白兎は狩人の誓いを   作:自堕落無力

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九十七話

 

 オラリオへの帰還中に下層域で起こった異常事態――猛毒を有する『ポイズン・ウェルミス』による超大群の襲撃を受け、連合派閥は猛毒の被害を受けた団員の療養をせざるをえなくなった。

 

 そうして、安全階層の18階層で連合派閥は野営を始め、『ポイズン・ウェルミス』の猛毒に対する特効薬を取りにオラリオへと先に帰還をしたベートが戻ってくるまで猛毒を受けた団員達の看護をしながらの待機となった。

 

 ベルは積極的に看護をしたし、数日の間に産出された『ゴライアス』も即座に始末した。そのほかは『大樹の迷宮』へと向かい、食糧になる木の実やら果物を取ったりしたのだ。

 

 フィンに頼まれたのでその最中に遭遇したモンスターの魔石と『ドロップアイテム』を収穫したりもする。

 

 そうして働いていたベルだが、何となく気分転換に18階層の森林地帯を一人で歩く事にした。山奥の自然と共に育ったのもあって、ベルは自然が好きで心が落ち着くのである。

 

 

 無論、大好きな女神のアルテミスも自然が好きだというのもあるが……。

 

 

 「(ダンジョンの中なのにここの自然は本当に綺麗だし、神秘的だな)」

 

 ベルは自然の景色を見て楽しんだし、雰囲気も感じて楽しんだ。

 

 しかして……。

 

 

 

「ん、人の気配だ……水浴びでもしているみたいだね」

 

 自然的な水の音では無く、身体を洗っているようなそれだったのでベルは察し、少し待つ。

 

 水浴びを終えた者が衣服を着、装備を身につけたのでベルはその者に近づき……。

 

「あ、リューさん」

 

「ベル……この階層で休憩していたのですね」

 

 動きやすい冒険者としての戦闘衣に木刀、二刀の小太刀、花束を持ったリューがそこにいてリューに声をかけるとリューは軽く応じた。

 

「下層域の――階層で『ポイズン・ウェルミス』が継続的な増殖をしていまして、異常な大群に襲われたんですよ。結構な数の人が猛毒で苦しんでいます。ベートさんが特効薬を取りに行っていますので看病しながら待っている状態ですね」

 

「そうでしたか、ベルは猛毒を受けてはいないようですね」

 

「はい、なんとか……この遠征で改めてダンジョンは油断ならない場所だと思い知りました」

 

「それが学べたのは良い事です。本当にダンジョンは私達の既知に対して未知で襲ってきていますからね」

 

「あふ」

 

 リューは微笑みながら、一旦、花束を片手で持つと空いた手でベルの頭を撫でた。

 

 

「やっぱり撫で心地が良いですね。そして、こうして出会ったのも縁というものでしょう。墓参りに付き合ってもらえませんか? 【アストレア・ファミリア】であったアリーゼ達の……」

 

「勿論です」

 

 リューの誘いにベルはアストレアの世話になった者としては当然だと頷き、リューの先導についていったのであった……。

 

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