白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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五十九話

 

 

【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルとリリルカ・アーデは一週間と数日後に行われるダンジョンの到達階層を増やす【ロキ・ファミリア】の遠征に同行する事になった。

 

 オラリオにおいても頂点と呼んでも良い程の権威と勢力を有する最大派閥の一つとあってその探索階層域は『深層域』であり、目指す階層は59階層との事。

 

 アイズがこっそり教えてくれたのだが少し前にベルにリリルカ、ヴェルフに【タケミカヅチ・ファミリア】の桜花に命、千草ら全団員に【フレイヤ・ファミリア】の優秀な治療師であるヘイズ、そしてアイズに【ヘルメス・ファミリア】の全団員で解決しに行った『24階層での異常事態』。

 

 食人花に『闇派閥』の残党、怪人とも呼ぶべき赤髪の女などが暗躍していたのだが、その赤髪の女とアイズが戦っていた時、ふと言われたらしい……『59階層』にアイズが知りたいものがあると……。

 

 

 

 そして、アイズはフィン達に59階層へ向かう事を告げ、許可されたとの事だった。

 

 前の遠征では51階層にて超強力な酸性の液を有し、吐き出す芋虫型の新種であり、食人花の同類のような(魔石が極採色のため)モンスターに予備も含めて遠征を続けられなくなる程の量、溶かされたのでいろんな面を考えて【ヘファイストス・ファミリア】に同行を頼んでもいるとの事だった。

 

 

 

 そんな大規模で過酷である事が十分に理解できる遠征への同行を求められたベルはとにかく、気合を入れた。

 

 

 

 そして、遠征までは【ロキ・ファミリア】の皆と交流するように求められたので今、それを実行し始めている。

 

「じゃあ、始めますね」

 

 自分の一番得意な弓術を披露するため、【ロキ・ファミリア】の本拠である『黄昏の館』の中庭にて自分を中心に数百Ⅿ離れた距離にて囲うように的を配置してもらった。

 

 

 そうして、初めてベルの実力を見る【ロキ・ファミリア】の団員達へとこれから始める事を告げると短弓を構えながら背の矢筒から矢を引き抜き、番え……。

 

「しっ!!」

 

 次の瞬間、軽く回転するように動きながら高速で弓を構えては矢を番え、引き絞り放っていく。響き渡るのは的の中心に矢が突き立つ連続音である。

 

 

 

「ざっとこんな感じです」

 

『おおおおっ!!』

 

 全ての的に矢を命中させるとベルは見学している【ロキ・ファミリア】の団員達に告げ、拍手喝采を貰った。

 

 他に千M程の遠距離で的の中心に幾つかの継矢や素早く駆け跳ねながら、複数の的の中心を射抜いていくなど自分の弓技を披露し、拍手されながら評価されるのであった。

 

「どうしてベル君は百発百中で弓を当てられるんっすか?」

 

 短い黒髪が逆立っているヒューマンの青年であるラウルが自分も弓を使うのもあって、ベルへと質問をする。

 

 

 

「矢を射るんですから、それは必中ですよ……弓は引く事でも無く、放つ事でもない。結果を見る事を意識していますから」

 

「た、達人は言う事が違うっすね」

 

 ベルがアルテミスからの教え、弓を鍛えていくうちに得た持論を展開するとラウルは何とも言えない表情をする。

 

 

 

「僕に出来る範囲でなら、教えさせてもらいますよ」

 

『よろしくお願いします』

 

 ベルが弓について教えると言えば、ラウルを始め、【ロキ・ファミリア】の弓使い達はベルの元へと殺到していくのであった……。

 

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