白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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八十六話

 

 深層域にて、【ロキ・ファミリア】が目的としている未到達領域が59階層を踏破するために十四名のパーティが組まれた。

 

 【ロキ・ファミリア】からは主力陣としてフィンにリヴェリアとガレスにアイズにティオナとティオネにベート、サポーターとしてラウルにナルヴィとアリシアにクルスとレフィーヤ、【ヘファイストス・ファミリア】からは団長の椿が武器の整備士と主力陣を兼ねて選ばれた。

 

 そして、【ヘスティア・ファミリア】の団長であるベルも主力陣において優秀な中衛兼後衛として主力陣の中に組み込まれたのである。

 

 こうしてベル達、未到達領域探索パーティは根拠地を設けた50階層を守る団員達に見送られながら、51階層への連絡路へと向かう。

 

 50階層と51階層を繋ぐ連絡路は険しい坂と化している。崖と同義の急斜面を見下ろすと階下には既に幾つものモンスターの眼光が闇に浮かび上がっていた。

 

 

「じゃあ、ベル。頼むよ」

 

「はい」

 

 皆が武器を抜き、弓手であるベルが攻撃する方がモンスター達の意表を突けるためにフィンの指示で弓を構える。このパーティの中でも随一の視力を有しているベルの目はしっかり、連絡路で待ち受けているモンスターの姿を捉えていた。

 

「ベート、ティオナ行けっ!!」

 

 そうして、前衛であるベートとティオナが風になって急斜面を駆け下りる。

 

 「しっ!!」

 

 ベートとティオナより、先に3本以上の複数の矢を番えた弓から矢を放ってモンスターを魔石ごと射抜いて消滅させた。

 

 その直後にベートとティオナが大暴れしてモンスターを屠っていく。

 

 「予定通り正規ルートを進む。新種の接近には警戒を払え」

 

 51階層から更に深部の57階層までは『深層』では珍しい迷路構造となっており、黒鉛色のダンジョンの組成は平面の天井と壁面を描き、錯綜し合う画一的な通路が広間と広間の間を繋いでいるという構造だ。

 

 原点回帰のような迷路であるが、深層のために規模と広さは桁違いな迷路なので下手をすれば迷ってしまう。しかして、フィン達【ロキ・ファミリア】は57階層まではしっかり、把握しているのでベルはフィン達についていった。

 

 そうして、進んでいくと……。

 

『オオオッ!!』

 

 以前の遠征で【ロキ・ファミリア】が痛い目に遭わされた酸性の体液を有し、吐き出す事も出来る芋虫型の新種の群れが出てきた。

 

「隊列変更」

 

 フィンが指示し、前衛のティオナが中衛のアイズと交代すると……。

 

「【目覚めよ】」

 

「アイズ、寄こせ」

 

 そうしてアイズが風の付与魔法を使い、ベートの指示で彼の魔法を吸収しその力を使う事が出来る白銀のメタルブーツ、≪フロスヴィルト≫にその風をおすそ分けする。そうして彼は不壊属性の双剣を抜き、アイズと共に殲滅していく。

 

 「【ウィン・フィンブルヴェトル】」

 

 最後にはリヴェリアによる三条の吹雪を放つ魔法によって、迷宮を蒼氷の世界に変えながら芋虫型の新種だけでなく、他の種類のモンスターも無数の氷像とし、それを破壊しながら51階層から52階層へと進んでいくのであった……。

 

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