白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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七十九話

 

 ダンジョンにて遠征を行い、『深層域』を探索している【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】は『深層域』において最初の『安全階層』である39階層、『迷宮の灰橋』にて十分な休息をするとフィンの号令により、出発した。

 

 そうして40階層から43階層までの『巨人の墓場』の始点である40階層へと踏み入り……。

 

 

 

『オオオオッ!!』

 

「はあっ!!」

 

 巨人系モンスターが襲い掛かって来たのをまるで釘を打つような矢の連続射撃によって額を穿って脳を破壊したり、喉を射抜かせたりなどしてベルは屠っていく。

 

 ときには前衛で戦う者たちの支援として巨人の目を矢で穿ったりもする。

 

 こうして、瞬く間に40階層から進んで最後の43階層に到達してそのまま次の階層へと向かった。

 

 

 

 

「砂漠の迷園より、熱いですね此処……」

 

 44階層から48階層は『紅蓮の山岳(さんがく)』と呼ばれる層域だ。

 

 まずこの層域を訪れて、襲い来るのはうだるような蒸し暑さである。

 

 視界で捉える事になるのは燃えるような朱の色が辺り一帯の地面を埋め尽くしている光景だ。

 

 そして、壁面は所々が罅割れて黒ずんでいて、あたかも炭化したかのよう。

 

 刻まれた亀裂の中でうっすらと輝く赤い光がその炭色の壁の中で存在感を放っているとまるで火山の腹の中に放り込まれたような錯覚さえ、催させる。

 

 

 

「暑さの毛色も違うからね、こっちは砂漠の迷園のからっとした感じじゃなく纏わりつく蒸し暑さだから」

 

 フィンがベルの言葉にそう解説した。

 

 

 

『グオオオ』

 

 この『紅蓮の山岳』では岩石のモンスターである『フレイムロック』が産出されるし、他に産出されるモンスター達も爆炎攻撃を得意とする。

 

 

 

「はあっ!!」

 

 ベルはこの層域の熱気にも負けず、弓技によってモンスターを狩り尽くしていった。

 

『ガアアッ!!』

 

 大型級モンスターである『ヴァーミリオン』に対しては自身の魔法による月の視界、【スキル】による視力強化と集中力強化により、無理やりヴァーミリオンの致命的な部位と瞬間を見抜き、そして時間すら遅れる集中力にて確実にヴァーミリオンの姿を捕えると必殺の矢を放ち、それは確かにヴァーミリオンを射抜き、脳を穿つ事で死亡させたのである。

 

 

 

 

 

『お見事』

 

「えへへ」

 

 ベルの弓の腕を女性陣が褒め、それにベルは照れながら笑みを浮かべる。

 

 

 

「さて、次の階層を抜ければ『安全階層』だ。その分、49階層はきついが頑張れるな?」

 

「勿論です」

 

「ふふ、本当に頼もしいな」

 

 ベルは48階層から49階層の連絡路付近にて、リヴェリアに頭を撫で回されながら彼女の言葉に応え、微笑まれるのであった……。

 

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