

 

『(リヴェリア(様)がお姉さん!?』

 

 アイズ達【ロキ・ファミリア】の者たちはリヴェリアがお姉さん扱いされた事に違和感を感じ、そしてリヴェリアに睨まれてしまった。

 

「お姉さんなんて年はもう過ぎてるだろ、ババア」

 

 ベートは呟いていたが、本拠に帰還した後、しっかりリヴェリアに仕置きされた。

 

 ともかく、その後は……。

 

 

 

 

「私はアイズ……手助けしてくれてありがとう、弓の腕凄いんだね」

 

「私はティオナ、兎君は可愛くて良い子だね」

 

「この馬鹿の姉、ティオネよ。随分、可愛らしいわね」

 

「リヴェリア様の弟子をしているレフィーヤです。本当に手助け、ありがとうございました」

 

「は、はい……ひゃう、くひゅ、んくぅ……」

 

『(凄く可愛い!!)』

 

 アイズ達女性陣もベルに自己紹介しながら、可愛がり始めそれに対して蕩けながら身を任せていくベルに癒されていった。

 

 

 

 

 

 その後、ベルは【ロキ・ファミリア】と別れ……。

 

「あの【ロキ・ファミリア】の皆さんにも可愛がられて良かったですね」

 

「流石はベル坊だ」

 

「リヴェリア様に気に入られるなんて……流石はベル君だ」

 

「愛され兎は流石だなぁ」

 

「ひゃううう、あああああっ!!」

 

 バベルのとある部屋でリリルカに椿、ローリエ、ルルネたちに嫉妬もあってたっぷり撫でられたり、弄られたり、抱き締められてベルは蕩かされていくのだった……。

 




 これで書き納めです。

 来年である明日も早速、初書きしますが……ともかく、今年も自分が各作品を呼んで下さている読者の皆様、ありがとうございました。

 来年まで残り少ないですが、良いお年を……来年も勿論、更新頑張ります。
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