白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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二十話

 

 昨日、ベルは『豊穣の女主人』が忙しくなるから出来れば手伝って欲しいとシルに頼まれていたのでそれに応じた。

 

 忙しい訳は『豊穣の女主人』の常連ともなっている【ロキ・ファミリア】が遠征を終了した後の恒例としている『打ち上げ』という名の大宴会を行うからだった。

 

 ともかく、そうしてベルは『豊穣の女主人』を手伝ったのだがなんとシル達と同じ格好、つまりは女性店員としての服を着せられて働かされたのである。

 

 それ自体はとっても好評で今までにない程に店の客足を増やし、ミアに感謝されたほどであったがベルとしては複雑だった。

 

 しかも何か情報網でも共有しているのか今まで、自分を可愛がってくれている女性や女神たちまでやってきて女装姿を堪能されてしまってもいた。

 

 まあ、ちゃんと店を繁盛させた分の特別報酬も含めてバイト代は支払われてはいるのでベルの微妙な気持ちを除けば、プラスな事ばかりである。

 

 

 

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「うん、いってらっしゃい。気を付けるんだよ」

 

 ともかくとして今日はダンジョン探索をしに本拠の廃教会をヘスティアに頭を撫でられつつ、見送られながら出る。

 

 

 

「ベル、昨日は可愛かったよ。今度一緒に色んな服屋に行こうか」

 

「うぅ、あまり女装させてほしくないんですけど」

 

 早速、『青の薬舗』にてナァーザに揶揄われというよりは殆ど本気で言われたりした。

 

 いつものように回復薬を揃えた後……。

 

 

 

 

「ベルさん、昨日は本当にありがとうございました。とっても助かりましたし、癒されました」

 

「ありがとうございました、クラネルさん」

 

「またよろしくね」

 

「いやぁ、どっちでも違和感ないの本当凄いよね」

 

「また手伝いに来るのニャ」

 

『豊穣の女主人』にてシルにリュー、クロエにルノアとアーニャ達から声をかけられつつ、撫で回されたりした。

 

 

 

「ま、まぁ偶になら……」

 

『ありがとう』

 

 ベルが了承すると抱き締められたりした。

 

 その後は【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院へと行くと……。

 

 

 

「ベルさん、良ければ私達とダンジョン探索をしてくれませんか?」

 

 アミッドにそう言われる。

 

 詳しく聞くと団員達の【経験値稼ぎ】かつ、回復薬の原料となる薬草の収穫のために『大樹の迷宮』へと向かうそれに付き合って欲しいとの事。

 

 皆に話を聞いてからと言って、とりあえずアミッドと彼女以外の治療師含めた六人での【ディアンケヒト・ファミリア】の一党とバベルに向かい……。

 

 リリルカにヴェルフとルルネとローリエ、【タケミカヅチ・ファミリア】の者たちは治療師がいるのは心強いと受け入れ、そうしてダンジョン探索をする事に……。

 

 

 

「やあっ!!」

 

 ベルは植物の世界と言ってもいい『大樹の迷宮』内を素早く、身軽に……何より、縦横無尽に駆け跳ねながら遠近関係無く、矢で射抜き、或いは長弓を振るって破砕し、片手剣で屠り、或いは矢で直接突き刺し、貫いていく。

 

 月の視界を得る魔法にて常に周囲の状況を把握もして、不測の事態に対して備えた。

 

 

 

『す、凄い……』

 

「可愛らしいのに、戦う時は雄々しいですね。本当に」

 

【ディアンケヒト・ファミリア】の者たちはベルの姿からは想像できない程に凄まじい武威と技と駆け引きの見事さに驚愕し、或いは呆気に取られる。

 

 アミッドはベルの勇姿に見惚れていた。

 

 その後は魔石やドロップアイテムを収穫し、ナァーザに渡す分の薬草を手に入れたりする。

 

 また、帰りの1階層ではレアモンスターである『ジャック・バード』を弓矢で狙撃し、射抜いた事で百万ヴァリスはする『ジャック・バードの金卵』をベルは入手し、そのままそれはベルのものとなった。

 

 その後……。

 

「お疲れ様でした、ベルさん。またこういう事を頼ませてもらいますね」

 

「本当、ベル様は愛されますねぇ」

 

「ベル君、今日も良かったぞ」

 

「ふふ、もっと幸せにしてやるよ」

 

「ひゃ、うああ……」

 

 バベルのとある部屋にてベルはアミッドにリリルカ、ローリエにルルネ達からたっぷり抱き締められたり、撫で回されたり、擽られたり、弄られたりして甘く優しく、温かく、気持ちの良い感覚に浸らされ、蕩けていくのだった……。

 

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