仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。最近スランプの様なのでゆっくり書けるものから書いていきます。

今回はベノム誕生の影響による、悪党どもの会合。楽しんでいただけたら幸いです。

※2/24修正
流希奈と竜美の口調が被ってたので竜美の口調を変更しました


第二十四の清掃:薄汚れた国の支配者共

 破壊の限りが尽くされた、ベノムが倒された跡地。雨が降り注いでいるチリヅカの社員によって立ち入り禁止となっているそこで、蠢くなにかがあった、同時刻。チリヅカ・コーポレーション本社ビルの最上階、社長室で六道捨我は窓の外で降りしきる大雨を眺めながら秘書である巻野凛からの報告を受けていた。

 

 

「仮面ライダーベノム……こうもあっけなく倒されるとは残念だ。この世で最も塵塚怪王に近しい存在だったというのにあの程度の力しかないとは……」

 

「……なぜ私を呼ばなかったのかしら」

 

 

 接客用のソファに座り不満を告げるのは仮面ライダーデリートこと掃除屋。自分がゴミリオンを退治している間に起きた大惨事を凛から知らされたのがついさっき。不機嫌な掃除屋に、凛はたじたじだが六道はどこ吹く風で肩を竦めた。

 

 

「あれは塵塚怪王の残穢(ざんえ)から偶発的に生まれた副産物だ。ゴミリオン専門の君の手に煩わせるわけにもいかないだろう?」

 

「どうして五年前に倒されたはずの塵塚怪王の系譜が、今更生まれるの?ゴミリオンは塵塚怪王の置き土産だと理解しているわ。だけど……」

 

「余計なことは聞かない方が身のためだ。君は契約に従い、仮面ライダーデリートとして戦い続ければいいのだよ。掃除屋」

 

「……一つだけ警告しておくわ。私に隠し事をしてたら承知しないわ」

 

「善処しよう。なにせ守秘義務があるからな」

 

 

 六道を睨みつけて立ち上がり、踵を返して出ていく掃除屋を見送り、凛は手元のタブレット端末に表示された名前を見て眉を顰めた。

 

 

「社長。「雪鬼組(せっきぐみ)」の氷室蒼牙(ヒムロそうが)組長と「キキラ・インダストリーズ」の金乃流希奈(かねのルキナ)社長、「葛柳会(くずりゅうかい)」会長の九頭竜美(くずタツミ)様から着信です。お出になりますか?」

 

「そろそろ来ると思ってたが同時とはな。若い者は気が早い。回線を開いてくれ」

 

 

 そう告げたシャガが振り向いた壁に映し出されたのは、それぞれ別のカメラで撮っているであろう3人の人物。一人は白髪オールバックに白のダウンジャケット、深い蒼の瞳の左目にかけてある凍傷らしき傷痕が特徴的な貫禄ある若い男。一人は黒と金に彩られた中国マフィアのボスが着る様なスーツに身を包み、同じカラーリングのロングコートを羽織っている、名前や服装に反して肩まで伸ばしてカールさせている髪は鉄色、目つきが悪すぎる瞳は銅色をしている美女。もう一人はどう見ても16、17歳の未成年なアルビノの少女で、セーラー服の上から九頭竜の紋様が記された灰色のコートを羽織っている。

 

 彼らはそれぞれ、北海道を牛耳り食料の調達をしている雪鬼組の若きリーダーと、四国で金の流れを操作しているチリヅカと同じぐらい発展を遂げた大企業キキラ・インダストリーズの女社長、九州を支配し鉄などの物流を管理している葛柳会なるヤクザを受け継いだ跡取り娘、つまり現在の日本を実質的に支配している六道と肩を並べる存在であった。

 

 

《「おいおい六道社長さんよお。話は聞いたぜ。仮面ライダーベノムとやらが大暴れしたんだってな?」》

 

《「新東京都とチリヅカの株価は、大暴落だ。取り戻せんのかよ?」》

 

《「チリヅカと新東京都に結構被害が出たと聞きました。彼にも被害が出ていないか心配ですね……まだ行方が分からないのですか?」》

 

「君達の言っていることは事実だが、既に我が社の幹部一同で潰した。なにも心配はない。それと九頭会長、この新東京都に何人の人間がいると思っているんだ。正体を隠していた彼の行方を捜すなんて不可能に等しいのだと理解しているのか?」

 

《「それをどうにかするのが契約だったはずでは?物流を断ち切ってもいいんですよ。なんならあたし自ら新東京都に出向いて彼を捜してもいいんです」》

 

 

 丁寧ながら圧のある口調の竜美の提示した言葉に困った顔を浮かべる六道。凛は珍しいものを見た、と感心した。この年下の、それも未成年の彼女を怒らせたら厄介を超えて詰み(チェックメイト)だとよく知っているが、それでもすべてが掌の上だと言わんばかりの男が振り回されるのを見るのは珍しい。それもそうだろう、なにせ六道が元祖であるネリーの技術と関係なく独自の技術と鍛錬のみで“最強の仮面ライダー”の称号を手に入れた少女だ。

 

 

「それは困るな。善処しよう。それで流希奈嬢、キキラ殿はいかがお過ごしかな?」

 

《「勝手に私の恋人の名前を言うんじゃねえ……まあ、キキラを崇め気にするのは当然だが」》

 

《「物流止められたら何もできないくせに偉そうですね……」》

 

《「物流にも金が必要なのが、分からねえ様だなぁ?世間知らずの小娘は」》

 

 

 画面越しにバチバチと火花を散らす流希奈と竜美に肩を竦める六道。そんな六道に氷室は問いかける。

 

 

《「女同士のキャットファイトなんて犬も食わないぞ。それで、もう問題はないんだろうな?俺の手下が運送する食料を積んだトラックが襲われでもしたらただじゃおかないぞ」》

 

「何のために我が社から派遣した護衛をつけていると思っている。北海道で安定して供給される食糧は我々にとって命綱だ。万全を期するさ。なんなら幹部の一人を護衛に付けてもいい」

 

《「そうしてくれ。こちらも奴隷が何人か倒れたから人手が足りないからな。九頭会長も、冗談でも物流を途絶えさせないでくれよ?」》

 

《「あたしと戦って一発でも入れたら考ます、どうです?」》

 

 

 氷室の言葉に挑発する竜美。六道はやれやれと頭を押さえた。

 

 

《「乗った。首を洗って待っていろ」》

 

《「だったら、私が先にやらせて貰う。いい加減、お灸を据えてやるよ」》

 

「勝手にしてくれたまえ…」

 

『クズリュゥードライバァー……!』

 

「待て、ここで始める気か?」

 

 

 画面の向こうで紅い竜の顔を模したガントレットを右手に装着しだす竜美に思わずツッコむ六道をよそに、流希奈も何の変哲もない木製の黒い鞘に納めた金・銀・銅に彩られたド派手な¥マークをモチーフとした、長剣の様なものを取り出した。九州と四国は近いため、今からかち合うつもりだろう。パワーバランスとか考えてくれ、と六道は頭を抱えた。

 

 

『クレジッドライバー』

 

《「今日こそ……換金してやる……!」》

 

『ジャンクレジット・ローディング』

 

 

 ジャンクキューブとはまた違うクレジットカード型のアイテムを$マークに似た装飾が施されたスライドカバーがついた鍔に装填し、剣を引き抜く流希奈。取り出したジャンクキューブを球体にしたようなアイテムを取り出して牙の様になっている右手で握りしめ、左手を打ち付けてガントレットの掌に装填する竜美。

 

 

『ジャンクオーブ・()ラップ!』

 

《「変…身!」》

 

《「覚悟しろよ、トカゲ娘!変身!」》

 

 

 それぞれの画面で、流希奈は黄金の光に包まれ、蜷局を巻くかのように出現した紅い龍の幻影が螺旋状に竜美を包み込んでいく。

 

 

『スラッシュ・クラッシュ・キャッシュ』『仮面ライダーキャッシュ』

 

()レイジーニアス!ルナティッ()チャレンジ!ジャン()ドラゴン!』『仮面ライダー!クズリュー!!!』

 

 

 現れたのは、黄金の勇者の様な仮面ライダーと、ガントレットと合わせて九つの龍で形成された赤黒い異形の仮面ライダー。

 

 

《「仮面ライダーキャッシュ……てめえの価値は、0円以下だ!」》

 

《「仮面ライダークズリュー……貴女の命運は尽きました」》

 

《「いいねいいね!せいぜい潰し合え!」》

 

「……死なないようにな」

 

 

 六道は諦めた。どうでもいいが、ジャンクレジットにジャンクオーブを見てため息を吐く。自分が発明したジャンクキューブ以外にゴミルギーを活用するアイテムをポンポン発明しないでほしい。




というわけで仮面ライダービルドにおける首相たちに当たる存在が明かされました。廃棄物症候群を乗り越えた日本は今、四つに分かれていた…!


・新東京都及び本州:チリヅカ・コーポレーション
 現在の世界を実質的に支配している社長、六道捨我。世間的には廃棄物症候群における大英雄。

・北海道:雪鬼組
 「食」で北海道を牛耳り食料の調達をしている雪鬼組の若き組長、氷室蒼牙(ヒムロそうが)。「奴隷」を扱っているらしい。

・四国:キキラ・インダストリーズ
 「金」で四国を支配して金の流れを操作しているチリヅカと同じぐらい発展を遂げた大企業の女社長、金乃流希奈(かねのルキナ)/仮面ライダーキャッシュ。社名にもなっているキキラなる恋人がいるらしい。

・九州:葛柳会
 「力」で九州を支配し鉄などの物流を管理しているヤクザを受け継いだ跡取り娘、九頭竜美/仮面ライダークズリュー。目的は「彼」を捜すこと。最強の仮面ライダー。

※クズリューは過去作のダークライダーを改変して採用しました。

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