白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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五十六話

 

 

 【ロキ・ファミリア】は自分たちのダンジョン到達階層を増やすための『遠征』を行おうとしていた。

 

 『遠征』――オラリオにはオラリオが保有する『ダンジョン』を探索するのを目的とする探索(ダンジョン)系派閥が数多く存在する。

 

 ギルドとしても探索系派閥を増やしたいがゆえに冒険者登録において煩雑な手続きが必要なく、ギルドに納める税に対して優遇をしている。

 

 ただし、その代わりにギルドは一定の等級(ランク)、正確に言えばⅮ以上に達した派閥へ『強制任務(ミッション)』を与える。

 

 到達階層を一つ増やしたり、新たな採取物や採掘物の発見、『未開拓領域』の地図作成(マッピング)、階層主の討伐などどれか一つでも成果を出す事が成功条件である。

 

 ギルドはダンジョンの解明、開拓を至上目的としており、ダンジョンでの未知なる資源に未知なる領域、未知なる発見はオラリオの発展に繋がるのだ。

 

 最大派閥でもある【ロキ・ファミリア】もギルドによる『強制任務』は定期的に出される。もっとも、向かう階層域は『深層域』なのでⅮ等級の派閥と比べれば、そんなにせかされる事はないが……。

 

 因みに失敗するとペナルティとして上納金を納めなければならないので色々と大変だ。

 

 そうして、『強制任務』を行う事を派閥は『遠征』と呼ぶのである。

 

 今回、アイズが24階層で起きた異変の元凶である『食糧庫』で赤髪の女と対決しもい詰めている中で『59階層に面白い物がある』と聞いた。

 

【ロキ・ファミリア】においてはまだ59階層は未到達階層であるが、アイズの強い意志で団長のフィン、副団長のリヴェリア、二人と同じ立場であるガレスは59階層に向かう事を決めた。

 

 以前の遠征で溶解液を放ち、体内に持っている新種の芋虫型に襲われ、【ロキ・ファミリア】は予備も含めた大量の武器を失ってしまった。

 

 その時、アイズの≪デスペレート≫――つまりは不壊属性(デュランダル)は溶解しなかった事から【ロキ・ファミリア】は【ヘファイストス・ファミリア】と連合を組んでの遠征をする事を決めつつ、主力部隊のものだけ、不壊属性の武器を注文したのである。

 

 相手は無論、【ヘファイストス・ファミリア】の団長にしてオラリオ最高の鍛冶師である椿にだ。

 

 だが、その際に彼女は『ベル坊』、つまりはベルを呼んで欲しいと要求した。

 

 そして、アイズも今までの恩を返したいし、射手として戦力になるベルを連れて行きたいと願っており、ティオナなど何人かは賛同。

 

 

 

 これにより、ベル達に遠征同行を申し出た。

 

「是非、同行したいですけど遠征の間、ヘスティア様は一人になるのであまり長い間、護衛の事も考えたら……」

 

「ちゃんと私達で守るから心配しないで」

 

 『遠征』の間は【ロキ・ファミリア】の居残り組が守護を担当すると言いつつ、詳しい話をしたいと自分たちの本拠へと招くのであった……。

 

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