仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ついに神奈川編最終話。序盤の山場となります。

ソリッドアライブ初陣。楽しんでいただけたら幸いです。


第十八の清掃:それでもこの世界で生きていく

 エレファントゴミリオンが出現した同時刻。チリヅカ・コーポレーションの開発室。社長から任命された任務をこなした仮面ライダーミラースは、戻ってくるなり変身を解除。ミラースに変身していた少女、ミラこと加賀美香子は、手にした戦果物を届けるべくネリー・ホワイトの研究室を訪れていた。

 

 

「たっだいまー。おみやげだよー」

 

「お帰りー。ルーインズドライバーは回収できたかしラ?ゲッタの戦闘データも欲しいんだけど」

 

「回収は出来たんだけど、ごめん!データ貰ったら、そのままあげちゃった。あ、でもねでもね。ゲッタの戦闘データと、あの子が録画した他の仮面ライダーのデータも手に入れたよ!」

 

「……へえ。気になってたのよね、失踪したトラッシュドライバーと……エコーとか言う、私が作ってない仮面ライダーの実践データ」

 

 

 ミラからUSBを受け取り、データを閲覧するネリーだったが、とある部分を見て首を傾げた。

 

 

「ねえ、トラッシュのデータってこれだけ?」

 

「バーンアウトサイドとか言う場所での記録しかないけど、何で?」

 

「……トラッシュが、通常形態じゃないのよね。防御特化のアトミックブロックばっかり。そもそもトラッシュドライバーは、人が使えるように設計してないのよ。心が綺麗な人間なんて、存在しないんだから。だから、安全性を度外視したウィキッドゾンビを、基本形態と想定してたんだけど……やっぱり、使ってるのは人間なのね。興味深いわ」

 

「社長も何か叫んでたしねー」

 

「まあ、有り得ないとは思うけど、人間の身でウィキッドゾンビをデメリットなしで、使いこなす事がで出来たら……それはもう、無敵でしょうネ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パオォオオオオオオオオオオオンンンンンッ!!!!」

 

「俺が、受け止める!」

 

 

 ジョーカスプレイザーを手に光弾を放射状に放ちながら、エレファントゴミリオンの地面を薙ぎ払ってきた右足を受け止め、破壊するトラッシュ ソリッドアライブ。全身の骨がメキメキ音を立てるも、ウィキッドゾンビ由来の再生能力で耐え抜いた。

 

 

「エコちゃん様!」

 

『エ・コード!…エ・コーストライク!!』

 

「ルーインズドライバー!」

 

『サイクル!クル!クル!クル!クル!…サイケデリックライシス!』

 

 

 体勢が崩れたエレファントゴミリオンに、エコーの飛び蹴りが胴体に、ルインの踵落としが左腕に叩きつけられ、崩壊させる。それでもなお、人型を保っているエレファントゴミリオン。鼻を振るってビルを崩壊させ、その瓦礫で瞬く間に傷ついた部位を再生させていく。

 

 

「なんて再生能力だ…!」

 

「浄化します?」

 

「あのデカさはさすがに無理だろう。恐らく核みたいな物があるはずだ。多分、あのマンドリルみたいなゴミリオンかゲッタか……居場所さえ分かれば、な!」

 

「怜二!」

 

 

 振り回された鼻にしがみつき、天まで打ち上げられるトラッシュ。すると、ある事に気付き、ジョーカスプレイザーの銃口に手をかけると、右に回した。

 

 

『スプレディーゴー!スローリー!』

 

 

 そして急降下しながら撃ちだすと、トラが叫んでレーザーは放射状に拡散せずに巨大な玉を形作って、ゆっくりと圧し潰すようにエレファントゴミリオンの頭部を半壊させる。そのままホーキージャベリンに跨り魔女の様に飛んできたエコーにキャッチされ、ホーキージャベリンに跨りながらエレファントゴミリオンの上空を飛ぶトラッシュ。衝撃により折れた骨も即再生させながら、己の武器の特性に気付く。

 

 

「無事ですの、怜二!」

 

「今の俺の体、ちょっとやそっとじゃ壊れないみたいだ。それにこれ、掃除スプレーと同じ……緩めたり細めたり出来るのか……なら!」

 

『スプレディーゴー!マッハー!』

 

 

 今度は左回しに銃口を回転させてエレファントゴミリオンを狙うトラッシュ。すると今度は細く速くなったレーザーが一筋放たれ、エレファントゴミリオンの心臓にあたる部位を貫いた。すると再生できないダメージを受けたのか、エレファントゴミリオンの動きが止まるが、すぐに再び動き出した。狙いは地上のルインらしく、ルインは逃げながら瓦礫を蹴り飛ばして攻撃するも、ビクともしない。

 

 

「…ヒカリ、泡でアイツの足を奪え!ルイは衝撃を与えて、転倒させるんだ!」

 

「了解しましたわ!」

 

『シャカシャカ!シャットアワー!』

 

「わかった!玄太郎を助けるぞ!」

 

『リサイクル!』

 

 

 ビルの屋上に降ろしたトラッシュの指示に頷き、宙を舞いながらエレファントゴミリオンの足元で泡をばら撒いて泡だらけにするエコー。すぐにバランスを崩し始め、よろよろとバランスを取ろうとするエレファントゴミリオン。

 

 

「パオォオオオオオオオオオオオンンンンンッ!!!!」

 

「汚名返上!仮面ライダールインは燃え尽きるまで突っ走る!」

 

『サイクル!クルクル!…サイクルーツ!』

 

 

 さらに、瓦礫で即席のジャンプ台を作ったルインがその上に両手を置き、両手のタイヤを回転させると、加速して射出。渾身の頭突きがバランスを取ろうともがいていたエレファントゴミリオンの鼻ごと胴体に炸裂。鼻を叩き折られたエレファントゴミリオンは体勢を崩して、遂にひっくり返る。その際、右腕で胸部を守るように抱いていた。

 

 

「その腕を、破壊する!」

 

『スプレディーゴー!カクサーン!』

 

 

 銃口を真ん中に戻しながら跳躍、壁に指を突き刺してゴリゴリと音を立ててゆっくりと降下しながら放射状に拡散するレーザーを雨の様に放ってエレファントゴミリオンの太い腕を粉々に破壊していくトラッシュ。右腕を完全に破壊され鼻が折れているエレファントゴミリオンは、せめてもの抵抗と左腕を伸ばすが、巨大なレーザーの玉に消し飛ばされる。

 

 

『スプレディーゴー!スローリー!』

 

「これで、とどめだ!」

 

『スプレディーゴー!マッハー!』

 

 

 すかさず左回しに回転させて、トラッシュドライバーから外したひび割れたジャンクキューブをジョーカスプレイザーの上部に装填。撃鉄の様なパーツを引っ張ってジョーカスプレイザーで圧縮してエネルギーを絞り出して集束させるトラッシュ。銃口に眩いほどの青いゴミルギーが集束される。

 

 

『トラッシュ!ジョーカスプレ・イレイザー!』

 

「喰らえ…!」

 

 

 そして、凄まじいゴミルギーを圧縮したレーザーが、高速で発射。最後のあがきと言わんばかりに振るった折れた鼻ごと胴体を、そこにいたマンドリルゴミリオンごと撃ち抜き、巨大な風穴を開けた。

 

 

「パオォオ……ンッ!!!?」

 

 

 断末魔を上げながら穴を基点に崩れ落ちていくエレファントゴミリオン。瓦礫の山と化したそれに駆け寄るルイン、エコー、トラッシュ。バクゴーの安否を確認するためだ。

 

 

「甘すぎるぜ…リーダー!」

 

「なっ…!?」

 

 

 しかし、瓦礫の山を突き破って小判が散らばるとともに返されたのは、下駄の様な脚。どうやら、瓦礫を蹴って縮めながら、脱出したらしいゲッタの脚に三人纏めて蹴り飛ばされ、縮んで吹き飛んでいく。それを確認し、小判三つを拾い上げながら満身創痍のゲッタは、肩で息をする。

 

 

「はあ、はあ……俺は、諦めない。どんな方法を使ってでも、俺は…!」

 

「……仮面ライダーの名を穢し続けるのかしら」

 

「え…?」

 

 

 声が聞こえて、振り返る。するとそこには、マントを翻して降りて来たらしい、仮面ライダーデリートがそこにいた。太陽の逆光で影が差した姿は、仮面とはいえ表情が見えない。

 

 

「社長には、ああ言われたけど……仮面ライダーの名を殺人という汚名で穢した貴方は、許さない…!」

 

「仮面ライダー…?どこの誰だか知らねえが……お前も縮めてやる!」

 

『待て旦那。コイツは不味い…!あんたの憧れた掃除屋だ……!』

 

 

 ゲッタドライバ―の制止の声も聴かずに連続で蹴りを繰り出すゲッタ。しかしそれは、取り外して投げられたマントに阻まれてしまい、布は蹴る事が出来ずに纏わりついて視界を塞ぐ。それを藻掻いて外そうとするゲッタ。それを横目に、デリートバックルに納めたデリートナックラーを、何度も勢いよく押し込んで、ジャンクキューブを限界までヒビ割れさせ、エネルギーを充填したデリートナックラーを引き抜き、左の掌に叩きつけるデリート。ゲッタがマントを外した時には、もう遅かった。ルインの悲痛な声が響き渡る。

 

 

「やめろおおおおおおお!」

 

「仮面ライダーデリート。掃除(しごと)・開始」

 

『ジャンクラッシュ・ヘル&ヘブン……!』

 

 

 そのままデリートは、ゲッタのゲッタドライバーに手を掛けると無理矢理取り外し、デリートナックラーを握った右拳を猛連打。

 

 

「うっ……ああああああああああっ!?」

 

 

 パンチのラッシュを浴びせて、ゲッタの体を潰して圧縮。キューブ状に変えてしまい、最後はデリートナックラーによる右ストレートで殴り砕いた。ゲッタだった破片が、辺りに散らばる。同時に、小判も殴り砕かれて元のサイズに戻ったトラッシュ、エコー、ルインは、茫然とするしかない。

 

 

「デリート、完了」

 

「……そんな」

 

「ひどい……」

 

「っ……なんでだ、なんで殺した!?」

 

 

 一足早く正気を取り戻したルインが掴みかかるが、昨晩のダメージで満身創痍だった身体は簡単に押しのけられ、転倒する。それを気にも留めずに、デリートはマントを手に取ってビスに取り付けながら、跳躍してビルの上に飛び乗る。

 

 

「奴は一線を越えた。だから始末した。それだけよ」

 

「っ……でも、俺の仲間だ」

 

「仲間なら、手綱ぐらい握っていなさい」

 

 

 そう言い残して、ゲッタドライバーを手に跳躍して去っていくデリートに、ルインはその場で歯噛みするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな形で終わってしまって、残念だよ」

 

「でも、いいところでしたわ」

 

 

 数日後、バーンアウトサイドの入り口にて。マシントラッシュトライカーに跨った怜二とヒカリがそう告げる。それを見送る面子は、バクゴーを除いたチームバーンアウトのメンバーとバーンアウトサイドの住民たちだ。

 

 

「俺達のいざこざに巻き込んでしまって、悪かったな。バクゴーの葬式にまで参加してくれて……本当に、ありがとう」

 

「こっちから巻き込まれたみたいなもんだし気にしなくていいよ。……全員は無理だけど、バーンアウトのメンバーぐらいなら俺の家で住めるぞ?」

 

「馬鹿言うな。ここが俺達の家だ。手放すかよ。バクゴーのおかげで馬鹿をやろうとしてた奴らも見当がついた。俺達の問題は俺達で何とかするさ」

 

 

 そう笑顔で言ってのけるルイに、怜二とヒカリも自然と笑う。

 

 

「そっちこそ行き倒れていた俺達を助けてくれて、ありがとう。何かあったら呼んでくれ。すぐ助けに来るよ。掃除ぐらいしかできないけどな」

 

「お前もな。旧式のスマホだが、番号は通じるからいつでも呼べ。助けられた恩は返すさ」

 

「律儀ですわね。そう言うところも好きですわよ。ルイ」

 

「お前のそのド直球なところもな。ヒカリ」

 

 

 そうルイと言葉を交わして、怜二とヒカリは旅立った。目指すは新東京都。我が家が待っている。…どんな悲劇が起ころうと、どんなにひどい世界だろうと、それでも彼らはこの世界で生きていく。




というわけでこういう結末でした。キレてたデリート、社長の意向とか関係なく粛正。仮面ライダーたちの仮面ライダーたる戦いを見守っていたらすべてを台無しにするやつが出てきたから参戦した形。

実は想定された通常形態ではなかったアトミックブロック。なんで防御に特化していたのかはこういう理由でした。

ソリッドアライブの能力は、ずばり不死。ウィキッドゾンビの頃からあった再生能力が頑強になってます。そして、掃除スプレーの如く大小を切り替えて弾速と威力を調整できるジョーカスプレイザー。音声は全部トラが叫んでます。ベルトさんとシフトブレスの関係。

舞台は再び新東京都へ。

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