白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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五十八話

 

 ベル・クラネルとリリルカは【ロキ・ファミリア】が主となり、【ヘファイストス・ファミリア】がサポートとして同行するという連合派閥による『遠征』に同行する事となった。

 

 そうして遠征までの一週間と数日の期間、【ロキ・ファミリア】の本拠である『黄昏の館』での交流や短い階層限定での探索、鍛錬などベルは【ロキ・ファミリア】の冒険者達と関わるよう、フィン達に頼まれたりした。

 

「ベルたん、早速で悪いんだけどこっちに来てくれへんか?」

 

「はぁ、良いですけど……」

 

 ロキから手招きされたのでベルはそれに応じ、そうしてなにやら急遽、大布で区分けした大広間へと入り……。

 

「ちょ、こ、これは……」

 

「前に女装が似合う少年がこの北のメインストリートで現れたって聞いてなぁ……その店主を問い質したら、兎のような少年って聞いたんや。だったら、もうベルたんしかおらんよな」

 

「ぅぅ、こ、これを着ろっていうんですかぁ?」

 

 ロキに案内された部屋には大量の女物の服があり、これから何をさせられるのかベルは悟らずを得なかった。

 

 かつて『怪物祭』に向けた『神の宴』に参加できるよう、ベルはヘスティアに宴に相応しいドレスなど相応しい装いを買い与えた事がある。

 

 その後、北のメインストリートを少し、ヘスティアと見回っていたベルだがとある服飾店の店員に声をかけられた事であれよあれよという間に……もっともベル自身、人からの頼み事を断れない体質であるので女物の服を着て女装ショーをする羽目になった。

 

 

 

 その時、アイズにティオナとティオネにレフィーヤ達もいたが彼女達はベルの事を伏せてはいた。とはいえ、他にもベルの女装を楽しんでいた者はいて、女装姿が似合う少年という形で噂は広まっていた。

 

 ロキが少し探る事でベルを特定でき、いつか彼がこの本拠にやってきた時、彼に女装ショーをさせようと準備し、備えていたのだ。

 

「遠征前にやる気を出すためにもお願いや、ベルたん」

 

「う、うぅ……わ、分かりましたぁ」

 

 そうして、ロキから真剣に頼まれた事でベルはその頼みを断れずに受け入れた。

 

 

 

 よって、ベルの『女装ショー』は始まってしまい……。

 

「ううん、本当に違和感ないなぁ」

 

「ですね、とっても可愛らしいです」

 

 ヘスティアとリリルカは普通に評価をする。

 

 

 

「おおー、あの日を思い出すね」

 

「ねっ、凄く似合っていて可愛いよ」

 

「まぁ、納得いかないところはありますけど」

 

「或る意味、下界の未知ね」

 

 アイズにティオナとレフィーヤ、ティオナはそれぞれかつての日の事を振り返りつつ、ベルの女装を楽しむ。

 

 

 

「うむ、中々素晴らしいな」

 

「噂通り、とっても可愛らしいわね」

 

「私より、愛嬌が凄いです」

 

「これは素晴らしい」

 

「きゃあぁぁ、可愛い!!」

 

「違和感無いのが凄いですね」

 

 リヴェリアに黒い毛並みで容姿優れ、気品も感じさせる猫人の女性であるアナキティ・オータムにラクタ、長い飴色の髪でエルフであるのもあって、美麗な容姿でスタイルも抜群なアリシア・フォレストライト、髪を左側に小さく結っている可愛らしい見た目のヒューマンの魔導士であるエルフィ・コレット、黒の長髪をお下げにし、眼鏡をかけた大人しそうな雰囲気の容姿端麗なヒューマンの治療師であるリーネ・アルシェなどベルの女装姿を初めて見る【ロキ・ファミリア】の女性団員達もベルの女装ショーを楽しんでいくのであった……。

 

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