今回はVSダークトラッシュ決着、そして。楽しんでいただけたら幸いです。
「……フフフ……ハハハ……」
瓦礫の中から笑い声が響く。スカイツリーが倒壊した余波に巻き込まれ、頭部から血を流し、両腕両足が瓦礫で潰れて拉げている死に体で、瓦礫の隙間から見える信奉する王の雄姿を見て、心の底から喜んでいた。
「ああ、王よ……貴女の御身に触れようとした挙句、敵の
そう言って事切れた老獪から、悍ましいほどにどす黒いゴミルギーが溢れ出す。それは瓦礫や散乱するゴミに伝播し、異形の人型をいくつも作り上げていく。
カア!
カア!
カァー!
ガァー!
ギァー!
グエーッ!
エコートラッシュとダークトラッシュ、二つのホーキージャベリンが激突する。パワーはダークトラッシュが上であり、無理矢理弾き飛ばしたダークトラッシュはそのままホーキージャベリンを投げ槍の要領で投擲、エコートラッシュは地を蹴り、滑走して回避。
「速い…!」
地を踏むたびに足裏から泡が弾け、加速。まるでアイススケートでもするかのように滑走したエコートラッシュは大きく旋回、穂先に手をかざして泡立たせたホーキージャベリンを振りかぶり、野球でもするかのようなスイングをダークトラッシュに叩きつけた。
「っ!?」
泡が浸透し、全身から噴き出るダークトラッシュは、ぐらりと揺れる。ダメージはない。が、身体が重くなっている。確かに効いていた。それを見逃すエコートラッシュではない。その手に泡が膨らみ、破裂すると中から出てきたジョーカスプレイザーを握って突きつける。
『ジョーカスプレイザー!』
「それは…!?」
「これも、エコーとトラッシュの合わせた力だろう!」
『スプレディーゴー!バブリー!』
ソリッドアライブの時は「拡散」がデフォルトだったそれがシャボン玉の様に泡を放射するものに変わっており、その奔流を防御するも突き抜けていったダークトラッシュは徐々に重くなってきた体に苛立ちを隠せない。
「なんで、身体が……重いですわ……」
『塵塚怪王、君がヒカリと混ざっているのは、……星霜菅良が集めた君の怨念……膨大なゴミルギーで心を汚染されたからだ。なら、話は簡単だ。その汚染を洗い流す』
「隅々まで丹念に洗ってやるから覚悟しろヒカリ!」
『相棒!ちょっとギリギリだぜその台詞!』
「くっ……!」
『ダストリガー!リボルバイク!』
ダークトラッシュは右手にタイヤシールドを組み立て、弾丸の嵐を撃ち込みながら後退。エコートラッシュはジョーカスプレイザーから放つ泡の弾幕で弾丸を全て包み込み防ぎながら突進。ジョーカスプレイザーをタイヤシールドに突きつけ、接射。タイヤシールドは構成しているゴミルギーを浄化されて崩れ落ち、そのまま泡の奔流がダークトラッシュを飲み込んだ、かに見えた。
『ダストザス!!フューリーサクリファイス!!』
「女だからってなめんな!ですわ!」
タイヤシールドが崩れる時にはすでに五秒間「眼」を閉ざして膨れ上がったゴミルギーで泡の奔流を耐え凌いでいたダークトラッシュの、どす黒いオーラを纏ったミドルキックがエコートラッシュの胴体に突き刺さり、蹴り飛ばした。
「ぐああああっ!?」
吹き飛ばされるエコートラッシュ。しかし全身から湧き出た泡が緩衝材となって衝撃を和らげ、何回か転がるもなんとか踏ん張って体勢を立て直し、ジョーカスプレイザーを投げ捨ててエコードライバーの蛇口を捻って奥側……向かって右側のボタンを押し、トラッシュドライバーのハンドルを三回押し込んだ。
「2人とも!一気に行くぞ!」
『『ランドリー!!』』
両足にブロック状のエネルギーを纏わせたエコートラッシュはエコードライバーの蛇口から溢れだした石鹸水のようなエネルギーの道が渦を巻いて空中を突き進むそれに乗って滑走。まるで洗濯機の様にグルングルンと回転し猛加速していく。
「戻ってこい、ヒカリぃいいいいいいい!!」
「たすけ、怜二……っ憎い憎い憎い憎い!やはり私は!お前が憎い!!!」
『ダストリガー!アトミックブロック!』
一瞬助けを求めるも次の瞬間には怨嗟の声を吐き出し、五秒かかるダストザスでは間に合わないため、ダストリガーでアトミックブロックのブロックグローブ……を黒く巨大にしたものを右腕に組み立てて迎え撃つダークトラッシュ。
『『エ・コーストライクラッシャー!』』
石鹸水の道から射出され、高速回転して浄化の泡を全身から振りまきながら叩き込んだエコートラッシュの両足ドリルキックが、巨大ブロックグローブと激突。一瞬拮抗するも、瞬く間にひび割れて崩れ落ち、胴体に炸裂。
「おのっれえええええええ!!!?」
続けざまにばら撒かれた全ての泡が吸い込まれるようにして炸裂し、その勢いでダークトラッシュの外装が洗い落とされる様に剥がれ落ちて、元の綺麗な金髪に戻り小綺麗な巫女服姿のヒカリが出てきて倒れ込んだのをエコートラッシュが受け止めた。
「う、うう……怜二……?私、苦しくて、辛くて……ごめんなさい……」
「気にするな。遅くなってごめんな。……おかえり、ヒカリ」
『おかえりヒカリぃいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!』
『うわあびっくりした!うるせえなあ!お前はよお!?』
ヒカリを抱きとめるエコートラッシュと、その余韻をぶち壊してドライバーから液体が漏れだすぐらい号泣してるらしいエコちゃん様にトラがツッコむ。いつもの光景が戻ってきた。そう、安堵するエコートラッシュの視界で。
「……え?」
「まだ、だああ……!」
中身を失って剥がれ落ちた外装がそのまま人型を保ちつつ、まるで亡霊の様に立ち上がっているダークトラッシュの姿がそこにあって。その失った部分を補う様に、いつの間にか大量発生していたクロウゴミリオンがダークトラッシュに集束してそのシルエットが膨れ上がっていく。
「星霜菅良ァ!……心底嫌だが、貴様の魂を、贄の代わりとする!」
「「「「「グゲエ……よろ、こんでぇ……!!!」」」」」
辛うじて残っていたスカイツリーの土台すら飲み込み、膨れ上がっていくガラクタの体からボロボロと溢れたガラクタが零れ落ち、エコートラッシュはヒカリを抱えてその場から滑走して高速で退避する。ゴミリオン軍団を倒し終えて、大量に湧いたクロウゴミリオン軍団を相手にしていたベノム、デリート、ルインが見えて思わず叫んだ。
「サラ!掃除屋!ルイ!逃げろ!」
「あ、ヒカリさんを救えたんです……ねえ!?」
『逃げろ相棒!飲み込まれたら組み込まれちまう!』
「冗談じゃないわ……!」
「ちっ……正直助けたくはないが、掴まれデリート!サラもだ!」
『サイクル!クル!…サイクリング!』
それを見るなり、ルインがレバーを一回転させてルーインズドライバー内部の粉々になったジャンクキューブからゴミルギーを引き出したルインは、胸部のエンジンを駆動させて両手でベノムとデリートを掴むと凄まじい速度で走り出し、エコートラッシュと並んで退避。
「デリート、サラ!2人を掴め!」
「あ、リーダー。あれな……にっ!?」
「あーれー」
途中で待機していたウサギとマクマも回収し、3キロは逃げただろうか、振り返って目にしたのは、とんでもない怪物だった。もはや仮面ライダーですらなくなったそれは目を紅く光らせ、四角いアームカバーの様になっている両腕の先端はこれまでゴミリオンを生みだしてきたあのクレーンアームのそれであり、全体的に巨大なゴリラの様なシルエットの110mはある、とんでもない巨体。
「憎イ憎い憎ィ憎ゐ憎い!あマねくスべてをそぅジしテやるァアアアアアア!!!」
それは、全身が無数のゴミを四角く圧縮したキューブが組み合わさって構成された巨人だった。それは、かつて旧東京都を襲った災厄。あまりの荒唐無稽な存在ゆえに当時は廃棄物症候群における「増大し続けるゴミ」として認識されていた、その元凶。
その腕の一振りで、とんでもない質量を持つキューブが、まるで流星群の様に降り注ぎ、まだ辛うじて残っていた街並みを破壊していく。エコートラッシュ一行にも降り注ぎ、変身していないヒカリとウサギとマクマを守ろうと仮面ライダーたちが身構える中。
『
『シュレッド……ショーニング!
『ミラーレーザー!』
『朧月夜にて
水を纏った狐のような顔の襤褸布の龍と電撃を纏ったリーンの体当たり、スポットライトの様な四つのレーザー、竜巻の如く回転するきめ細やかな塵と炎の斬撃の嵐が放たれ、キューブの流星群は全て蹴散らされた。唖然とするエコートラッシュ達の前に、シローを再装着しながらふわりとローネが降り立った。
「危ないところだったわネ」
「ローネ……」
『てめえら、なにしにきた!』
警戒するエコートラッシュとトラ。さらにリーン、ミラース、ボロウも続き、デリート、ベノム、ルインも集まる。
「何しに来たとはご挨拶ネ。私達が来なかったら終ってたわヨ?」
「私達が相手していた大物達が、理解あって助かりました……」
「もう二度と!あんなの相手にしないからね!なんか今からもっとヤバいのと戦いそうだけど!」
「社長命令でなければそのまま斬っていた……奴も斬るのみ」
「貴方達も来たのね。社長も重い腰を上げたのかしら」
「私殺されませんよね…?」
「お前、あの時の鏡の……!」
因縁あるためベノムとルインが警戒する中で、ローネが代表して手を差し出した。
「それぞれ思うところはあるだろうけど、今は休戦しましょう。アレは、私達としてもよろしくない存在だわ。ここで倒さないと、比喩じゃなく今度こそ世界が滅ぶ」
「……じゃあアレが」
「そ。塵塚怪王の本来の姿ヨ。貴方達が戦っていたダークトラッシュとやらは、あくまでアバターに過ぎないわ」
「っ、来るわよ!」
デリートの警告。咄嗟にベノムとルイン、エコートラッシュはそれぞれマクマとウサギ、ヒカリを庇う体勢となったそこに、ただ塵塚怪王が歩いただけの余波であるゴミルギーの津波が押し寄せてきて。あまりの威力に、全員変身が強制解除されてしまう。
「……でたらめネ」
そうぼやくネリーに誰も物申さない。勝てるのか、という不安が全員にのしかかる。しかしそれでも、立ち上がる男がいる。
「……せっかくヒカリを取り戻したんだ、負けてたまるか」
「怜二!」
「ヒカリ、エコちゃん様、返すよ。今度は、一緒に戦おう」
エコードライバーを差し出しながらそう告げる怜二に、ヒカリは涙ながらに必死に頷く。その光景を見て、奮起しない者はいなかった。非戦闘員であるウサギと、マクマもだ。
「私達もなにか……!」
「できること。ない?」
「マクマ、ウサギ……。おい技術者、このドライバー、誰でも使えるのか?」
そう言ってルイが取り出したのは、二つの下駄が重ね合わせてあるゲッタドライバー。それを聞いてネリーは頷いた。
「それは変身者を選ばないわ。そう言う性格にプログラムしタ。使わせるつもり?」
「もともとはバクゴーが使ってたんだ。受け継いで何が悪い?」
「なら。私。使う。バクゴー。意思。私。継ぐ」
そう言ってルイの手からゲッタドライバーを手にしたのは、マクマだった。するとウサギが頬を膨らませる。
「あー!ずるいよマクマ!あたしもー!」
「ウサギ、我慢しろよ。さすがに生身じゃ……」
「あ、それならちょうど良いのがあるわヨ」
そう言ってネリーが取り出したのは、ルーインズドライバーとよく似たバックルだった。こだわりなのか錆色をしているのが差異だろうか。
「ルーインズドライバー
「やった!リーダーとお揃いだあ!」
「…また俺達で実験台にするつもりか?」
「普通の人間でも問題なく使えるように調整しているワ。これは技術者として断言する。お詫びだと思ってちょうだい」
「そうか。……怜二、今集められる戦力が全員揃ったぞ!」
「分かった、なら……今回だけだ!手伝えチリヅカ!世界を救う!」
そう言ってトラッシュドライバーにジャンクキューブを装填する怜二。ヒカリもエコードライバーを装着し、サラはベノムドライバーを再度顕現。ルイはルーインズドライバーにジャンクキューブを放り込み、掃除屋はデリートナックラーにDジャンクキューブを装填。
ネリーがローネドライバーを、凛がリーンドライバーを、ミラがミラースドライバーを腰に取り付け、オボロもボロウドライバーを構えて車輪の様な鍔を回す。
そしてマクマは、合体させたゲッタドライバーを腰に装着して、ネリーから渡された小型のジャンクキューブをセット。ウサギは、勢い良く腰に取り付けたルーインズドライバー弐號のレバーを回転させると、内部で塵芥となっていたジャンクキューブが再生して、かき混ぜられる。
総勢11人が、世界を救うために、同時に姿を変えた。
エコートラッシュはホーキージャベリンとジョーカスプレイザー(バブルモード)が武器。全ての攻撃にゴミリオン特攻があます。
そして本当の本当に第一部のラスボス登場。というかトラッシュの物語における最終目標である、塵塚怪王でございます!菅良の魂とクロウゴミリオンを媒体に復活。この世界の元凶、すべての始まり。これを単騎で撃破したデリートとかいうライダーがいるらしい。
そのピンチに、ルーインズドライバー弐號を手に入れたウサギとゲッタドライバーを受け継いだマクマも含めた11人で同時変身!イメージは鎧武劇場版のあれですね。さすがにクズリューとかキャッシュは強すぎるので見物にとどめてもらいます。
お気に召していただけたら感想ならびに評価、お気に入りしてくれると嬉しいです。
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