最強の片翼、参戦。楽しんでいただけたら幸いです。
『ジャンクキューブ!プレス!…マットラッシュ!得体のしれない!エキゾチックレイ!』
『ジャンクキューブ・ウォッシュ……ドライ!スレッドレス、紡げ……スレスレ……スレッド……スレスレ……スレッド……!』
『マゼマゼ……!ベノミックス…!スベテブットバッス!テンペスットボトル!』
腕を巨大化させてダストルーパーたちの放った水流を受け止めるエキゾチックレイのトラッシュ。ハタンキスカを振るって糸で腕を縛って水流の軌道を変えるスレッドレスのエコー。廃液を溜め込んだボトルグローブを炭酸が噴き出すかの様に射出してミラースを狙うテンペスットボトルのベノム。しかしダストルーパーたちは怖気づくことなくスプラマグナムを構え、ボトルグローブを跳ね返したミラースがレーザーで糸を切り裂いて、攻撃を続ける。
「ヒカリ!こっちだ!」
「きゃっ」
コングゴミリオンに破壊された廃車を大きな手で掴んで投げつけ牽制したトラッシュはもう片方の手でエコーを鷲掴みにして建物の陰に隠れ、水の弾丸の掃射を回避。水流で撃ち抜かれながらもボトルグローブを叩き込んで応戦するベノムを尻目に、エコーがハタンキスカで糸を操り上空に舞い上がり、トラッシュは広げた両腕を盾にしながら突進する。
「うおおおおおっ!」
「ぎゃっ!?」
真正面にいたダストルーパーを大きな手で叩き潰し、そこを狙おうとした他のダストルーパー二人を、上空から糸を伸ばして拘束したエコーが縛り上げ、球の様に拳を握ったトラッシュの拳で吹き飛ばす。
『どうしたあ!反射しか能がないのかあ!』
「言ってくれるじゃんバケモノ…!」
反射した攻撃全てが液状の体で無効化するベノム相手に押されるミラース。ボトルグローブをガントレットで受け止め、仮面の下で笑みを浮かべる。
「残念だけど、私とダストルーパーの相性は最高なんだよね!」
『なにを…!?』
瞬間、ミラースの姿がかき消えて空振りするベノム。そこにダストルーパー五人が集中砲火を行うも、ダストルーパーたちはトラッシュとエコーが強襲しそっちに気を取られ、ベノムは考える。ミラースは、何処に消えたのか。答えは、足元できらきらと陽光を受けて反射していて、超高速で現れたミラースに、ベノムは蹴り飛ばされていた。
「……下だよ!ドッくん!」
「ご明察!水たまりは陽光あれば反射する!即ち鏡だらけ!光速で反射する私に追いつけるかなあっ!」
鏡から鏡で光速で移動して次々と殴り、蹴り、ベノムを圧倒するミラース。見切りさえすれば液状化して避けることが可能なベノムも、反応できない速度で攻撃されるとただただなすがままにされるしかなかった。さらに、トラッシュとエコーを狙って放たれたスプラマグナムで水たまりは増え続け、もはやトラッシュ達も手が付けられない状態となった。
「アハハハハハハハッ!私は最強だあ!」
「サラとドッくんがやばい!」
「こっちもこっちで不味いですわ!」
弾幕に追い込まれ、ついに壁を背に構えるしかないトラッシュとエコー。隙を突いてエコーが舞い上がろうとするも、その瞬間ハタンキスカを撃ち抜かれて落ちたところをトラッシュが巨大な両手で受け止め、身体を広げて背中で水流を受け止めることでエコ―を庇った。
「ぐああああっ!?」
『相棒!?』
「しっかりして、怜二!?」
「今だ!トラッシュドライバーとエコードライバーを奪取せよ!」
『……人間っていうのは本当に度し難いな……ここはボクが』
「あっちも潮時だね。今度こそ仕留めてあげるよ、怪物!!」
「……ぐっ、怜二さん、ヒカリさん…!」
受ける面積を増やしたため大ダメージでトラッシュの変身が解除された怜二を抱き抱えるエコー。光速で後頭部を蹴りつけられて錐揉み回転しながら蹴り飛ばされるベノム。万事休すだ。エコーが迫りくるダストルーパーたちからせめて怜二だけでも守ろうと身構えた、その時だった。
「弱い者いじめは感心しないなあ?弱虫のアイドル、ミラさんよ」
「へ?」
ガントレットを操作してベノムにとどめを刺そうとしていたミラースは、背後からかけられた声にマヌケな声を上げる。それは、つい先日も相手をして遊ばれた相手。社長命令で見逃してもらえたものの、もう二度と会いたくなかった正真正銘の怪物。
「氷室、蒼牙……!?」
「先日ぶりだなあ?ミラさんよ」
そこには、自家用車らしきポンコツ車から降りてくる男がいた。白髪オールバックに白のダウンジャケット、深い蒼の瞳の左目にかけてある凍傷らしき傷痕が特徴的な、貫禄ある20代後半ぐらいの若い男。北海道を縄張りとする「
「誰だ…?」
「氷室ってまさか……!?」
「おいおい嘘だろ……」
「なんでそんな大物がここにいるんだ!?」
「誰か、夢だと言ってくれ……」
「氷室ってまさか、食料を新東京都に供給する北海道の守護者ですの…?」
「知ってるのか、ヒカリ?」
その名前を聞いて怖気づくダストルーパー五人と、さすが名家の娘というべきか既知であるらしいヒカリ。そんな面子の横を堂々と歩いて通りながら、氷室はミラースに歩み寄る。
「なあ。人間相手に本気を出せないトラッシュたちお人好し共を数で追い詰めて、どんな気分だ?その薄っぺらい虚栄心は満足してるのか?嘘つきのアイドルさんよ」
「う、うるさい……!これは社長命令なんだから、邪魔をするな!それに私は、嘘つきなんかじゃない…!」
そう激昂して殴りかかるミラースの拳を、氷室は容易く右手で受け止めてみせた。仮面ライダーの、拳をだ。
「……聞く耳を持たないならしょうがないな。これを見逃すのは、俺の仁義に反する」
「お、お前……社長命令を邪魔なんかして、どうなるか……」
「六道の命令なんざ聞く気もないが、どうなるっていうんだ。ご自慢の掃除屋を差し向けるってのか?それとも幹部全員でカチコミか?なんでもいいが、この間みたいに俺の北海道に無断で踏み込むな。二度目はないぞ」
「ひっ……なにをしている、お前たち!撃ちなさい!この男の機嫌を損ねて、助かりたいなら…!今ここで、殺しなさい!…ひっ、ぎゃあああっ!?」
ガントレットごと右拳を氷室の素手で握りつぶされたミラースは、必死にダストルーパーたちに命令する。一瞬躊躇うダストルーパーたちだったが、手を放されたミラースが容赦なくその拳で殴り飛ばされた光景を目の当たりにして、スプラマグナムを向ける。水流の弾幕が一斉に放たれる、それを。
「面白い。チリヅカの新製品とやら、俺がテストしてやるよ!」
足元のマンホールを蹴り上げて手に取り、振り上げて水流を次々と弾いて霧散と化させながら、眼に留まらぬ速度で走り抜ける氷室。慌ててダストルーパーたちは背中を逃げて逃げ出そうとするも、その一番前を走っていたダストルーパーの背中に投げつけられたマンホールが直撃。決して曲がってはいけない方向に四肢がひしゃげながら吹き飛ばされた仲間に、怯えてスプラマグナムを連射するダストルーパーたち。しかし氷室はまるで獣の様に体勢を低くしながら駆け抜けて、ダストルーパーの一人の脚を掴むと片手で振りまわし、別のダストルーパーに頭から叩きつける。
「いい盾だな」
咄嗟にスプラマグナムを構えるダストルーパーに、氷室はカバーシールドを蹴り上げると、蹴りつけてダストルーパーに当てて吹き飛ばす。あっという間に一人になってしまったダストルーパー。氷室はゆっくりと歩み寄ると、鬼のような形相でダストルーパーの顔面を殴りつけ、地面に埋め込んでしまった。その圧倒的な様に、見ていることしかできない怜二、エコー、ベノム。好戦的なドッくんすら、口出しすら叶わなかった。
『ミラースエンドレスナイト!』
「常人の50倍にもなる筋繊維密度の超人体質………バケモノめ!」
「バケモノだろうが、仁義は守る。お前らみたいに人の道は捨てちゃいねえよ」
今の攻防で生じた水たまりを利用して、光速で何度も蹴りつけてくるミラースの攻撃を、両手で弾いていく氷室。足元から蹴りつけてきたミラースの一撃を顎で受け止め、ただ首を振るうだけで地面に叩きつけ、変身を強制解除させてのしてしまった。
「うぐっ……もうやだぁ……ネリー助けて……」
「変身する必要すらねえ。こんなものか、チリヅカの幹部は。ダストルーパーとやらはまだ使いようはあるな」
そう言いながら、変身が解けた清掃員の一人からベルトを奪い取る氷室に、怜二は恐る恐ると問いかけた。
「……なんで、助けてくれたんだ?」
「なに。先日、俺が辿り着く前に日本を守ってくれた礼だとでも思ってくれ」
「……なんで、北海道からわざわざこんなところまで?」
「ああ。六道の奴に直接言いに来たんだ。今後一切の食料の供給を断つ、とな」
「え…?」
そう宣言し、ダストルーパーのベルトを手にポンコツ車に乗り込む氷室。エンジンを吹かそうとしてエンストを起こしながら、呆ける怜二に告げる。
「巻き込んで悪いな、新東京都の
そう言い残して、氷室はその場を去っていった。
トラッシュ達3ライダーを圧倒するミラースとダストルーパーたち。変わらぬ脅威を見せつけたかと思いきや…?
仮面ライダーを変身しないで蹴散らすバケモノ、氷室蒼牙。北海道編における超えなきゃいけない壁となります。仁義を通す任侠です。しかし、新東京都にとっては生命線たる食料の供給を止めると宣言して…?
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