白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

90 / 95
八十九話

 

 58階層から52階層まで撃ち抜く火炎の砲撃を放つ砲竜の『ヴァルガング・ドラゴン』。

 

 52階層に到達したフィン率いる未到達領域探索チームより、LV.6のティオネにティオナ、ベートにガレスの四人がヴァルガング・ドラゴンの炎が撃ち抜いた穴より58階層に向けて飛び降りた。

 

 その目的は無論、58階層に到達してヴァルガング・ドラゴンを倒す事で52階層から58階層まで進むパーティの皆を火炎の砲撃から守るためである。

 

「隊列を変更する。アイズは前衛に、椿にラウルたちは中衛に固まってアイズを支援、リヴェリアにレフィーヤ、ベルは後衛だ」

 

 そうして52階層を進むフィン達は彼の指示で隊列を変更していく。

 

「ラウルさん、長弓をお願いします」

 

「はいっす」

 

 ベルはラウルに預けていた自分の長弓を受け取り、代わりに短弓を預けた。

 

 こうしてパーティの皆は大分少なくなったが、ヴァルガングドラゴンの火炎攻撃に気を付けながら、モンスターを蹴散らして52階層を進んでいく。

 

「【目覚めよ(テンペスト)】!!」

 

 無論、52階層で産出されるモンスターも『ヴェノム・スコーピオン』や『サンダー・スネイク』、『シルバー・ワーム』と強大なものばかりだ。

 

 そんな強大なモンスターの群れをLV.6となって更に戦闘能力を上げたアイズが風の加護を纏いながら切り伏せていく。

 

 ベルは弓手として彼女が補給に戻った瞬間、支援するために集中しながら複数の矢を番えて引き絞っていく。

 

 ベルは自分が所有する【スキル】の効果により集中すればするだけ、時間間隔が研ぎ澄まされ、彼以外が緩慢に動く領域に入る。

 

 そのため、本来ならば魔法による補助無ければアイズの動きを完全に把握しきれないが、今の彼にはアイズの動きも視えてくるのだ。

 

 こうして、アイズが一旦、中衛に戻ってくるのを視て……。

 

 

 

「ふっ!!」

 

 一本の長弓から自分の体力と精神力を込めて複数の矢を放ち、モンスターを射抜いていく。これに続いて中衛にいるナルヴィとアリシア、クルスが魔剣から魔法を放つ事でモンスターを爆砕した。

 

 『アアアア』

 

 モンスターは52階層のものでなく、飛行能力を有する竜種のモンスターであるイル・ワイヴァーンがヴァルガング・ドラゴンがぶち抜いた穴より、押し寄せてフィン達へと襲い掛かる。

 

「気をつけるのは炎だけじゃないんですねっ!!」

 

 そんなイル・ワイヴァーンをベルは射手として、射抜き落としていく。

 

「矢の補充、お願いします」

 

「はい、これ」

 

 そして、ベルは矢筒を預かっている物より、空となった矢筒と交換しながらパーティは53階層へと入っていくのであった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。