白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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七十二話

 

 ベル達、連合派閥は『リヴィラの街』まで荷物一杯となった魔石にドロップアイテムを証文に代えるために向かった者達を待つ間、『密林の峡谷』で待ちながら待機。

 

 というよりはこの『密林の峡谷』でしっかりと休むとの事だ。

 

「安全階層でも無いのに良いんですか?」

 

「良いんだよ、33階層から36階層は環境的にきつい『砂漠の迷園(サンドランド)』だからね。しっかり休んで備えないと駄目なんだ。この大人数だとね」

 

「ああ、中々に過酷だぞ」

 

「33階層から35階層はとにかく暑くて、明るいばっかりなのに36階層は暗くなって寒いんだよ」

 

「そうそう、慣れない人は本当に大変なんだよねー」

 

「最初は苦労したわ」

 

「私は未だに苦手なんですけど」

 

 ベルの質問にフィンは優しく教え、リヴェリアは苦笑、アイズはしっかりと『砂漠の迷園』の事を教え、ティオナとティオネは軽く苦い顔をして、レフィーヤも申し訳なさげに行った。

 

「ダンジョンって景色が良い所もありますけどやっぱり、下に行けば行くほど過酷になっていくんですね。本当、そんなダンジョンにいつも挑んでいるフィンさん達は凄いです」

 

『ありがとう』

 

 ベルが素直に称賛の言葉を贈ればフィン達は微笑みながら礼を言った。

 

 そうしてしっかりと皆で食事に水分摂取などを済ませて準備を整えるといよいよ、『密林の峡谷』の最奥である32階層の先、33階層に連合派閥は足を踏み入れる。

 

 

 

「うわっ、凄く暑いです」

 

 ベルはまずこの階層に入って感じる暑さに声を出した。

 

 33階層に入ると目にするのは茫漠たる砂漠が広がる光景だ。迷宮構造などは一切存在しない大砂漠の地帯であり、あるのは砂と砂丘、他には進んでいく中で時折、目にする奇怪な形状のサボテンのみだ。

 

 遥か上の天井では太陽の如く照り付ける巨大な赤水晶(レッドクリスタル)が存在し、地下迷宮とは思えない極暑領域を生み出しているのである。

 

 階層全体が広く開け、南端の入口から北端の連絡路、あるいは北端から南端までひたすら北上及び南下する進路。複雑な迷宮が無い分、一見進行しやすいように見えるが当然、そんな事は無い。

 

 足が埋もれるくらいの深さなので他のどの階層より進みにくい上にモンスターは突如、砂の大地から爆ぜては産まれて奇襲を仕掛けてくる。

 

 まるで地雷原のようになっているのだ。更には魔力を伴った常識はずれな蜃気楼で冒険者達の進路を捻じ曲げると下層の最終領域に相応しい魔境の砂漠になっているのである。

 

 

 

「確かに大変ですね、これは……」

 

 ベルは『砂漠の迷園』に対して感想を言うのであった……。

 

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