仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。プロットめっちゃ書き直してるけどお陰でトラッシュは更新頻度速いです。

今回はVSダークトラッシュ第二ラウンド。楽しんでいただけたら幸いです。


第三十四の清掃:お前が諦めるな 奇跡の変身

 エコちゃん様ことスイセンは、旧東京都と新東京都の間の海の上空で、水でできた鏡を眼前に浮かばせて映り込む三人と会話していた。

 

 

「頼む!ヒカリがいない僕の力じゃクロウリーには勝ち目がない、力を貸してくれ!」

 

【「だからなあ。俺様達は自分の縄張りで精いっぱいなんだよ!あのカラス共のせいで地脈が滅茶苦茶だ!」】

 

【「抑えるのに一苦労だし、拙も芽瑠が頑張って戦ってるのにこれ以上負担をかけるわけにも……」】

 

【「私は流希奈がチリヅカの馬鹿侍と戦ってるからパスで~」】

 

「……あの子がいいように使われているんだぞ、いいのか」

 

【「「「……」」」】

 

 

 スイセンの言葉に押し黙る三人の神。するとその沈黙を破ったのはキキラだった。

 

 

【「あら~?面白いことになっちゃってるわよ貴女のお気に入り」】

 

「なんだって?」

 

【「うちの会社の技術でチリヅカのカメラハッキングしてるんだけど、なんか塵塚怪王になっちゃったわよ~?ダークトラッシュだって。クロウリーはやられたわ」】

 

「は?」

 

 

 そのまま見せられたヒカリがダークトラッシュに変身する映像に目が点となるスイセン。そのまま放心してしまい、終いには泣き出してしまうスイセンに慌てる神々。

 

 

【「おいおい落ち着け!仮にも神が泣くな!」】

 

「だって、僕のヒカリがアイツに取られた……」

 

【「泣かないでスイセン。貴女を裏切ったわけじゃありませんよ」】

 

【「どうせあの子の怨念に飲まれたんでしょ。人間なら仕方ないわ」】

 

「……取り返さなくちゃ。手段は選んでられない。君達が手伝ってくれないならいいよ、クロウリーがいないなら……僕がどうにかする」

 

 

 そう告げたスイセンは鏡を水に戻し、下半身を形作っていた水を崩すと噴射する勢いで旧東京都に飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 崩落したスカイツリー跡地で、互いに吹き飛ばされたヒカリはふらふらと起き上った。変身が強制解除されるほどの威力に、ヒカリは怒りの感情で表情を歪ませる。

 

 

私に手を出した。憎い。憎い憎い憎い憎い。許せない許せない許せない許せない

 

 

 ヒカリの内心をどす黒い感情が満たし、しかしすぐに頭を振って否定する。

 

 

――――――ウソだ、私はそんなこと思って――いや、そうだ。確かに思った。思っていたはずだ。憎い、悔しい、哀しい、腹が煮えくり返る。怒りが私を染めている――玲二にも訳があって――仲間だったのに黙っていた。裏切りだ。裏切りだ。私は信頼されていなかった。彼は私よりサラを選んだ――いやだ、そんなこと思ってなんか――憎らしい、恨めしい、腹立たしい。こんな感情を持つ人類という種すら綺麗にしないと。それがこの『私』の意思ですわ…!

 

「ヒカリ…?」

 

 

 起き上った怜二の前で、ヒカリの瞳が赤く輝いて全身から赤いゴミルギーが膨れ上がる。金髪はくすんでところどころ黒く染まり、服装が黒い巫女服の様なものに作り変えられる。それは怜二に向き直ると、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

「お待たせいたしましたわ、怜二」

 

「……お前、誰だ?」

 

「誰だとは失礼しますわね。慧月ヒカリ、いえ今は塵塚怪王と名乗るべきですわね……私達、完全に混じり合いましたの。星霜菅良への失望、貴方たちの裏切り……そして、貴方による攻撃。私の心は完全に打ちのめされ、完全に『私』を受け入れましたわ。完全な肉体を得た『私』は今度こそ、世界を綺麗に掃除しますの」

 

 

 そう笑ってお辞儀するヒカリ。怜二はトラッシュドライバーにジャンクキューブを再セットしながら、苦虫を嚙み潰したような顔で尋ねた。

 

 

「ヒカリ……もう、どうしようもないのか」

 

「『私』を止めたくばこの肉体を殺すしかありませんわ。でもできまして?正義感に満ちていて、弱者を見捨てられず、そのためならば命すら差し出せる……偽善者の、怜二に?」

 

 

 そう言ってヒカリもダストドライバーの「眼」を隠すように左手をかざし、右手でもう何も見たくないとばかりに両目を覆うと、その隙間から赤い眼光を漂わせ口は弧を描きながら告げた。同時に怜二も覚悟を決めてドライバーのハンドルを押し込む。

 

 

『ジャンクキューブ!プレス!』

 

「「変身」」

 

『ダストラッシュ……フューリー!! 塵も積もれば王となる!チリ!ヅカ!カイオーウ!!!』

 

『ジャストラッシュ!あっと驚く!アトミックブロック!』

 

 

 変身を果たしたトラッシュとダークトラッシュの拳が再度激突する。トラッシュは何かを振り切るかのように苛烈に拳を振るい、ダークトラッシュも鬱憤を晴らすかのように次々と殴りつける。殴り合いを制したのは、トラッシュだった。

 

 

「ぐっ……言い返せないからって実力行使だなんて最低ですわね?」

 

『ダストリガー!リサイクレーン!』

 

「ヒカリは、そんなことは言わないんだよ!」

 

 

 左手に巨大なクレーンアームを組み立てて振り回すダークトラッシュの攻撃をスライディングで回避し、滑走した勢いのまま正拳突きを叩き込むトラッシュ。覚悟ガンギマリのその一撃にダークトラッシュは狼狽えながらクレーンアームが崩れて殴り飛ばされるも、同時に「眼」に手をかざしてダストリガーを発動していた。

 

 

「『私』に触れて考えを改めたのですわ」

 

『ダストリガー!テンペスットボトル!』

 

「ぐっ…!?」

 

 

 降り注ぐペットボトルミサイルに、たまらず防御態勢をとるトラッシュ。そこに、近くで様子を窺っていたクロウゴミリオンたちに手をかざして解体、周囲に浮かばせてガラクタを空を覆い尽くすほどに広げるダークトラッシュ。空中に浮かび見下ろすさまは魔王のそれだ。

 

 

「デリートとベノムもろとも……塵芥となるがいい、ですわ!」

 

「まずい…!?」

 

『相棒!』

 

 

 それは、ガラクタの流星群。防御しようのない圧倒的な質量攻撃。耐え抜くしかない、と身構えたその時。

 

 

『サイクル!クルクルクル!…サイクロン!』

 

 

 そこに、一陣の風が発生した。ケルベロスゴミリオンを回し蹴りして回転しながら上昇していくのは、仮面ライダールイン。上空まで舞い上がるとガラクタの流星群を巻き込み、すべて周囲にまき散らした。

 

 

「待たせたな、怜二!」

 

「ルイ…!?」

 

「……ルイ、貴女も私の敵になりますの?」

 

「ウサギとマクマも、バーンアウト全員で来たぜ!ヒカリは……まさかその黒いのか!?」

 

「…そうだ。完全に混ざってしまったらしい。もう倒すしか……」

 

 

 トラッシュの横に着地したルインは、弱音を吐くトラッシュにげんなりした様子を見せると、いきなりその頬を殴りつけた。眼前で味方に殴られて吹き飛ぶトラッシュに、ダークトラッシュも呆然とする。

 

 

「いきなりなにを…!?」

 

「馬鹿かお前は!お前が諦めてどうする!お前が諦めたら、誰がヒカリを助けるんだ!」

 

「っ!」

 

 

 その言葉に衝撃を受けるトラッシュ。今度は自分で自分の頬を殴りつける。仮面が砕ける程の威力を自分で出したトラッシュの半壊した複眼の下には、決意に満ちた怜二の瞳があった。

 

 

「……すっきりした。もう完全に混ざったと聞いて、覚悟を決めて倒すしかないと思っていた。でも、それは諦める理由にならないよな。ルイ、デリートとベノム……サラを頼む。ヒカリは、俺が助けて見せる」

 

「任せた。お前ら程お似合いな奴らはいないからな」

 

 

 そう言って未だにゴミリオンたちを戦い続けているデリートとベノムの元に向かうルインを見送り、トラッシュは向き直る。

 

 

「自分で仮面を壊して、弱点を作るなんてなめてますの?」

 

「俺は、ヒカリを信じる」

 

「戯言を……!」

 

 

 空中から降り立った勢いのまま殴りかかるダークトラッシュ。その拳をブロックグローブで受け止めながら、トラッシュは考える。

 

 

「そうは言ったけど、どうするか……」

 

『言ってから考える!さすが相棒だぜ!』

 

「それは褒めてないな?トラ」

 

『いいや。僕もそれは君の美点だと思うよ、八多喜玲二』

 

 

 すると、空から飛来した水の塊がダークトラッシュを吹き飛ばし、トラッシュの横に人型となって顕現する。それは、水の神スイセンだった。

 

 

「え、誰ですの…?」

 

「スイセン!味方は……」

 

「残念ながら、ね。だけど、ヒカリがアレに憑りつかれたなら話は別だ。僕の力で浄化する」

 

 

 そう言って放り投げたのはエコードライバー。困惑していたダークトラッシュもそれを見て正体に行きついたのか、ショックを受けて後ずさる。

 

 

「エコちゃん様…!?貴女まで…私を騙してましたの!?」

 

「騙してないよ!?…ヒカリのようでいてヒカリでない……混ざってるね。でも、汚染ならば浄化できる。エコードライバーを右腰に装着するんだ」

 

「こうか?」

 

 

 言われるままにベルトの右側にエコードライバーを装着するトラッシュ。蛇口が前に向いた形となったそれに、スイセンは液状となって吸いこまれると辺りに散らばっている瓦礫を取り込んでジャンクキューブを内部に形成した。トラッシュはいつもの二人での変身を思い出しながら、エコードライバー上部のスライド式のレバーをスライドしてジャンクキューブをかき混ぜ、崩壊しかけのジャンクキューブを排出し新たにジャンクキューブ「鉄」を装填したトラッシュドライバーのレバーを押し込み加圧。すると泡に包まれた泡が周囲に浮かび上がり。グルグルグルとトラッシュを守る様に竜巻となって回転する。

 

 

『癪だけど、力を合わせるよトラ』

 

『テメエなんかと……と言いたいところだが、それしかないな!行くぜ相棒!』

 

『『ジャンクキューブ・ランドリー!』』

 

 

 二つのドライバーの声が重なり合う。それに合わせて、怜二は構えた。

 

 

「変身!!」

 

『ウォッシュ!』

 

『プレス!』

 

 

 

 すると回転する勢いのまま組み合わさって巨大な泡に包まれたキューブでトラッシュを取り囲むと、泡が弾け飛ぶように吹き飛び、その中から新たな仮面ライダーが姿を現した。

 

 

『心の洗濯!エコー!』

 

『運命を選択!トラッシュ!』

 

 

 

『『栄光をトライ!エコートラッシュ!』』

 

 

 

 黄緑基調だったアトミックブロックが真っ白で角ばっていた角が丸くなっている洗われて漂白されたようなボディに、両腕と下半身には和風の袖や赤い袴を思わせるパーツが追加されており、神主を思わせるフォルム。そして相変らず四角い頭の複眼はエコーと同じ水色。トラッシュとエコーを掛け合わせたような姿。

 

 その名も、仮面ライダーエコートラッシュ。

 

 

「俺達三人で、ヒカリを助ける!」

 

『ホーキージャベリン!』

 

「ふざけんなですわああああっ!!」

 

『ダストリガー!ホーキージャベリン!』

 

 

 同時に取り出したホーキージャベリンを構え、エコートラッシュとダークトラッシュは三度(みたび)激突した。




奇跡の変身エコートラッシュ。完全に混ざった塵塚ヒカリ、覚悟ガンギマリ怜二、ルイン参戦と要素盛沢山でした。

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