仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、最近全然小説書けない放仮ごです。本当ならエヴレムだったんだけど、超重要報告があってこっち更新にしました。

 数日前になるんですが、いつもお世話になっている秋塚翔さんが本作の三次創作である「トラッシュ秘譚:仮面ライダートラッシュ オープン・ザ・パンドラ」https://syosetu.org/novel/383459/を投稿されました。時系列は第二次廃棄物症候群と北海道編の間の空白期の話となります。よければぜひご覧になってください!

というわけで今回は前回の続き。グレイスVSホーロドニー・スメルチ。一応グロ描写にご注意あれ。楽しんでいただけたら幸いです。


第五十三の清掃:勝者のいない戦い

 オガミが非戦闘員に避難を呼びかける中、怒りの雪鬼……グレイスと、ホーロドニー・スメルチが対峙する。周りには非戦闘員を守ろうとしたのだろう、ゴミリオンの残骸や、血を流れて倒れた構成員があちこちに転がっている。ゴミリオンはもうどうしようもないが、構成員はまだ生きている様でうめき声をあげていて、オガミたちに回収されていた。それをよそにホーロドニー・スメルチの構成員八人がコールドガンを構えてコールドルーパーへと変身を果たし、隊長であるエリィもまたサブゼロへと変身を果たす。

 

 

「標的、確認。抹殺」

 

「俺が標的……?なら、なんで殺した。なんで、アイツらを殺した……!」

 

 

 9人の敵、サブゼロとコールドとルーパーたちに銃を向けられるも、弾幕を受けながら駆けるグレイス。弾を受けるたびに表面が凍り付いてダメージをカットしながら、ホーロドニー・スメルチの中心に跳躍すると、着地と同時に拳を振るう。

 

 

「ぐうっ…!?」

 

「あの世でアイツらに詫びろ」

 

 

 その一撃で、逃げられず衝撃で宙を舞うコールドルーパーに、腰から振り抜いたグレイスの拳が直撃。触れた瞬間に凍り付いて、粉々に砕け散るコールドルーパー。肉体すら残らない、即死だった。

 

 

「貴様ッ…!」

 

「殺される覚悟もねえ奴らが!」

 

 

 それに怒った、同じ改造人間仲間だったコールドルーパーがコールドガンを向けるも、グレイスは銃口を握ってひん曲げて無力化。咄嗟の判断で機械化された腕を振るうも、グレイスの横蹴りが腕をへし折りながら炸裂。瞬時に凍り付いて砕け散る。

 

 

「俺の大事な部下の命に手を出すんじゃねえ…!アイツらは平和を求めて俺のもとに来たんだ。なのに、自分の身を投げうって非戦闘員を守って死んだ。示しがつかねえ……せめてお前らの命をあの世に送らないとなあ!」

 

「お前らが私達をなめていたからだろう!我々は特殊部隊だ!非戦闘員が大勢いるところに拉致られたなら、脱出するために人質に取るのも当然だ!戦争を甘く見るな!のうのうと生きてきた東の猿がッ!」

 

 

 生まれて来た時からソ連軍に英才教育を受けていたクローン兵の一人が、マンホールを手に取り、グレイスの一撃を受けて凍り付くそれを投げ捨てながら腕を取り、捻り上げて超人的なパワーでグレイスを横に回転させ、肘鉄を叩き込むと同時に前蹴りを叩き込んで倉庫の壁を突き破って蹴り飛ばす。ホーロドニー・スメルチは全員がシステマと呼ばれる武術を得意としていた。特にクローン兵である三人の練度は隊長のエリィすら上回る。

 

 

「のうのうと生きることが!今の世でどれだけ大変か!お前たちにわかるか!」

 

「我が国はあの外道に下手に出なければ!」

 

「生き残ることもできないんだ!」

 

「その邪魔をするものは、排除するのみ!」

 

 

 壁の穴から出てきたグレイスに対し、その三人が変身するコールドルーパーが、コールドガンをしまって前に出て、残る四名が銃撃で援護する。するとグレイスは傍に転がっている瓦礫を手に取って凍らせると投げつけ、前線のコールドルーパー三人は散らばって回避。しかしグレイスの姿はすでになく。

 

 

「上!」

 

 

 エリィの言葉に反応して上を向いた時には、跳躍していたグレイスが落ちてきていて。その怒りの冷気を纏った拳が、上から顔面を胴体までぶち抜く様に凍り付かせ砕きながら貫いた。コールドルーパーだった欠片が宙を舞い、他二人が身構える中。ジャンクキューブを押し込んだ者がいた。

 

 

『フリージングフルバースト』

 

「よくも仲間を…!」

 

 

 サブゼロが構えたサブゼロドライバーから巨大な冷凍ビームが放たれ、氷漬けにされるグレイス。冷静な態度はどこへやら、荒い息を吐くサブゼロに駆け寄る五人のコールドルーパー。そのサブリーダー格である青色のマフラーを巻いたコールドルーパー、マリィがサブゼロの肩を擦る。

 

 

「大丈夫?エリィ、落ち着いて……」

 

「……落ち着けるわけがない、仲間が……」

 

「冷静さを欠いたらまた負けてしまうわ。だから……っ!?」

 

「……え?」

 

 

 瞬間、かき消えるマリィ。なにが起きたのか困惑するサブゼロの背後で、ドゴォン!と建物一棟が轟音と共にガラガラと崩れ落ちる。その瓦礫の隙間から、青いマフラーが挟まれて風にたなびいた。

 

 

「あ……あぁ……!?」

 

「奴はまだ生きて…!隊長を守れ!…ぎゃっ!?」

 

「隊長、逃げtぐあああああっ!?」

 

 

 いつの間にか霧が立ち込めていく中で、すぐさま反応したクローン兵の一人が天高く打ち上げられて氷塊となって砕け散り、サブゼロを逃がそうとしたただの精鋭でしかないコールドルーパーが氷漬けにされ、砕け散る。霧の中で、霧の白に溶け込んでいたグレイスが姿を現す。霧の正体は、開きっぱなしのトラッシュドライバー零から放出され続けた冷気だった。

 

 

「っ、この!」

 

「この尋常じゃない怪力……クローン兵か?だが、俺には及ばん…!」

 

 

 殴りつける最後のクローン兵コールドルーパー。素早く放たれた剛力の裏拳がグレイスの顔面に衝突するも、少し仰け反っただけで効果はなく。やけくそとばかりにコールドガンのジャンクキューブを押し込んで零距離から必殺技を叩き込もうとするも、逆に裏拳を叩き込まれて頭部が凍り付き、砕け散って赤い華を咲かした。

 

 

『てめえらは温厚な氷室を怒らせちまった。グ冷凍(レイト)フル!』

 

 

 そして、呆然としているサブゼロと最後のコールドルーパーに対し、処刑宣告と言わんばかりに蓋を勢いよく閉じて内包されている凍結したジャンクキューブからゴミルギーを絞り出して冷気が迸る右拳を振りかぶるグレイス。瞬間、咄嗟にサブゼロを突き飛ばしたコールドルーパーを中心に、空間が凍り付いて空中に磔にされて、グレイスは跳躍。飛び蹴りを叩き込んで貫き、氷塊に閉じ込められたコールドルーパーはそのまま息絶えた。

 

 

『ホーリーグレイ・スマッシュ!……氷室、少し頭を冷やせ』

 

「あと一人だ……!?」

 

 

 突き飛ばされたサブゼロに視線を向け、固まるグレイス。先ほど、冷気の霧に紛れて不意打ちを叩き込んだ青いマフラーのコールドルーパーに変身していた少女が瓦礫から上半身だけ這い出てまだ生きていて、突き飛ばされたままの勢いでサブゼロが駆け寄っていたのだ。しかし、徐々に下半身から凍り付いていっていた。

 

 

「だめ、だめだめだめ!行かないで、マリィ…!」

 

「エリィ……貴女は、生きて……」

 

 

 そう言い残して、マリィと呼ばれた少女は完全に凍り付き、バランスを崩した瓦礫に潰されて粉々に砕け散る。残されたサブゼロの慟哭が響き渡る。図らずもそれは、先ほどの氷室やミラを殺された際の怜二のそれと同じだった。

 

 

「……私達は。私達は任務を果たそうとしただけだ!それなのに、お前は仲間を傷つけられただけで、私の家族同然とも言える者を一人残らず殺した!お前の、奴隷とゴミリオンだろう!下調べはできていたんだ…!」

 

 

 そうグレイスに怒鳴るサブゼロ。だがしかし、その言葉は今のグレイスに許容できない。

 

 

「アイツらは奴隷でも、悪いゴミリオンでもない……俺の大事な部下だ!何も知らないやつらに踏みにじられていい道理があるか!」

 

「あんな……念入りに殴り殺されて……あんな風に粉々にされたら……あの世とやらに行っても、可哀想じゃないか!そんな事も分からない、お前なんか……人間じゃない!!」

 

 

 その嗚咽と涙の混じった悲痛の言葉に、頭に血が上り怒りがこみ上げるグレイス。サブゼロが構えたサブゼロドライバーの弾丸を全て掌で受け止めて握りつぶし、サブゼロドライバーを構えたサブゼロの胴体に一撃。凍り付く冷気を無理やり殴り壊して凍結を回避するサブゼロに、容赦なく両手によるラッシュを叩き込む。凍結し、徐々に動かなくなっていく気絶寸前のサブゼロに、拳を振り上げるグレイス。必殺の一撃が、放たれようとして。

 

 

 

 

 

 

『ギンギン!ガガーン!テック・ボス!ギガンティックボックス!』

 

「そこまで、だあ!」

 

 

 

 

 跳躍してきて間に割り込んだ巨体がグレイスを掴み、制止させた。トラッシュ・ギガンティックボックスであった。

 

 

「オガミから連絡を受けてきてみれば………こいつは、俺を襲った……?いやでも、この惨状は……」

 

「……トラッシュ?」

 

「ああ、俺だ!ミラを任せて、なにがどうしてこうなったんだ!?氷室!」

 

 

 その言葉に、我に返ってトラッシュドライバー零を引っぺがし、変身を解除する氷室。その視線の先には、強制的に変身が解除されてトラッシュの腕に抱かれて気絶しているサブゼロ……エリィがいた。その仲間は、もうどこにもいない。

 

 

「……頼むトラッシュ。そいつを連れて、どこかに行ってくれ…!」

 

「え、でも……」

 

「いいから行け!今の俺は、そいつも殺してしまう!」

 

「!」

 

 

 その言葉に頷き、エリィを連れてその場を後にするトラッシュ。残された氷室は壁にもたれかかり、トラッシュドライバー零を握った手で顔を覆った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が奪われたからあいつの家族を殺していい理由にはならねえ……トラッシュが止めなければ俺は、……クソがあ!」

 

 

 

 

 勝者のいない戦いが、ここに終わった。




勝者のいない戦い。救いがなさすぎるのである。この過酷な世界ならではの対立でした。全部、兵器の仮面ライダーを世界にばらまいてホーロドニー・スメルチを差し向けた六道とかいう男が悪いんですが。

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