今回はクズリューVSキャッシュ、そしてトラッシュ達の戦いにも変化が…?楽しんでいただけたら幸いです。
九州と四国を隔てる、何故か
『ジャンクレジット・アビリティ』
「空も飛べないのか?最強!金と私の価値の重さを知れ。最強は私だ!」
『グラビティ・キャッシング』
「そう吠えないでくださいよ。ちゃんと相手をしてあげますから」
そう言ってクズリューが取り出したのは水色の宝石のように輝く球体、ジャンクオーブ。ゴミを加圧して生み出されたそれを、右手のガントレット、クズリュードライバーの掌に装填して握りつぶして手の甲にある竜の頭部を象ったレリーフを叩くクズリュー。
『怠惰!』
『グラップ!
「乱気流の中でも飛べますか?」
するとクズリューを中心に竜巻が発生、その身体を宙に浮かべると海水すら巻き上げる乱気流となって荒れ狂い、それだけで振り回されるキャッシュ。さらにクズリューがくいっとクズリュードライバーをはめた牙の様な右手の人差し指を動かすと、宙に浮かんでいた瓦礫がその指の動きに合わせて引っ張られる様に飛来。背後からキャッシュに炸裂して吹き飛ばす。
「ちっ……今のは風じゃないな、なんだ?」
「ああ、生憎と……デフォルトの能力です」
そう言って両手をまるで指揮棒の様に振るうクズリュー。それに合わせて瓦礫が飛来し、キャッシュはクレジッドライバーを振るって斬り飛ばして防いでいく。しかし、瓦礫は漆黒の津波の様にクズリューの周囲に滞空し、まるで獣の群れの如く待機して今にも狙わんとしていた。
『ジャンクレジット・アビリティ』
「金はあればある程、輝く!」
『シャイン・キャッシング』
赤色のジャンクレジットを読み込ませてクレッジドライバーを天空に掲げ、雲の隙間から覗く太陽光を集束させてレーザーにして、剣を振り回しそれに合わせてクズリューの周りのを瓦礫を薙ぎ払うキャッシュ。そのままクズリューを狙い、瓦礫を蹴り飛び退いて回避したクズリューの腕を焼くことに成功。
「ぐっ…やってくれましたね」
仮面の下でピキピキと青筋を立てながら青色のジャンクオーブを取り出してクズリュードライバーで握り砕して拳を振りかぶる。
『色欲!』
『グラップ!
するとクズリュードライバーからとてつもない冷気が放たれ、津波で飲み込まんとしていた海を凍らせて津波の上に着地。同時に吹き荒れていた暴風が消えるも、クズリューはそのままクズリュードライバーを振るい、空中に
「目くらましか…!?」
「ご明察です」
『憤怒!』
『グラップ!
水蒸気に紛れながら赤いジャンクオーブを取り出してクズリュードライバーで握りつぶし、勢いよく右手を振り下ろすクズリュー。すると上空に暗雲が立ち込めて水蒸気を突き破るようにして龍の形をした赤い稲妻が落ちてきて、キャッシュを貫いた……かに見えた。
『アロイ・キャッシング』
「言うなれば超剛金って所さ。電気は通さない」
「ちょっとはやるようですね」
キャッシュは銀色のジャンクレジットを読み込ませて防御力を上げていたのだ。多彩な手段を用いる者同士、千日手になりかねない状況に、クズリューは不機嫌そうに肩を竦めると何も装填せずに拳を握ったクズリュードライバーの龍のレリーフを五回叩き、周囲の瓦礫やガラクタを右手の周囲に集束させて、五指の指先が龍の頭部になっている、ちょっとした島ぐらいなら握りつぶせそうな巨大な掌を形作った。
『グラップ!デスパレートデブリ!』
「ですが関係ありません。いつも通り『力』で押し通る」
もはや隕石級のあまりの規模に一瞬面食らうも、すぐに気を取り直し虹色のジャンクレジットを装填するキャッシュ。
『ファイナルキャッシュ』
「ならばこちらは『金』だ。取り立ての時間だ!」
クズリューの腕の動きと共に振り下ろされる巨大な掌。周辺の四国や九州の住民は隕石の衝突と見紛うそれに逃げまどう中、空中に浮かぶキャッシュは無数の金貨や札束のオーラを全身に纏って、両手で握ったクレッジドライバーにそれを集束して振りかぶる。
『マネー・オブ・フィーバー』
そして黄金の長大な斬撃波を放ち、巨大掌を横に真っ二つに斬り裂くことに成功。斬り裂かれた掌は元の瓦礫や岩に戻り、海に降り注いで氷の海面を砕いた。
『キャッシュ・レス』
「債務回収、完了だ」
「誰がそれだけだと言いました?」
残心していたのも束の間。龍のレリーフを九回叩いたクズリューの体が浮かび上がり、その背に瓦礫や岩が集束。円形に広がる様に九匹の龍……すなわち九頭龍が形作られ、咆哮を上げた。
「「「「「「「「「グオォオオオアアァアアアアアアアアッ!!!」」」」」」」」」
『グラップ!デスパレートクズリュー!』
「その力に敬意を称して、丁寧に磨り潰してあげますね」
「っ……」
次々と襲い掛かってくる九頭龍を、クレジッドライバーで斬り弾き、斬り捨て、応戦するキャッシュ。しかし斬り飛ばされた龍の頸が不自然に何事もなかったかのようにくっつく姿を見て、その不可視の力の正体に気付いた。
「磁力か…!」
「ご明察です。わかったところで、となりますが」
「金も金属、なんだよ!」
『マグネット・キャッシング』
ならばと緑色のジャンクレジットを読み込ませて磁力を操り結合を解こうとするも、剣先を向けたところで背後や横から別の九頭龍が襲い掛かり、上へ左へ弾き飛ばされてしまうキャッシュ。数と質量の差は如何せんどうしようもない。
「その程度ですか、最強?ほらほら、逃げ道がなくなりますよ」
『アルケミー・キャッシング』
「くっ……!?」
変身にも用いた金色のジャンクレジットを読み込ませるキャッシュだったが、時すでに遅し。上下左右前後、全方位から九頭龍が迫ってきていて。圧倒的な質量が全方向から襲い掛かり、過度な圧力が加えられえていき、そして。キャッシュはぺしゃんことなって最後は粉々に砕け散った。
『デッドエンド!』
「あー、すっきりしました。今日はこれぐらいで許してあげますよ」
《「はあああああああ……頭が痛い……情報操作も面倒なんだが」》
《「次は俺の番か、アレに一撃当てないといけないとはな!ははははは!勝手に戦え!」》
六道と氷室の声を聞きながら九頭龍をもとのガラクタに戻して海にボトボトと落としながら、クズリューは九州へと帰還するのだった。
数刻後。四国のキキラ・インダストリーズ社長室にて、金髪金眼のウェーブ掛かったロングヘアーに金色の美しいドレスを纏ったツリ目の女性が、戻ってきた流希奈を出迎えていた。
「流希奈お疲れ様~。流石は我の恋人〜めっちゃ素敵だったわ〜」
「ああ、キキラ。あんな挑発してる様じゃ、やはり甘い。それに、奴と本気でやり合う必要も無かった。ただ、奴の能力特性を確かめたかっただけさ」
「あの子と違って貴女には金の神である我がついているのだものね~」
錬金術を使えるアルケミー・キャッシングで身代わりを作って磁力の反発を利用して逃走に成功していた流希奈は椅子に座り、キキラ……流希奈と共に四国を守りその信仰を一身に受け止めている超常的存在がその隣に侍る。この世の終わりに近い日本を、まだ神は見捨てて居なかった。そしてそれは、四国だけではない………。
九州の辺境で、メカニカルな鎚を振るい鍛冶を行う青年が一人。
「カガリさま。こんなんでどうですか?」
『腕を上げたな、俺様の力を受け止める武具ももうすぐ作れそうだ!
北海道の教会で、傍らにメカニカルな十字架を置いて子供たちと笑い合うシスターが一人。
「はいみんな。ご飯にしましょー」
『拙は嬉しく思います、
「だからセキカ様。私は聖女って柄じゃないって…」
そして新東京都で。
「エコちゃん様?なにしてますの?」
『……いいや。ボクはいつも通りだよ』
「……ああ、私。人間じゃないんだ……ちゃんと、死んでればよかったのに……」
『そんなこと言うなよ、相棒!俺達だから死ななかったんだぜ!また暴れよう!チリヅカの奴らを皆殺しにするんだ!ギャアハハハハハハッ!』
神がいれば悪魔もいる。トラッシュの戦いは、次のステージへ。
というわけでこの世界には神が実在するっていうね。
赤『憤怒』雷 憤慨の神鳴《ふんがいのかみなり》
『憤怒!』
青『色欲』氷 劣情の雹葬《れつじょうのひょうそう》
『色欲!』
水色『怠惰』風 無為の嵐禍《むいのらんか》
『怠惰!』
からわかるとおり、クズリューの磁力操作以外の能力は七つの大罪からとってます。あれ憂鬱と虚飾も合わせるとちょうど九つなのよね。掃除仮面ライダーとしてのモチーフは、廃材の鉄だけを引き寄せるマグネットクレーンとブレス機。つまりちょっとトラッシュとコンセプトが似てます。
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