白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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九十五話

 

 【ロキ・ファミリア】に【ヘファイストス・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】は連合を組んで59階層を目的階層とした遠征を行った。

 

 遠征の主要になるのは【ロキ・ファミリア】であり、【ヘファイストス・ファミリア】に【ヘスティア・ファミリア】は支援するための同行になる。

 

 この遠征において連合派閥は見事、59階層を踏破したがフィン達は次の階層、つまりは60階層こそが数々の異変の原因であり、相手の本拠地であると察した。

 

 とはいえ、59階層での激闘でかなり消耗したので撤退をした。女体型に魔石を捧げて強化種にすればとんでもない存在になるという予感のような情報を持って……。

 

 こうして、59階層から未到達領域探索パーティは戻ってそれ以外の者達が防衛しながら待機している『根拠地』にした50階層へと帰還した。その後は少しの休憩をしてオラリオへと帰還をしていた。

 

 しかし、ここでダンジョンが冒険者達に牙を剥いたのである。『下層域』を進んでいたベル達であるが、猛毒性の体液を口から吐き出し、あるいは皮膚から毒を分泌している『ポイズン・ウェルミス』の大群の襲撃に遭ったのだ。

 

 しかも瞬間的な多大な増殖ではなく、層域の広範囲にわたる継続的な増殖での異様な大群となってである。

 

 ベルやアイズ、ベートら主力陣がポイズン・ウェルミスを抑えながら上の階層、上の階層へと逃走する事で難を逃れたものの……被害が無い訳では無く、連合派閥における総団員の二分の一がポイズン・ウェルミスの毒の餌食となってしまい、18階層で野営をしながら治療に励む事になった。

 

 

 そして連合派閥の中でもずば抜けた『敏捷』を有するベートがオラリオへと『ポイズン・ウェルミス』の毒への特効薬を調達しに一足先に向かったのだ。

 

 

 またベートにはロキに伝えるためにフィン達を襲撃した紫紺のローブ、仮面を被って姿も顔も隠した『怪人』の事や59階層にて女体型が強化種として進化しようとした事などを記した手紙をフィンは持たせてもいた。

 

「頑張ってください、皆さん」

 

 野営の天幕の一つはポイズン・ウェルミスの猛毒の被害を受けた者達の看護をするためのそれとなり、ベルは積極的に看護を務めた。

 

『(ああ、ベル君が治療師に見える)』

 

 ひたすらに声をかけ、苦痛によって汗をかく者のそれを拭いたり、食事を食べさせ、水を飲ませたりするベルに猛毒の被害を受けた者達はベルが最高の治療師に見えたりしたのであった……。

 

 

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