仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。早いもんで三話目。どんどん要素を出していきたいところ。

今回は零号ライダー登場。その名は「デリート」楽しんでいただけたら幸いです。


第三の清掃:掃除屋デリート

 バットゴミリオンを倒し、駆け寄ってきたヒカリの前で変身を解く怜二とトラッシュドライバーの名乗った「トラッシュ」に、首をかしげるヒカリ。

 

 

「トラッシュ、と言われても……まだ都市伝説の〝仮面ライダー”と言われた方がしっくりきますわ」

 

『仮面ライダー?なんだそりゃ?』

 

「確か、廃棄物症候群(トラッシュシンドローム)の際に目撃されたっていう謎の戦士か?正体不明の怪物と戦ってたっていう」

 

 

 五年前に起きた廃棄物症候群(トラッシュシンドローム)。ゴミが溢れだしたその前後に、謎の怪物が現れ人々を襲った。未だに正体不明のそれらは、突然人々の悲鳴に呼応するように現れた仮面ライダーと呼ばれる戦士によって倒された、らしい。らしいとは、怪物なんて眉唾物で、仮面ライダーもいるかどうかわからない噂程度の存在だからだ。だがゴミリオンが存在する以上、もしかしたら実在しているかもしれないが。俺、あの時のことほとんど覚えてないんだよなあ。五年前だし仕方ないか。

 

 

「なら俺たちは……仮面ライダートラッシュ、か?」

 

『いいなそれ!これからそう名乗ろうぜ!』

 

「いいのかなあ……」

 

「私も、それがいいと思いましてよ!きっと、これから新東京都で噂になるはずですわ!仮面ライダーは実在するのだと、市井の民を安心させる意もありますわ!」

 

『正義の味方の仮面ライダー、トラッシュ!良い響きだなあ相棒!』

 

 

 熱弁するヒカリと満足げなトラッシュドライバーに押されて、たじたじな怜二。

 

 

「市井って……本当にお嬢様なんだな、ヒカリ。とりあえず、ヒカリの免許をとらせるにしても、その服を何とかしないとな。……この公園の掃除もひと段落はついたし、一度戻るか。ついてきてくれるか、ヒカリ?」

 

「え、わたくしもついていってよいので?」

 

「助けるって決めたんだ。最後まで面倒みるさ。めんどくさいけど会社を立ち上げて雇うのが一番かな……」

 

『お、社長になるのか相棒!良いと思うぜ!』

 

「そ、そこまでしていただかなくてもよいのですわ!」

 

 

 ぼやきながらゴミ山をトラッシュドライバーで掃除しながら出口に向かう怜二に、慌ててついていくヒカリ。

 

 

『……いいなあ』

 

 

 それを、ゴミ山の中から見ている者がいるとは、誰も気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすぐ出口だ……あれ?」

 

 

 出口に差し掛かると、依頼人の老婆が誰かと会話しているのが見えて首をかしげる怜二。黒いスーツにサングラスをかけたスタイル抜群のサングラスの上からでもわかる美女だった。傍らに改造されているバイクを置いている美女はこちらに気付くと、サングラスをずらして綺麗な瞳で怜二たちを見て告げた。

 

 

「貴方たちがここの掃除を請け負ったフリーの清掃員かしら」

 

「そうですけど、貴女は?」

 

「私は〝掃除屋”。チリヅカ・コーポレーションに雇われた、廃棄物が関わる超常の第一人者よ。ちょうどよかったわ。私は、チリヅカも含めた多数の会社の清掃員が次々と行方不明になっている件を追っているの。生きてここから出てきたのは貴方たちが初めてよ。何か知っているかしら。例えば……怪物とか?」

 

「!」

 

 

 その言葉に、咄嗟にトラッシュドライバーとジャンクキューブを入れているゴミ袋を強く握りしめる怜二。ヒカリはおろおろしている。怜二は一呼吸おいて、掃除屋に告げた。

 

 

「怪物なら見ました。二体。まだいるかもしれません」

 

「へえ。目撃者は初めてよ。アレに出会って五体満足で生きて帰ってくるなんて。何か隠してるのかしら。私、隠し事は嫌いなの」

 

「嘘はついていません。俺達、逃げて来たんです。なあ、ヒカリ」

 

「へ?あ、はい!そうですわ!」

 

「そう。……なら、放っておけないわね」

 

 

 瞑目するとバイクの後部座席に固定されていたアタッシュケースを手に取り、歩いていく掃除屋を、咄嗟に呼び止める怜二。

 

 

「ダメだ!アイツらは危険だ!まだいるかもしれないんだぞ!」

 

「それは、貴方たちが出会った二体はもういないってことかしら?なら確認しないわけにはいかないわ」

 

 

 そう言い残し、掃除屋はゴミ山の陰に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴミ山の間を縫うように歩いていく掃除屋に、こっそりゴミ山に隠れながら尾行する怜二とヒカリ。もしなにかあったら助けに入ろうという考えだ。

 

 

『おい相棒。あいつ、俺を連れ戻しに来たんじゃないのか?』

 

「だったら怪物を探してるなんて言わないよ。アイツの目的は多分ゴミリオンだ。なにするつもりかしらないけど、助けなきゃ」

 

「まだあの怪物がいるんですの…?」

 

「ヒカリまでついてこなくてよかったんだぞ?」

 

「わたくしをあそこに一人、置いていくつもりでしたの!?」

 

『おいうるさいぞ2人とも。あいつが止まった』

 

 

 掃除屋がゴミ山に囲まれたちょっとした広場で立ち止まり、アタッシュケースを置いて開き、中から紫を基調とした長方形のバックルがついた赤いベルト「デリートバックル」を取り出して腰に巻いて装着。懐からナックル型の装備「デリートナックラー」を取り出すと右手の指にはめ、ベルトの左側についた六つの四角いホルダーから黒紫色に塗られたジャンクキューブ…Dジャンクキューブを左手に握ると告げた。

 

 

「……出てきなさい。ゴミリオンがここに集まっているのは調べがついているわ。なにが目的なのかは知らないけど、掃除させてもらうわよ」

 

「餌がなにか言ってるぞ……」

 

「ゴミはゴミらしく黙ってろ…」

 

「スパイダーとバットがやられたからって人間なんかこわくないぞぉ……」

 

 

 そこにゴミ山から湧き出るように現れたのは、犬の様な顔を持つゴミで形作られクレーンアーム型の装甲を付けた三体の怪人、ドッグゴミリオンだった。

 

 

「相棒、行くぞ!」

 

『おうよ相棒!トラッシュドライバー!ジャンクキューブ!プレス!』

 

「変身!」

 

『ジャストラッシュ!あっと驚く!アトミックブロック!』

 

 

 それを確認するなり、トラッシュに変身しながら乱入。ブロック型の拳で殴りかかるトラッシュ。しかし、コンビネーションを得意としているらしいドッグゴミリオンは一人を攻撃している隙に二体で攻撃。トラッシュは翻弄され、三体纏めての咆哮を受けて地面に転がる。

 

 

「…そのベルト。トラッシュドライバーの仮面ライダーね」

 

「ここは俺が何とかするから、貴女は逃げるんだ!」

 

「いいようにやられている素人に任せてられるわけないじゃない」

 

『ジャンクキューブ……セット……』

 

 

 掃除屋は襲い掛かってくるドッグゴミリオンの攻撃を紙一重で身体を最低限ずらすだけで避けながら、Dジャンクキューブをデリートナックラーに装填、デリートバックルに差し込んで、掲げた左手をぐっと握り込む動きをしながら右手でDジャンクキューブを、スライドするデリートナックラーで叩きつけるように押し込み、告げた。

 

 

「変身」

 

『メキメキ……!バキン……!ジャンクラッシュ・デリート……!』

 

 

 するとDジャンクキューブがバックル内で粉砕され、取り囲む様に散らばった無数のジャンクパーツが掃除屋に纏わりつく事で姿を変えていく。黒紫色のボディと装甲を明るい紫色のジャンクパーツと金色のビスの様なパーツで止めた、まるでバイクを人型にしたような姿で、赤い複眼を輝かせながら黒いマントをはためかせて、ドッグゴミリオンの咆哮を弾き飛ばす。

 

 

「仮面ライダーデリート。掃除(しごと)・開始」

 

 

 三体纏めて襲い掛かってきたドッグゴミリオンの爪の一撃をマントで受け止め、防御。次々と正拳突きを叩き込み、ドッグゴミリオンを殴り飛ばしていくデリート。

 

 

「群れないと戦うこともできないの?」

 

「きさまぁあああ!」

 

 

 マントを取り外し、襲いかかってきたドッグゴミリオン一体の顔にかぶせて妨害。前が見えなくなってふら付くドッグゴミリオンをデリートナックラーを取り付けた右拳で殴り飛ばして別のドッグゴミリオンにぶつけ、その反動でマントが外れたドッグゴミリオンの鼻面に拳を一撃。怯ませると、アッパー。裏拳。ブロー。正拳突きを次々とデリートナックラーをつけた拳を叩き込んでいく。それだけで、全身拉げたドッグゴミリオンは崩れ落ち、爆散した。

 

 

「大したことないゴミだったわね」

 

「す、すごい……」

 

「ゴミの分際でよくも兄弟を…!」

 

 

 怒りのままに突進する三体目のドッグゴミリオンの爪の一撃を左手で受け止めたデリートはその勢いのまま、背後で呆けているトラッシュ目掛けて投げつけ、ホルダーからDジャンクキューブ「鉄」を取り出してデリートナックラーに取り付け、拳を打ち合う様に左拳を叩きつけて粉砕する。すると砕け散った破片がデリートナックラーに集束し、巨大な鉄の拳を形作り、三体目のドッグゴミリオン目掛けて振りかぶった。

 

 

『ジャンクラッシュ・ヘブン……!』

 

「はあああ!」

 

「ワオオオオオンッ!?」

 

 

 拳と地面の間に叩き潰された三体目のドッグゴミリオンは爆散。二体目であり最後のドッグゴミリオンは戦慄していたが、すぐさま勝ち誇る。

 

 

「馬鹿め!俺達の真の姿を見せてやる…!」

 

 

 すると崩れ落ちた他二体の残骸が浮かんで集束し、三つ首で大柄のドッグゴミリオンへと変貌、巨大な咆哮を上げてデリートとトラッシュを吹き飛ばした。

 

 

「「「俺達はケルベロスゴミリオン。王の望む世界を作る者だ……!」」」

 

「王?蝙蝠の奴も言ってたけど……」

 

『やべーぞ相棒!こいつ、強すぎるぜ!』

 

「でかい声でキャンキャンほえないでちょうだい。うるさいわ」

 

 

 そう言って続けざまに、デリートナックラーをデリートバックルに装填して押し込むことで完全にデリートバックルのDジャンクキューブを破壊すると、そのエネルギーが両手に集束。紫色に輝いて、突撃するデリート。

 

 

『ジャンクラッシュ・ヘル……!』

 

「「「無駄だ!」」」

 

 

 そのまま両手を同時に突き出すパンチを叩き込むが、三つの首と六つの目で視野が広いケルベロスゴミリオンには通じず、両手首を握られて持ち上げられる。

 

 

「「「どうしてくれようか…?生ゴミらしく俺達に喰われるか?」」」

 

「……掃除屋を舐めないでくれるかしら」

 

 

 獲物を前ににやにやと笑いながら顔を近づけたケルベロスゴミリオンの真ん中の頭部に、頭突きが炸裂。怯んで手放したケルベロスゴミリオンの真下で、デリートナックラーにホルダーから取り出したDジャンクキューブを装填。デリートバックルに納めると、何度も勢いよく押し込んで限界までヒビ割れさせ、エネルギーを充填したデリートナックラーを引き抜き、左の掌に叩きつけるデリート。

 

 

「「「キャイン!?」」」

 

「会社からの依頼に基づき、ゴミリオンは私が掃除する」

 

『ジャンクラッシュ・ヘル&ヘブン……!』

 

 

 そのまま、デリートナックラーを握った右拳を猛連打。パンチのラッシュを浴びせてケルベロスゴミリオンの体を潰して圧縮していく。

 

 

「「「そんな、馬鹿なああアアアア……」」」

 

「デリート、完了」

 

 

 ジャンクキューブにまで圧縮し終えると、そのままデリートナックラーに装填して勢いよくデリートバックルに叩きつけて、完全に粉砕。ケルベロスゴミリオンだったジャンクキューブは爆発することなく、消滅。そのままベルトを外して変身を解除し、アタッシュケースに入れると去っていく掃除屋。

 

 

「あ、ちょっと待って……」

 

「ゴミリオンの気配は完全に消えた。仕事は終わり。どこの誰だか知らないけど。素人の貴方じゃゴミの中で野垂れ死ぬだけよ。降りなさい」

 

 

 その言葉にトラッシュは言い返せず、掃除屋はバイク……デリートチェイサーに乗ると走り去っていった。

 

 

「……素人だってさ。そりゃ今日変身したばかりだけどさ」

 

『むかつくぜ、アイツ!次会ったら見返してやろうぜ相棒!』

 

「もしかして、あの人が五年前の仮面ライダーですの…?」

 

 

 出てきたヒカリの呟いた言葉に、怜二は考える。仮面ライダーデリート。チリヅカに雇われているらしい、掃除屋。彼女が噂の仮面ライダーだと言うなら納得がいくのもたしかだ。だがしかし。

 

 

「……だからって放っておけるわけないだろ。行こう、ヒカリ。君の免許と服をどうにかしなくちゃな」

 

 

 怜二もヒカリを連れて、軽トラに乗せれるだけゴミを乗せて、その場を後にした。自分でもできることがある。なら戦う。そう、怜二は決めた。




仮面ライダーデリートに変身する掃除屋登場。怜二たちは「清掃員」でよく似てますが、言葉通りの意味じゃないですね。次回からトラッシュに挽回させていきたいところ参。

ドッグゴミリオン×3が合体してケルベロスゴミリオン。今のトラッシュでは勝てない奴でした。存在的に近いのはアンノウンだろうか。

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