白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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八十八話

 

 未到達領域である59階層の踏破を目指して、補給拠点である『根拠地』に定めた50階層を出発し、51階層へと進んだベル達精鋭パーティは以前、主要である武装と予備武装を失った事で【ロキ・ファミリア】が遠征を中止にする程の被害を受けた強酸を有し、吐き出す芋虫型の新種に襲われたが、既に『不壊属性』の武器に魔法による殲滅などしっかりと対策を生み出していた事であっさりと対処した。

 

『未知』に苦戦するのは仕方なくとも、一度経験する事で冒険者は『既知』に変えて対応する。それこそが冒険者の強さというものである。

 

 しかし、51階層もであるが、この先の階層をも経験している【ロキ・ファミリア】は更に気合を入れた表情を浮かべた。まるでここからが本番だというように……。

 

どれもが初めてとなるベルに椿とレフィーヤは戸惑う。

 

 だが、フィン達が気合を入れた訳は直ぐ分かった。

 

 52階層に足を踏み入れると戦闘を避け、モンスターを弾き返すように言われ、そうして走るのを強要された。何故なら、この階層からはるか下の58階層で産出される砲竜の『ヴァルガング・ドラゴン』による火炎の砲撃であり、狙撃が行われるからだ。

 

 

 

 それを目撃し……。

 

「滅茶苦茶だ」

 

「まったくだ」

 

 ベルの呟きに椿が答えた。

 

 そうして、上手く走り移動する中で……。

 

「っ!!」

 

 ベルの視力が通路の横穴に潜む『デフォルミス・スパイダー』という巨大蜘蛛の姿を捉える。このまま、行けばラウルが危ないのですぐさま、ベルは魔法を使って更に視力を強化すると矢筒から矢を抜きながら、ラウルの側へと跳躍すると共に矢を引き絞って、放つ。

 

 これにより、矢は巨大蜘蛛の魔石を貫き、消滅させた。

 

 ベルは矢を放った体勢から上手く転がって受け身を取りつつ、立ち上がって進む。」

 

「あ、ありがとうっすベル君」

 

「良くやった、ベル」

 

「はい」

 

 ラウルに感謝され、リヴェリアに褒められたベルは軽く笑みを浮かべながらも階層を進む。

 

「良し、あれをやるぞ皆」

 

 フィンは指示し、そうしてリヴェリアが詠唱を開始すると……。

 

「【ヴェール・ブレス】!!」

 

 大火炎の砲撃を回避しながら、リヴェリアによる緑光の衣で対象者を守る防護魔法が発動され、皆を緑光の衣が包んだ。

 

「いけ、ティオネ、ティオネ、ベート、ガレス。火炎を止めてくれ」

 

『おおおっ!!』

 

 そうして、フィンの指示によりLV.6の冒険者四人が砲竜の狙撃がぶち抜いた穴より、飛び降りて行ったのであった……。

 

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