神奈川編ラスボス登場。楽しんでいただけたら幸いです。
ギャリイイイイッ!!
「ふんっ…!」
「くっ…!?」
正体を暴かれたルインもとい、マンドリルゴミリオンが変身した偽ルインの回転するタイヤの拳が突き刺さり、エコーは壁をぶち抜いて外に転がる。それに驚いたのは、待機していたウサギとマクマだ。
「え!?なになに!?玄太郎が様子見に行った後になにがあったの!?」
「リーダーと…ヒカリ?なんで戦って……」
「こいつは偽物ですわ!逃げてくださいまし!」
「遅い!」
バクゴーを抱えながら出てきて、混乱しているウサギを押しのけてマクマをもう片方の手で抱え、トレーラーに乗り込む偽ルイン。エコーは足裏の泡で加速して追いかけようとするも、マクマを投げられて慌ててキャッチせざるを得なかった。その間にトレーラーで走り出す偽ルイン。
「お、おい!話が違う!バーンアウトの皆には手を出すな……」
「忘れるな人間、私たちにとってお前らは餌だ。餌を提供する気がないならお前だって殺すだけだ。正体がバレて残れると思っているのか?今頃、本物の萌月留依もトラッシュに回収されているだろう」
「ぐっ……」
助手席で物申すバクゴーだったが、偽ルインの言葉に負けてしまった自分が何か言い返せるはずもなく。トレーラーは崩壊した市街地の道路を走っていく。
「待、てえ…!」
「なに?」
するとエンジン音が轟き、制止の声が聞こえてサイドミラーを見るバクゴー。そこには、アトミックブロックに変身したトラッシュを後部座席に乗せた、バクゴーのバイクを駆るルイと、ホーキージャベリンに乗って滑るように飛んでくるエコーの姿が。どうやら、マクマの介抱をウサギに任せて、追って来たらしい。
「チィ!人間、コイツをやるから足止めしろ!」
「了解だ…!」
『ケタケタ!ケッタ!ゲタゲタ!ゲタ!ゲッター!』
手渡されたジャンクキューブを、装着したままのゲッタドライバーに装填して、バクゴーはゲッタに変身。鼻緒型のアーマーの中に入れてある、小型化した物をありったけ窓からばら撒き、小判を一気に砕いて元のサイズに戻すゲッタ。元のサイズに戻った廃車や瓦礫、建物が転がっていく。
「ゴミなら……トラ!」
『おうよ!全部吸いこんでやるぜええええ!』
「なにい!?」
しかしそれらは、片っ端からトラッシュが取り外したトラッシュドライバーで吸いこんでジャンクキューブにして排出、道路に転がす事で無力化。巨大な建物も、ホーキージャベリンの必殺技を使ったエコーがぶち抜いて大穴を開け、ルイが駆るバイクが突き進む。
「玄太郎!お前なら分かるよな!?それは、俺達の家だ!帰って来い、お前もだ!」
「リーダー……もう、戻れねえよ…!」
「待て、上だ!」
「なに?……っ!?逃げろ、玄太郎!逃げろォ!」
「え?何、が……!?」
自分を説得しようとしていたかと思えば、なにやら上を見て慌て始めたルイたちに首を傾げて、窓から頭だけ出して上を見やるゲッタ。その複眼を、影が覆う。半透明の巨大なクレーンアームのようなものが、トレーラー目掛けて落下してきていた。
「な、何だ!?」
「あれは、王様の……まさか、私まで組み込むつもりか……!?」
それは、それなりの速度で走るトレーラーに難なく追いつくと、トレーラーを鷲掴み。実体化したクレーンアームに取り込まれるようにして、トレーラーがゲッタと偽ルイン諸共、人型に変形。クレーンアームを背中に背負った、象の様に長い鼻と太い手足を持つ9メートルの鋼鉄の巨人が、崩壊した都市に降り立った。エレファントゴミリオンが、産声にしては大き過ぎる咆哮を上げる。
「パオォオオオオオオオオオオオンンンンンッ!!!!」
「……これは、コブラゴミリオンの時と同じ…!?」
『あのクレーンアーム、サイズ変えることもできるのかよ!?』
「俺達のトレーラーが……玄太郎やルーインズドライバーごと……!?」
「デカ過ぎますわよ……!」
『いやー、説明不要!な大きさだね』
「いや……まだマシだ!」
悪夢でよく見る巨人を思い出しながら、ルイのバイクから飛び出してブロック型のグローブをエレファントゴミリオンの右腕に叩きつけるトラッシュ。しかし、何かしたか?と言わんばかりに目を向けられ、スイングされた鋼鉄の鼻を受けて吹き飛ばされてしまった。
「怜二!この……!」
ホーキージャベリンを駆って、両手から泡立ち溢れだした泡をシャボン玉でも作るかのように広げ、弾幕の様に放出するエコー。泡は、エレファントゴミリオンの全身で弾けて爆発、その爆発に包まれて泡塗れになるエレファントゴミリオン。
「パオォオオオオオオオオオオオンンンンンッ!!!!」
「うそっ、無傷ですわ!?きゃあ!?」
そのまま空中で、太い腕に殴り飛ばされるエコー。ビルの残骸に叩きつけられ、壁に埋められる。
「チィ!クソッ!玄太郎とルーインズドライバーを返せ!」
踏み潰そうとするエレファントゴミリオンの踏みつけを、バイクを巧みに操縦して回避していくルイ。エレファントゴミリオンは鼻を振り回して周囲のビルを薙ぎ倒し、その崩落した残骸で圧し潰そうとするが、ルイは瓦礫をジャンプ台替わりにして宙を舞い、残骸の隙間を通り抜けて道路に着地した。
「大丈夫か、ヒカリ……」
「ちょっと、大丈夫じゃないですわ……」
ルイが引きつけている間に、エコーと合流したトラッシュ。しかし、自慢の防御力を誇るブロック型の装甲も、ひび割れて半ば崩れてしまっていた。トラッシュは崩壊していく無人の街と、懸命にバイクを走らせるルイを見て、覚悟を決める。
「……悪いヒカリ。あとは任せた。もうこれしかないんだ」
「怜二、何を……って、それは」
「これしか、ない」
その手に握られたのは、ジャンクキューブ「ウェイスト」。使えば強力な力こそ得るが毒に蝕まれる諸刃の剣だ。それを使おうとするトラッシュの手を、エコーが掴んで止める。
「待って下さいまし」
「これを使わないと、アレは止められないんだ…!」
「止めろとは言いませんわ。だけど……!」
そう言って浄化の泡でジャンクキューブ「ウェイスト」を包み込み、エコーが使っているものと同じ純白のジャンクキューブへと変化した。
「私がいる。あの時と同じじゃ、ありませんわ」
「……ああ、そうだったな。使わせてもらう!」
『ジャンクキューブ!プレス!』
すると空中に人型のドロドロしたエネルギーが出現したかと思えば、洗い落とされるようにして天使のような光の幻影に姿を変え、優しくトラッシュを抱擁する。
『オートラッシュ!息の根ストップ!ウィキッドゾンビー!……クレンジング!!』
ウィキッドゾンビに変身したトラッシュの全身が光り輝く亀裂に包まれ、ドロドロとした液体が泡となって空に吹き飛んで、その姿を変える。
『……光溢れる!ソリッドアライブ!』
不定形だったアーマーは、骸骨をモチーフにしているのは一緒だが、白く輝く丸みを帯びたアーマーへと変わり、その上から覆う様に半透明の翼を交差して閉じた様なアーマーが追加。翼の意匠がついた髑髏をモチーフにした仮面は、聖なる騎士へと変じた
『ジョーカスプレイザー!』
トラの叫びと共に、トラッシュの手からエコーの泡によく似た虹色の液体……体を蝕むはずだった毒が変わった物……が集まって固まり、その手に掃除スプレーを模したタンクがついたサブマシンガンの様な銃、ジョーカスプレイザーが握られる。異様な気配に、ルイを追いかけるのを止めて振り向くエレファントゴミリオン。その巨大な手を伸ばして圧し潰そうとして、ジョーカスプレイザーから放射状に放たれた光弾で掌が粉砕され、そこからルーインズドライバーが転がり落ちた。それを拾い上げ、困惑するエレファントゴミリオンを一旦、無視してルイに投げ渡すトラッシュ。
「ルイ!これを!」
「助かる!」
『お嬢!生きててよかった!』
「話はあとだ、ルーインズドライバー。行くぞ!」
『ルーインズドライバー!ジャンクキューブ・サイクル!』
「変身!」
『
更にルイも、ルインに変身。エコーも、トラッシュの後ろでホーキージャベリンを構え、エレファントゴミリオンは瓦礫を集めて腕を再生しながら、咆哮を上げる。
「パオォオオオオオオオオオオオンンンンンッ!!!!」
「「「さあ、」」」
「ここからは掃除の時間だ!」
「泡にまみれなさいな!」
「真っ白に燃え尽きな!」
三人の仮面ライダーの啖呵がエレファントゴミリオンの咆哮に負けじと轟いた。
改造車であるトレーラーもゴミといえばゴミ、ゴミリオンを作る謎のクレーンアームによりエレファントゴミリオンに変貌。マンドリルゴミリオンも組み込まれちゃいました。これ、ゴミリオンたちも予想外な天災みたいなものなんですよね。
圧倒的な力を振るうエレファントゴミリオンの前に、ウィキッドゾンビをエコーが浄化することで誕生。トラッシュの中間形態ソリッドアライブ。生ごみを固形にして、ゾンビからアライブ、つまり“生きる者”へと昇華した形態です。見た目は簡単に言うと神々しくなった仮面ライダースカル。専用のジョーカスプレイザーが武器。ちなみに天使と翼がモチーフに入ってるけど飛べはしません。
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