仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。いつもお世話になってる煌・蒼ークZさんよりデリートのイラストをいただきました。

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今回はヒカリの掘り下げ回となります。世界観についても追加情報あり。楽しんでいただけたら幸いです。


第六の清掃:響いて届けエコーの声

「お父様。お母様。なぜ、使用人の皆様はあんなに暗い顔をしているのですわ?」

 

 

 新東京都に引っ越してから4年ほど。16歳になった頃に、私はそう両親に尋ねた。豪勢で煌びやかな、この世のものとは思えない綺麗で大きな家で生まれ育った。星霜(せいそう)家。それが私の生まれた家の名前。古くは伝説の陰陽師であるかの安倍晴明に連なる、平安の世から国に仕えている霊能力を持つ者の家系だ。なんでも、代々なんとか怪王とかいうバケモノを封じてきた一族らしい。だが最近は霊能力なんて開花せず、先祖の資産で今の地位を確立してるんだとか。そんな話を自慢げに話していた両親はしかし、心底汚いものでも見るかのような視線を彼らに向けていた。

 

 

「ああ、なんでも最近、外の世界でゴミが溢れだしたそうだ。薄汚れた彼らにふさわしいと思わないか?」

 

「あんな辛気臭い顔で屋敷の中にいてほしくないわね。貴方もそう思うでしょ?」

 

 

 そう答えた両親に、疑問を抱いて。使用人の一人に無理を言って、外のことを教えてもらって、愕然とした。私たちの住む場所「中央区」とはまる違う、外の世界。その違いは、資産の差。資産を有している人間はこの新東京都の中心であり常に清潔で煌びやかな中央区に住むことが許され、そうでない人間は今もゴミにまみれている外の世界から出稼ぎに中央区で清掃活動を行う。そうすることでなりたっている、潔癖な世界しか知らなかった私は愕然とした。ただ私達は先祖の培った資産でいい暮らしをできているだけなのに、両親はこれが当然だと言わんばかりに高値のワインや北海道から遠路はるばる運ばれてきた、無事ですんだ希少品たる牛肉のステーキを貪るのだ。吐き気がした。外の世界よりも、ここは薄汚れている。そう錯覚して。私は使用人の一人に無理を言って外の世界に連れ出してもらった。あんなところには、いられなかったから。

 

 

 

 外の世界に来れた私は使用人に迷惑をかけることも申し訳ないため、一人で生きていくことを決めた。しかし働くことも知らない上にまだ高校生の私では職なんて就けず、それでも誰かの助けになればと細々と掃除を行い路銀を得て。ひもじいけれど充実した生活を送っていた時、そんな私を肯定してくれる人に、怜二に、出会ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生ごみを用いた第三の形態、ウィキッドゾンビに変身するも、デリートに敗北したトラッシュ。ヒカリが庇うことでなんとか事なきを得たトラッシュこと怜二は、ゴミ山の中心でヒカリの膝枕に頭を預けて気絶していた。そんな怜二の頭をそっと撫でて微笑むヒカリ。

 

 

「……怜二、お疲れ様ですわ。……怜二?」

 

『相棒?おい、相棒!?』

 

 

 すると、異変に気付き呼びかけてみるも返事はなく。トラッシュドライバーも慌てて怜二の腰から呼びかける。

 

 

「いったい何が起きてますの、トラッシュドライバー!?」

 

『こいつぁまずい!一度致命傷を受けた際に毒素が体内に入り込んじまったんだ!俺を装着してるから生命維持はできているが、このままじゃあ、相棒が死んじまう!』

 

「なんですって!?」

 

 

 そう言われてヒカリが思い出すのは、デリートの拳がウィキッドゾンビのトラッシュの胴体を突き抜けた光景。物理法則を無視した光景だったが、その代償はちゃんとあったらしい。ヒカリは慌てて怜二を抱えて立ち上がる。非力ながらもなんとか抱え上げ、背負ってゴミ山の中から出ようと試みた。

 

 

『どうするつもりだヒカリ!?』

 

「病院に連れて行くんですわ!ゴミの毒素による汚染は廃棄物症候群(トラッシュシンドローム)以降に発生した症例ですわ!治療できるはず……」

 

『だが治療ができる病院はここから2㎞も先にある!いくらなんでもお前が抱えていくには遠すぎるぜ!』

 

「無茶でも何でも、やるんですわ!怜二を死なせたくない…!」

 

『だけどよぅ……いくらなんでも無茶だぜ。くそっ、俺があの時止められていたらこんなことには……』

 

 

 靴先をずるずると引きずりながらも怜二を引っ張っていくヒカリに、怜二の腰で弱音を吐くしかないトラッシュドライバー。しかし力尽きた成人男性の体は高校生の身には重く、ヒカリはずべしゃっと顔から転んでしまう。泥で汚れた顔で涙目になり震えるヒカリ。

 

 

『お、おい!大丈夫か?』

 

「……大丈夫じゃありませんわ。痛くて、ドロドロで、……なによりも、自分が情けなくてッ!」

 

『ヒカリ……』

 

『助けてあげようか?』

 

「え?」

 

 

 すると、凛とした女性の声が聞こえてきて。辺りを見渡すヒカリ。すると、ゴミ山の内で何かがピカピカと光っていて。ヒカリは藁にも縋りつく様に立ち上がって歩み寄り、ゴミをかき分けていき、それを見つけた。

 

 

『やあ。ようやく外に出れたよ』

 

『なんだ、お前!?俺と同じ…?』

 

 

 そこにあったのは、また奇妙なバックルだった。小型の水槽が中心となっており、澄んだ綺麗な透明な液体に満たされている。左側面に排水溝の様な三本線の穴がついており、右側面にはトラッシュドライバーのそれとよく似ている吸引孔が。開閉式の蓋の様になっている水槽の上部の左側には蛇口ハンドルの様なパーツ、右側にはスライド式のレバーがついている。なんというか、水槽と掃除機が合体した様な見た目だった。

 

 

『初めまして、ヒカリ。ボクはエコードライバー。君を、待っていた』

 

「貴女が呼びましたの…?いや、それよりも……怜二を救えますの!?」

 

『救える。けど今のボクじゃ無理だ。君の力がいる』

 

「なら、どうとでも使ってくださいまし!」

 

『待てヒカリ!おいてめえ、何者だ!俺はお前なんか知らねえぞ!そもそも無機物を掃除したり毒物を抑制はできても、生物の解毒なんて不可能だ!それにまさかお前、ヒカリを戦わせる気じゃないだろうな!?こいつはまだ子供だ!相棒ほど覚悟が決まってもいねえ!そんな奴に戦わせるなんて、相棒だって反対するに決まってる!言語道断だ!』

 

 

 それ……エコードライバーの言葉に、二つ返事で頷こうとしたヒカリだったが、トラッシュドライバーに止められる。自分のことを案じてくれているトラッシュドライバーの言葉に、言葉が詰まるヒカリだったが、それでもと。胸に手を添え、前に出た。

 

 

「私は怜二に救われましたわ。ゴミ山に埋まって心が折れそうだったところを、助けてもらった。住むところも、食事も与えてくれた。その恩人が命の危機に瀕していて、私の命を懸けない理由がどこにありますの!」

 

『……!』

 

 

 トラッシュドライバーは言葉を失う。相棒の様な、誰よりも潔癖で清らかな精神(ココロ)の持ち主ではない。だけど、そこには美しく輝く〝気高さ”が、確かにあった。

 

 

『問答している暇はないみたいだよ、ヒカリ』

 

「え?…っ!」

 

 

 エコードライバーの声に、気配を感じて振り向き空を見やるヒカリ。そこには、謎の空飛ぶ巨大な錆色のクレーンアーム……の様な幻影があって。以前にスパイダーやバット、ドッグと言ったゴミリオンたちが現れた場所であるこの公園の、ゴミ山をぐわしと鷲掴みにするクレーンアーム。するとクレーンアームが実体化し、鷲掴みにされたゴミの塊が人の形をなしていき、クレーンアームで頸部の肋骨を表しているコブラの様な頭部で右手に大砲を付けたゴミリオン、コブラゴミリオンが誕生したところに出くわしてしまった。

 

 

「ひっ、ゴミリオン…!?」

 

『なっ、ゴミリオンはこうやって生まれるのか…!?逃げろ、ヒカリ!』

 

 

 ゴミリオンに悲鳴を上げるヒカリに、ヒカリだけでも逃げてくれという意をこめて叫ぶトラッシュドライバー。ヒカリはエコードライバーを握ったまま青い顔で震えて、それでも逃げることはしなかった。

 

 

「私が逃げたら貴方たちは、怜二はどうなるんですの!?私、恩人を見捨てて逃げるのは絶対御免こうむりますわ!」

 

「なんだお前…?死ね…!」

 

『ボクを使って、ヒカリ』

 

 

 ヒカリ目掛けて大砲を向け、紫色のヘドロにまみれたゴミの砲弾を飛ばしてくるコブラゴミリオン。一発は右に、次の一発は左にぶつかって弾けて着弾地点を融解させ、三発目がヒカリに迫り、それは咄嗟に盾の様に構えられたエコードライバーの吸引孔から吸い込まれ、水槽の中に浮かぶとかき混ぜられて四角く、ジャンクキューブに変わって蓋が開き、チャポンと音を立ててびしょ濡れのジャンクキューブがヒカリの左手に握られた。

 

 

「私だって、戦えますわ!」

 

『ジャンクキューブ・ウォッシュ……』

 

 

 そのままエコードライバーを腰に取り付け、吸引孔のホースが伸びてベルトを形作ると、蓋を開いたエコードライバーの水槽にジャンクキューブを入れて、上部のスライド式のレバーを右にずらすと、まるで洗濯機にでも入れられたようにかき混ぜられるジャンクキューブ。すると押し出されるように左側面の排水溝から透明な液体が溢れだし、ヒカリを包み込んで泡の様にぼわんぼわんと跳ねる。

 

 

「変身ですわ!」

 

『エコードレス、響け……』

 

 

 するとエコードライバーから響き渡るように波紋が広がり、ヒカリを包み込む泡を揺らめかせて、その姿がかき消えていく。

 

 

エコー……エコー……エコー……エコー……!

 

 

 そして音声は徐々に大きくなって同時に波紋も次々と広がり、最後の叫びに合わせるように泡が弾け飛び、シャボン玉の様に空に浮かんでいく。その中心に、それは立っていた。白いスーツに赤を基調としているシャープな装甲に包まれたその姿はまるで巫女の様であり、下半身は赤いスカートの様なアーマーで、両腕にはアームカバーの様な装甲がなされて手が袖で隠れており、リボンの様な後頭部のパーツと水色の丸い複眼が特徴の顔が、様子を窺っていたコブラゴミリオンを睨みつける。

 

 

「お前、なんだ?」

 

「私は、エコー。仮面ライダーエコー!ですわ!」




誕生、仮面ライダーエコー。名前の由来は「エコ」から。モチーフは巫女と浄水槽。音声は「エコ」「エコー」「エコード」「ドレス」を合わせたもの。見た目はドロッセルお嬢様と霊夢を合わせた感じです。

いわゆる上流階級の人間だったヒカリ。例えるなら某ひとつなぎの大秘宝のゴア王国が近いです。血筋的には天竜人かな。

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