白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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九十三話

 

 【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】に【ヘスティア・ファミリア】の連合派閥による未到達領域探索パーティは目標階層である59階層に到達した。

 

 本来、59階層からは今までに唯一、この階層に到達した【ゼウス・ファミリア】によれば第一級冒険者ですら動きを凍てつかせるほどの寒気が漂う『氷河の領域』であるという。

 

 しかし、未到達領域探索パーティがその階層の入り口となる連絡路からは冷気が漂っていなかった。足を踏み込んでみればベルが以前、24階層のモンスターの大規模な群れの徘徊を解決しようとして踏み入る事になった食糧庫のような異様な植物領域があったのだ。

 

 奥に行けば、食人花に芋虫型の大群が『タイタン・アルム』に寄生した女体型に自らの魔石を差し出し、強化種、あるいはそれ以上の何かに進化させようとしていたのを目撃する。

 

 

 ベルは放っておけばとんでもない事になると察し、自らの限界を超えた全力を出した。

 

 女体型の間隙を無理やり捻じ込み、魔石の位置を見抜くと共にヴェルフ特性の矢型の魔剣であり、『魔弾』を使って女体型の魔石を破壊する事で瞬殺したのである。

 

 とはいえ、矢の性能を上げるために【スキル】で自らの限界を超える体力と精神力を込めたので直ぐにベルは気を失い、倒れてしまったが……。

 

 その後……。

 

「ふ……んん……「ベル、すまないが起きてくれ」んっ、は、はい。リヴェリアさん」

 

 ベルは目を覚まし始め、そんなベルへとリヴェリアが声をかけつつ、頬や首をくすぐっていく。

 

 それに身じろぎしながらベルは起き上がった。

 

「すまないな、本当はゆっくり寝かせてやりたいが50階層まで戻るには君の力も必要だ」

 

「飲ませられるだけの回復薬を飲ませたけど、気分はどうだい?」

 

 ベルが意識を失った後、フィン達は食人花と芋虫型の大群を殲滅した。数が数だったので苦労したがそれでも何度も戦闘を繰り広げて対処法が分かっているだけあって余力を残して討伐する事が出来た。

 

 そうして、ベルに複数の高等回復薬と高等精神力回復薬を飲ませてベルを回復させて目覚めさせたのである。

 

「ん……めいっぱい【スキル】の効果で体力と精神力を込めましたからね。まだ回復しきってはいませんけど弓を射るだけなら問題無いですよ」

 

「そうか。もう、無理はしなくて良い。援護だけで良いからよろしく頼むよ。それと女体型の討伐は良くやってくれた」

 

「本当に凄かったぞ、ベル」

 

「大活躍だったね」

 

「明らかに嫌な予感がしたもんね、あの女体型」

 

「それを射殺すんだから驚いたわ」

 

「お疲れ様です」

 

「やはり、ベル坊は射手としての姿が格好良いな」

 

「ぁふぅ……ありがとうございますぅ」

 

 ベルが目を覚ました事でアイズにティオナとティオネとレフィーヤ、椿たち女性陣が近寄り、それぞれ褒め言葉を送りながら可愛がる。

 

 その後、50階層への帰還を始めた。

 

 58階層はまだ産出間隔が来てないのでとにかく急いで進軍をしたのであった……。

 

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