塵塚怪王事件のその後。楽しんでいただけたら幸いです。
第三十七の清掃:ゴミは続くよどこまでも
塵塚怪王の復活騒動から一ヶ月。いろんなことがあった。まず、塵塚怪王のその後だ。チリヅカの社長、六道捨我があのあと記者会見を開いた。
「あの怪物、塵塚怪王こそが
見事にまあチリヅカの手柄にしやがった。いやまあ、エコーとベノム以外のライダーはチリヅカ製だから嘘じゃないんだが。腑に落ちねえ。ルイが「やっぱりかあ!」って電話でブチギレてた。気持ちはわかる。だが問題は別にある。あの戦いの一週間後、塵塚怪王の残骸が全てチリヅカにより撤去されたとニュースで聞いた。欠片一つにさえゴミリオンを生みだすほどのゴミルギーが宿っているのだ。そんなものを破棄するとは思えない。考えられるとしたら、新たなエネルギー源として売り出すことだろうか、とか考えて居たら、本当にやりやがった。
「我が社の発見したゴミから生み出されるエネルギー、ゴミルギーは電気や石油に変わる新たなエネルギー源となり得ます。この掌大の"ジャンクキューブ”一つで街一つを半年稼働させるほどのエネルギーとなるのです!ぜひともお買い求めを!」
なんて言い分で日本にだけでなく世界にまで売り出したのだ。しかも一つ10万円という格安で。間違いない、塵塚怪王の残骸を再利用したのだ。これにより、世界はチリヅカなしでは機能しないとまで言われるほどに復興した。
そもそも、廃棄物症候群以降の世界は日本以外は衰退の道を辿っていた。北海道や九州、四国の様に比較的無事なところが世界にはどこひとつなかったからだ。ゴミに覆われ、自然は汚染され、雨水すら汚染されて飲み水を確保できず、資源は枯渇し、兵器や武器すらガラクタと言われる、終わりを待つしかない世紀末の世界。日本はその中で唯一、チリヅカのおかげで発展し先進国となっていた。それが、枯渇していたエネルギーを世界に提供すると言い出したのだ。大事件である。
しかしいいことばかりではない。自由に利用できるエネルギーを手に入れた途端、戦争が再発した。金だけは余らせていた大国がジャンクキューブを買いあさり、それを元手に兵器を開発し、他国の残り僅かな資源を奪い取るべく戦争を始めたのだ。既に小国の大半が滅びて大国に吸収されてしまった。地獄である。日本にもとある国が攻撃を仕掛けてきたが、謎の巨大な龍に戦闘機も戦艦も殲滅されて誰も手を出さなくなったのだとか。え、なに?塵塚怪王的なのが他にもいるのか…?
次に、星霜綺羅羅について。星霜菅良の引き起こした事件は、そもそも外界に興味のなかったヒカリの両親には伝わらなかったらしく、特に接触はなかったので、ヒカリはこれまで通り慧月ヒカリとして生きるそうだ。サラとドッくんとも和解した様で、仲良く談笑していたのをこの間見かけた。肩の荷が降りた感じですごく安心した。
そうそう、ヒカリとサラだが。喫茶店跡地がクロウリーによって破壊されてしまったため、チームバーンアウトの面々にも手伝ってもらって建物を再建、民間の清掃会社「RKS」を立ち上げた。俺と
そして、今日も今日とて俺達はゴミ掃除をしている。塵塚怪王がいなくなってもなお、現れ続けるゴミリオンと今日も戦っていた。
「ウホホハハ!弱い、弱いぞ人間!」
「うおおおおっ!」
マッシブな上半身が特徴のコングゴミリオンに、ブロックグローブを打ち付けるも胸筋で跳ね返される。なんてパワーだ。そうなのだ、そもそも前のゴミリオンの塵塚怪王が復活する前から活発に活動していた。どういう理由なのか、元締めが倒されてもあの例のクレーンアームがゴミリオンを作り上げていた。
『筋肉が自慢か!?俺達もだぜえ!』
「すっごく不服なんですけど!」
「ウホア!?」
背後に降り立ったベノムがコングゴミリオンの頭部を鷲掴みし、頭から道路に叩きつけて蹴り飛ばす。吹っ飛んでいったコングゴミリオン。その上空では、オウムゴミリオンを相手にエコーが空中戦を繰り広げていて。エコーに撃墜されたオウムゴミリオンがコングゴミリオンと揉みくちゃとなり、俺達三人は一ヵ所に集まりとどめを刺さんと飛び掛かろうとして。
「はい、そこまでだよ!」
「なっ!?ぐあああっ!?」
「きゃっ!?」
『なんだっ!?』
それぞれ突き出していたブロックグローブ、ホーキージャベリン、ベノブラッシュが自分に炸裂し、吹き飛ばされる俺達。見れば、そこには鏡のライダー……仮面ライダーミラースが、チリヅカの清掃員8人を引き連れて現れていた。
「なんのつもりだ、ミラース!」
「そっちこそ私たちの仕事を奪わないでよね。せっかくの初陣なのに出番がなくなるところだったじゃん」
「初陣、ですの…?」
前から顔を見せてるくせになんのつもりだ、と返そうとして。清掃員が次々と取り出したそれを見て、絶句する。ルーインズドライバー二號だった。それが、清掃員全員の腰に取り付けられる。
「貴方たち、時代遅れの野良仮面ライダーの出番はもうないってことだよ」
「「「「「「「「変身!」」」」」」」」
『『『『『『『『出すぞ!ダスト!集え!トルーパー!…ダストルーパー!』』』』』』』』
ガシャガシャガシャと音を立てて次々と装着されていき、現れたのは全員瓜二つの仮面ライダーダストルーパー、八人。ミラースを中心にカバーシールドと銃を構えて編隊を組むダストルーパーたち。あの蛇口を模した銃は……強力水鉄砲の強化版か?ウサギが使ってたのはこれのプロトタイプっぽいな。
「な、何のつもりだ人間ども!」
「キエーイ!殺してほしいのか!」
「黙れ!俺達はもう、お前らゴミリオンに負けない!」
「スプラマグナム、よーい。撃てえ!」
号令と共に身構えられた銃……スプラマグナムからこれまでとは比べ物にならない高圧水流が一斉に放たれ、コングゴミリオンとオウムゴミリオンを撃ち抜いて爆散させる。
「……はあ、本当に私達もういりませんわね」
「そういうこと言うなよ……悲しくなるぞ」
「ま、まあまあ。私達以外でも倒せるようになったのはいいことですし……あれ?」
『なんのつもりだ?相棒に銃を向けやがって』
ぼやいていると、その銃口が俺達に突きつけられる。そういう腹積もりかよ。
「ごめんね?社長命令なんだぁ。トラッシュとエコーはドライバーを回収しろ、で……ベノムは始末しろってさ」
『相棒を始末だと?許さん、喰ってやる!』
「落ち着いて!人を食べるのはダメ!」
「喰うのはさすがに止めるけど、ドッくんに同感だ。何でもかんでも支配して……神様にでもなったつもりか!チリヅカ!」
「そっちがそのつもりならこっちも抵抗しますわよ、箒で!」
身構える俺達。ミラースを中心にスプラマグナムを構えるダストルーパーたち。支配されるつもりはない、戦うってんならやってやる!
ハッスル状態なチリヅカ。誕生RKS。チリヅカの兵士として登場ダストルーパー。世界は混沌へ。
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