白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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八十七話

 

 未到達領域の探索をするために51階層へと侵攻を始めたベル達、精鋭パーティ。

 

 51階層を進んでいると前回、酸性の体液を有し、吐き出すモンスターが為に主武装や予備武装を遠征が続行できない程の数、溶かされる事となった芋虫型の新種の群れが出現した。

 

 しかし、今回において【ロキ・ファミリア】は芋虫型の新種の体液でも溶ける事の無い『不壊属性』の武装、魔法を主軸に戦うなどしっかりと対策をしていたために楽々と片付けた。

 

『未知を既知』に変えて対応する事――それが冒険者にとって一番必要な能力である。

 

「相変わらず、凄まじい魔法だなリヴェリアよ。手前も『魔剣』であれだけの物を繰り出せればな」

 

「そんな事になれば魔導士(われわれ)の立つ瀬がない」

 

 リヴェリアが芋虫型を凍結させるために放った三条の吹雪の魔法は芋虫型を凍結させるだけでなく、51階層の一直線の通路を凍らせてもいた。

 

 氷と霜に壁面が覆われているために深層出身のモンスターも産出される事は無かった。

 

「本当、凄いですねリヴェリアさん。通路中が凍っているからモンスターも産出されないし、安全に進めます。お疲れ様です」

 

「ふふ、ありがとうベル……まあ、流石にこの方法は限られたところでしか使えないがな」

 

「ひゃうう……」

 

 ベルがリヴェリアにお礼を言いながら、労うとリヴェリアは微笑み、苦笑するとベルの頭を撫でた。

 

 こうしてモンスターが出てこないので安全に階層を進んでいくと52階層に続く連絡路の前に辿り着き……。

 

「ここからはもう、補給できないと思ってくれ」

 

 フィンがパーティ一同に振り返りながら、言うと【ロキ・ファミリア】の者達は張り詰めた表情を浮かべる。

 

「皆さん?」

 

「どうかしたのか?」

 

 【ロキ・ファミリア】ではなく、つまり部外者であるベルと椿がそれぞれ、戸惑う。

 

 「行くぞ」

 

 フィンの短い号令に52階層へと進出しながら、51階層とは変わらない黒鉛色の迷路内を速いベースで疾走していく。

 

 

 

 「戦闘はできるだけ回避しろ。モンスターは弾き返すだけで良い!!」

 

 フィンの指示に伴い、出来る限り早く駆け抜けていくパーティ、勿論、ベルもしっかりとついていった。

 

 

 こうして、進んでいると地の底から昇ってきたかのような禍々しい雄叫びが聞こえた。

 

「補足されたぞ、フィン」

 

「ああ……皆、とにかく走れ。狙撃が来るぞ」

 

 そう、フィンが言ったので足を速めた。

 

「転進だっ!!」

 

 その声に皆が正規ルートを外れ横道へと飛び込む。

 

 次の瞬間――地面が爆砕すると共に轟炎が突き上がり、紅蓮の衝撃波が発生した。

 

 

 

「炎の狙撃っ!?」

 

「なんと滅茶苦茶なっ!!」

 

「ああ、ここからが大変だぞ。ベル、椿」

 

 ベルは驚き、椿も同じく驚く中でリヴェリアがそう話しかけたのであった……。

 

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